ブルーベリーを育ててみて、いざ食べてみると「酸っぱい」・「甘くない」と感じた人は多いはず。
ブルーベリーは非常に甘くおいしいのですが、その美味しさは「収穫タイミング」によって左右されます。酸っぱい・甘くないと感じている人は、まだ熟れていない状態で収穫しています。(ブルーベリーは収穫後に追熟しない)
今回は「果実と果梗(へた)の色の変化から、ブルーベリーのベストな収穫タイミング」を紹介します。
[見極めの要点]
- ブルーベリーは青く色づいても、まだ甘くない。
- 果実全体が染まってから7日後くらいが目安。
- 果実と果梗の接触箇所が紫色に染まる時が熟れ時(収穫時)。
ブルーベリーの熟れ方の特徴
ブルーベリーはなかなか収穫するのが難しい果樹です。(育て方も癖が強いですが)
というのもブルーベリーの果実には次の特徴があるからです。
- 一房からそれぞれの果実が同時に熟れない(色づかない)。
- 収穫後は追熟しない(甘くならない)。
ブドウやトマトと違って、房どりのブルーベリーって聞いたことがないでしょう。できないことはないのですが、非常に手間です。
理由はブルーベリーは果房内の果実がバラバラに色づいて熟れていくからです。
このようにバラバラに熟す理由は、3月4月に花房内の個々の花が各々のタイミングで開花し授粉するからです。開花期間は2~3週間あり、このズレが熟すタイミングの差になります。
このためブルーベリーは手間ではありますが、一粒ずつ熟れ具合を把握しながら個別に収穫する必要があります。
そしてもう一点大事なことですが、ブルーベリーは収穫して置いておいても、熟れていき甘くなるということはありません。
これは果物の持つ特性ですのでどうしようもないことです。例えばブドウやリンゴやスイカは収穫後、数日待っても甘くならないでしょう。でもバナナやキウイやミカンは正しく保管していると甘くおいしくなるでしょう。そういうもんだと割り切りましょう。
ブルーベリーは収穫した時が最もおいしい。だから収穫の見極めが大事。
未熟・完熟・過熟の見極め方法
二枚の写真を続けて見せますので、熟れているのか考えてみてください。
どうでしょうか、上と下の写真、どちらのブルーベリーが熟れているのか分かりますか。ちなみに果実が白っぽい(淡い青色)というのは、関係ありません。ブルーベリーは濃い青色(紺色)をイメージする人もいるかもしれませんが、実際にはこのような淡い青色の品種がほとんどです。白っぽく見えるのは果粉(ブルーム)といい、新鮮さの目安にもなります。農薬ではないので摘み取り園では誤解のないように。
さて回答です。
上のブルーベリーは完熟であり、下のブルーベリーは未熟でもう数日待った方がよいです。
見るべきポイントは、果実と果梗(へた)との接触箇所です。
ここが緑色から青色や紫色に変化していれば果実全体が甘くなっている証拠です。
図でイメージすると次のような感じです。
①の全体が緑色の状態は当然、まだ熟れていないと分かりますよね。
しかし次の②の状態で収穫する人が多いのではないでしょうか。この時ではまだ甘味がのっておらず、酸っぱいブルーベリーです。果実が青く染まってもヘタが緑の状態はまだ甘くありません。
完熟で美味しいのは③の状態です。
果実の色は②の状態とほぼ同じですが、果実と果梗(へた)の境が濃い紫色に変色しています。こうなると果実全体に甘味がのって美味しく食べられます。また、手で摘むときも抵抗はほとんどなく、ポロっととれます。
④は熟しすぎている状態です。
果実の色も完熟状態よりもやや濃くなりますし、ヘタ全体が紫色に変色します。ちょっと収穫が遅れています。
日数では②から③にはおおよそ5~7日程度でしょう。(なおラビットアイ系統と呼ばれるブルーベリーは①から②の間で、ウサギの目のように赤く染まります。もちろん未熟で酸っぱいです)
この見極め方法を知ったうえで、次の例を見てください。注目するのは果梗(ヘタ)との境ですよ。
熟れすぎには注意
過熟のブルーベリーが好きという人もいるでしょう、過熟なのは確かに酸味が抜けて甘味が強く感じられます。しかしどこかボケた味わいになるので、個人的には熟れすぎは避けたいところです。
また果梗(ヘタ)全体が紫色に染まるまで過熟させると、台風などの大風が吹くと葉のこすれによって実が落ちる危険性も高まります。
過熟の状態は皮も柔らくなっており、果汁が漏れやすいので収穫後に腐りやすくもなります。自分で食べる分にはいいですが、人にプレゼントするには適していないでしょうね。
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さいごに。今回の見極め方の実用度と食べ方
さて今回は果実と果梗(ヘタ)の色の変化からブルーベリーの熟れ具合、および収穫タイミングについて紹介しました。
しかし家庭で数鉢趣味で育てている分にはおすすめできるのですが、摘み取り園で30分や一時間と時間制限がある場合は、面倒でおすすめできません。また果実同士がぎゅうぎゅうに詰まって実っている場合はそもそも裏側の様子が観察できないこともあります。
そのため、今回の見極め方法は果房内のブルーベリーがどれくらい熟れているのかを知るひとつの目安として利用してください。(品種によっては果梗がなかなか変化しないこともあります)
実際には注意してブルーベリーを収穫しても、未熟なものから過熟のものまで色々取れてしまいます。
バラバラに食べるのではなく、未熟・完熟・過熟を10粒ぐらいまとめて頬張ると、甘いの酸っぱいのとが口の中に広がり美味しく食べられます。もちろんジュースやジャムに加工するときも未熟・過熟を混ぜると美味しくなります。