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第15回目のラジオ配信。「令和の天皇陛下の即位と、退位」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
このラジオ配信日の今日がまさに、皇居で「即位礼正殿の儀」がおこなわれる日ですね。
どのような感じで即位礼正殿の儀がおこなわれるのか、楽しみです。
とういうのも、私は昭和天皇の崩御と平成の天皇の即位を経験していないので、その時の世の中の雰囲気や報道のされ方を知らないんですね。
で皆さんは、平成の天皇陛下がどのような形で、即位されたのか覚えていますか。
私は生まれる前のことだったので、知らないんですね。だから、平成の天皇の生前退位が決まった2017年には、お参りに行った先の人に、「平成の天皇陛下はどこで即位されたんですか?」「やっぱり京都御所の紫宸殿(ししんでん)でしたか?」とたずねると、「覚えていない」という答えが多かったんですね。
中には「東京の皇居でしたよ」と答えてくれる人もいるんですが、私が「じゃあ、わざわざ天皇の玉座の高御座(たかみくら)を、京都御所から移されたんですか?」と尋ねると、「覚えていない」と言われるですね。
それが2017年の私の経験です。
2019年になると、「5月1日に新しい天皇陛下が東京の皇居で即位するんだ。」と知らない人はいない様子でしたが、はたしてこの出来事も30年も経つとどうなるでしょうかね。
私も20年30年後は生きているのか知らないですが、もしも人に尋ねられたら、世の中はこんな雰囲気だったんだよ。
10月22日の「即位礼正殿の儀」の前には、東日本に大きな台風が来て、甚大な被害があって、天皇皇后両陛下の即位パレード「祝賀御列の儀」は11月10日に延期になったんだよ。と言えそうです。
ちなみにですが、お参りに行きますと、5月1日と10月22日の違いについて聞かれることもありますが、似たようなものと思ってもいいと思います。
説明すると、平成の次の天皇陛下が即位するにあたって、国事行為の「即位の礼」を2018年に時の政府が決定をしたんですね。
でその「即位の礼」の内容は、5つの儀式からなってて、
- 新しい天皇に継承するための、天皇を象徴する剣璽や印などの引継ぎの儀
- 5月1日に続けてあった、国の大臣などが新しい天皇に拝謁する儀
- そしてこの度の10月22日にあるのが、天皇自身が国内外に天皇になったことを宣言する儀。玉座の高御座を用意しますね
- 天皇陛下をお祝いするお食事会。結婚式の後の披露宴みたいなものですね
- さいごに、祝賀のパレード
この5つの儀式をあわせて、令和の「即位の礼」となっているんですね。令和のね。
日にちとか、場所とか、内容は、時代によって違うみたいです。生まれる前のことだから私もよく知らないですが。
それこそ私も令和の天皇陛下の「即位礼正殿の儀」は京都御所で行われると、2017年の頃は想像していたんですよ。
理由は明治・大正・昭和の天皇陛下は、京都に戻って、京都御所でされてたからです。実際、玉座の高御座は京都御所の紫宸殿(ししんでん)に常に安置されてますからね。
でも2018年1月2月頃のニュースを聞くと、どうも今回は、東京のお住まいの皇居で即位されるみたいだなあという感じになってたんですね。
でちょっとお坊さんの私の話をします。
どうも世の中全体に、「平成の次の天皇は、東京で即位されるぞ」という空気感が2018年の春ごろから感じられたんですね。
でもお参りに行って、「昭和から平成の時はどうだったんですか」と聞いても、「お祝いムードでもあったけども、いつの間にか過ぎていた」みたいな答えだったんです。
その話を聞いて「そうか実際に行って見て経験しないと記憶に残りにくいか」と私は思ったんですね。
でその時の私の知識として、天皇の即位には高御座が必要ということがあったので、それなら「ご門徒の人と一緒に、京都御所に行って、実物の高御座を見よう」と考えました。
さいわい、私の所の宗派の本山は、京都にあります。また京都には世界遺産が数多くあります。
そこで本山の参拝と、京都の世界遺産を巡る旅を企画して募集し、2018年の5月下旬に25名ほどで行きました。
即位やオリンピックの前ということで、おそらく注目されていないであろう、2018年の今なら一番のチャンスだと考えたからです。
京都御所の思い出話をすると、まず第一印象は広かったです。門をくぐったと思ったら、また塀がありました。
バスを降りて中に入ろうとすると、皇宮警察の人がいて、1人ひとりのカバンの中身をかんたんにチェックするんですね。私が京都御所に行ったのは、朝一番の9時だったので、あまり人がいませんでした。
で行って初めて知ったのが、高御座が安置されている紫宸殿(ししんでん)が思いのほか広くて遠かったことです。
肉眼ではなんとか高御座の下半分がくらいがみえるのですが、全体像をカメラに写すのはちょっと難しかったです。
代わりに紫宸殿の前に配置されている、左近の桜と右近の橘(たちばな)はよく見えました。
ちなみに高御座は、直後の6月から移動のために解体されたので、ぎりぎり見ることができたのはラッキーでした。
続けて私たちは世界遺産の仁和寺に行きました。888年の仁和の元号の時に建てられた真言宗御室派の本山ですね。
なんで仁和寺に行くんだと思われる人もいるでしょうが、平成の天皇の生前退位がおこなわれる今の時代だからこそ、行くべき場所だと思い、この仁和寺を選びました。
というのも仁和寺は御室御所(おむろごしょ)と言われている場所なんですね。
仁和寺は門跡寺院であり、明治時代までは歴代の仁和寺住職は、隠居された天皇や皇族らがつとめられた寺でした。
ですので、御室のお住まいということで、仁和寺には御室御所と言う名前がつけられているのです。
もちろん名前だけでなく、京都の御所と同じように、仁和寺には右近の橘と左近の桜も配置されています。京都御所を離れた天皇が、もう一つのお住まいとして、余生を過ごされた場所です。
平成から令和の時代は、平成の天皇が生前退位した時代でもあります。
時代が変わり、変化してきたことも多くありますが、昔のこともたずねつつ、新しい変化も取り入れていくべきでしょう。
まだ京都には、古い日本の面影が残っていることでしょう。令和の天皇陛下の即位をお祝いして、皇居だけでなく、京都御所や御室の御所などにも行ってみてはどうでしょうか。
ラジオの補足
「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。