煽り運転(あおり運転)による重大な事故(事件?)が最近よくニュースになりますね。
おそらく昔から危険な運転による死亡例はあったのでしょうが、ここ数年は煽り運転による悲惨な死亡事故が発生した場合、全国的に報道されかつ類似のケースが大きく話題になります。例えば『2017年6月の東名高速夫婦死亡事故』や『2018年7月の堺でのバイク大学生死亡事故』ですね。
私はいつも思うのですが、どうしてNHKなどのニュース番組および新聞各社は、煽り運転のことを「あおり運転」とひらがな表記にするんでしょうか。
ささいなことですが、ひらがなだと柔らかい印象、漢字だと硬い厳しい印象を与えるとされます。それで言えば煽り運転する人のことを「ロードレイジ」と表現する人もいるようです。カタカナだとカッコイイ・オシャレな印象を与えてかえって逆効果にならないのかな。
私が普段から思っていることは、煽り運転のことを「あおり運転」と表記するのではなく、「危険誘発悪質運転」や「加害運転行為」といったように、漢字でガチガチガチと硬そうな表現に変えてはどうだろうか。こっちの方が抑止効果ありそうじゃない?
煽り運転は道路交通法上の定義はないが、してはいけない運転行為
いつもニュースでは煽り運転(あおり運転)として報道しますが、あれは仕方のない面もあると思います。
というのも事故が発生して逮捕されるような案件の場合、とりあえず「道路交通法違反の容疑」や「過失運転致死傷」などとして扱われます。その後、どのような状況で事故になったのかを調べて、道路交通法上のどの違反内容に該当するかを判断します。そしてもしも被害者が死亡し事件性があれば「殺人などの疑いなど」変更されて再逮捕されます。
事故が発生した事実だけでは、まだ何の罪や違反に該当するのか分かりませんので、とりあえず事故を発生するような悪質な運転だったという事実から「あおり運転」と表現せざるをえないのだと思います。
道路交通法上の違反としては一例を挙げてみます。
- 緊急時でもないのに急ブレーキをする→急ブレーキ禁止違反(24条)
- 前方の乗り物に以上に接近し詰めて走行→車間距離保持義務違反(26条)
- 不必要にいたずらにクラクションを鳴らす→警音器使用制限違反(54条)
- 並走する乗り物や人に異常に接近して走行→安全運転義務違反(70条)
ほんの少し代表的な違反を挙げただけでもこれだけの例があります。何が原因で最終的な事故になったのかは逮捕時にはわからないので、とりあえず「あおり運転」か「危険運転」と報道するしかないのでしょう。
これだけ話題になってもあおり運転はなぜ無くならないのか
正直分からん。
煽られる運転をしている人が悪いという意見もあるやもしれないが、交通ルールを守って運転しているならば煽られてもいい理由にはならないし、そもそも煽る人は交通ルールを犯していますよ。
警察庁は『思いやり・ゆずり合いの安全運転』と呼び掛けています。「危険!あおり運転等はやめましょう」より
思いやり・譲り合いとはマナーのある運転をしましょうということです。
車間距離を適切にとっていれば事故は大幅に減るのですが、なかなか現実には接近している車が多いです。『交通事故なんて起こらないだろう』『たいしたことではないだろう』と自分勝手に思うのではなく、自分本位の運転から相手や周りに対する『思いやりや心遣い』の気持ちを持つ必要があります。
守るべきルールがあり、相手を想うマナーが合わさればあおり運転はなくなるのでしょうが、実際には車に乗ると気が大きくなったり攻撃的になったりと怒りの感情に振れる人がいるので、あおり運転の総数は減っても悪質な煽り運転は残り続けるのでしょう。
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さいごに。煽り運転そのものが危険な運転だと文字で認識させる
煽っている人は『煽っているだけだから』・『驚かせたかった』・『ぶつけるつもりはなかった』・『殺そうとは思っていなかった』などと言いますが、事故・傷害・死亡になってからでは手遅れです。
煽る運転は相手が事故するだけではなく、自分が事故する可能性もあれば、周囲の乗り物や人が事故する可能性もあります。
煽る運転にも車間距離を詰めるだけでなく、進路妨害やクラクションや急ブレーキやハイビームなどなど色んな悪質かつ危険な運転があります。
煽り運転のことを「あおり運転」と柔らかいひらがな表記するのではなく、「危険(リスク)誘発悪質運転」や「加害運転行為」といったように、漢字で硬い印象に変えた方がいいのではないだろうか。文字による効果なんて大したことはないかもしれないが、煽りそのものが意識することで抑えられるのですから、まずは煽り運転という言葉を視覚的な情報から、危険で悪質な運転なんだと意識させることが大事なのではないか。