こんばんは。 僧侶のかっけいです。
当院円龍寺では大小さまざまな松が植えられています。古いものでは200年以上前からそこにあり続けています。
松の維持は結構大変で、剪定だけでなく毎年の虫食い予防もしなければなりません。
今は5月のこれから暖かくなっていく時期で、まさに予防の時期です。
今回はお寺に今年初めの松くい虫予防をした話です。
松くい虫予防とは。しないとどうなる。
香川県は盆栽で有名な県で、特に高松が一大産地です。
盆栽に使われる松だけでなく、雨が少なく花崗岩地帯のやせた土地でも丈夫に育つのが松という植物でした。
人工林の樹種割合で比較してみますと、全国では10%程度がマツなのに対して香川では40%程度がマツで占められています。
それだけ香川では松があるのが当たり前なのです。
香川県では昭和46年より松くい虫被害が増加し、54年をピークに現在までは減少傾向です。
被害の件数は減ってきているのですが、松くい虫にやられた松はほぼ枯れます。
春5~7月に飛来するマツノマダラカミキリというカミキリムシの成虫を媒介して、マツノザイセンチュウという線虫が松の樹の中に侵入します。この線虫が松の中で夏以降に増殖し松を弱らせ枯らします。弱ってくると松葉が茶色く枯れてきますので異変にすぐに気が付きます。
松くい虫予防にはいろいろな方法があるのですが、線虫の運び屋(カミキリムシ)を駆除する薬剤散布が薬剤散布が一般的です。
円龍寺の松くい虫の予防風景。
円龍寺では松くい虫予防を業者にお願いしています。
それは大小さまざまな松の樹が境内の外と中に植えられており、薬剤もスミチオン系の接触性・食毒性の神経毒です。巨大な噴霧器で専門の方が素早く薬剤を噴霧してもらう必要があります。お寺の側には家も複数ありますので、時間も手短にね。
お寺が依頼している業者はスミチオンの中でも松くい虫予防に特化したスミパインを使用しています。
やっぱり直接噴霧液が体にかかると人体に悪いので、業者の人も肌を隠して厚着で防塵マスクをして噴霧しています。
樹に万遍なく液が掛かる様に大きな松には角度を変えながら噴霧しています。
スミパインの噴霧後は松葉の先に噴霧液が滴るほどしっかりと予防液が掛けられています。
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さいごに。松くい虫予防は一回だけでない。
松を育てている人でも松くい虫予防をしない人もいます。しかし線虫の被害にあうとまず枯れてしまいますし、お寺の松はシンボルツリーでもあります。枯らさずにいつまでも維持し続けたいものです。
松くい虫予防のスミパインの噴霧は最大6回まで可能です。
やはり回数が多い方が予防効果は高いのですが、お寺ではこのカミキリムシの成虫が飛来する5月~7月にかけておよそ20日間隔で3回お願いしています。
費用も結構かさみますし、近隣住民に何度もお願いするの大変ですからね。やはり体に悪い印象もありますからね。
一昔前は6月になってから予防していたそうですが、最近では暖かくなるのが早く5月中旬には一回目の予防時期になっているそうです。