こんばんは。 かっけいです。
先日近くの種苗店でカリン(花梨)の苗木を購入しました。
それは今年の冬にかりん蜂蜜漬けを飲んだところ、のどの痛みやせき止めに確かな実感があったからです。
左の写真は山田養蜂場のかりんはりみつです。 これを今年の冬に紅茶などに溶かして飲んでいたのですが、喉に非常によく効きました。普段から声をよく出すのでのどの痛みが和らぎますね。 また果肉も食べられておいしかったです。(生のかりんは食べられないですよ)
この果物はいいなあと思っていたところ、苗木を発見したので育てることにしました。
長期的に見たら自分で育てた方がお得ですし、カリンは色々な食べ方ができるからもしもたくさん採れても困らないからね。
カリン(花梨)の特徴と効能
薬効成分と効能
果物のカリンには多くの栄養成分が入っていますが、特に注目されるものには次の3つがあります。
- カリンのポリフェノールにはインフルエンザ抑制効果がある。
- せき止め、痰、喘息、のどの痛みに効果的。
- 不溶性の食物繊維が多く含まれており、便秘に良い。
2009年に日本大学医学部感染症ゲノムセンター・清水一史客員教授とロッテの共同研究によって、カリンに含まれるエピカテキンが主体となった高分子ポリフェノールがインフルエンザウイルスを抑制する強い効果がある事が明らかにされました。
特にインフルエンザにかかり始めの感染初期段階で特に高い効果(抑制率1000分の1)を示したと、研究結果が発表されています。
参考文献 清水一史ら(2011).カリン中ポリフェノール画分による新型インフルエンザウイルスの感染抑制効果 日本食品科学工学会誌 58(10), 496-498
また咳止めや痰、喘息、喉の痛みに効果的であるとよく知られています。
これらの効果はカリンに含まれているアミグダバリンの効果だと言われています。アミグダバリンは多量に摂取すると体に悪影響を及ぼすとされますが、通常にたべる果物量ではほとんど悪影響がないとされています(未成熟なウメで300個ほど)。このアミグダバリンを効果的に摂取できるのがカリン漬けやカリン酒といった、カリンの果実を漬けた食べ方です。
またカリンには豊富な食物繊維が含まれています。特に不溶性の食物繊維が多いので、便秘の予防や改善に効果があるとされています。日本食品標準成分表によると100グラム当たり、8.9グラムの食物繊維が含まれています。
またビタミンCやカリウムが特に豊富に含まれています。
果樹としての特徴
- カリンは花梨の他に、榠樝(かりん)や安蘭樹と表記される。
- バラ科カリン属に分類される落葉果樹。
- 花は3月から5月頃、収穫は10月から11月頃。
- 果実には芳香性があり、重さは350~500グラム程度。
- 果肉は固く繊維質なため、生では食べられない。
- 1本でも実がなる、自家結実性を持つ。
カリンは庭木に植えられていることも多いので目にしたことがある人も多いのではないですかね。花は春に咲きますが、同じバラ科の桜やリンゴ等とどことなく似ていますね。
食べ方は一般的には果実酒や蜂蜜漬け、ジャムなどの加工品が知られているのですが、そもそも生で食べる果物ではないんですね。
また耐寒性があるので北海道以下南の地域で栽培することができるので、日本全国でもどこでも作られる利点があります。意外と知られていないのが、カリンを一番生産しているのは東京都のおよそ50トンで日本の生産量の約4分の1を占めています。私が住んでいる香川はおよそ30トンで約6分の1程度です。
他の主要生産地には長野県・愛媛県・山形県があることからおそらく高知や沖縄といった暖地よりかは冷涼な地域が育てやすいのでしょうね(推測)。
また家庭で育てられる方にとって嬉しいのは、一本で実がなる自家結実性を持っていることですね。果物の中には、キウイフルーツやブルーベリーなどのように異品種が2つ以上ないと実付きが悪い果物がありますが、カリンは一本でも実がなる性質があります。
さいごに私が苗木を購入するのに踏み切ったのは育てやすい果物であるのに加えて、自分で育てた方が安上がりだということです。
カリンは生で食べることができないので、蜂蜜漬けや果実酒に利用する場合は消費量が少ないので、既に加工されている商品を購入したり、カリン一個だけを購入すれば事足ります。
しかし例えばジャムなどに加工した場合は一度に10個程度の3キログラムを使うこともある。これだけの量のカリンを購入しようとすれば、2000円を超えることも考えないといけない。それならば、育てやすいとされるカリンを育て、栽培や花を趣味として楽しむのもいいのではないだろうか。
カリンの苗木を購入
やっぱり種苗店の苗木は見た目は立派です。
このカリンの苗木は高さがおよそ160センチメートルほどありました。これで価格は850円ほどでした。案外地元の専門の苗木屋さんで購入すると安いものですよ。特別な品種を除いては。
ちょうどカリンの植え付け時期なので、この2月の購入も時期バッチリ。
落葉果樹は落葉時期の、11月から2月頃が植え替えのベストシーズンだからね。
ただちょっと悩んだのが、植え付け時に一般的な果樹同様にカリンの苗木を高さ60センチメートル程度のところで切り詰めた方がいいのかどうか。
よく見ると、ラベルの少し上のところで一度切り詰められているように見えたので、今回は植え付け後の切り詰めは行なわなかった。枝の伸びがおかしければ、その都度剪定・誘引すればいいだろう。
カリンの苗木の根は初めて見たが、白い根が見えているから大丈夫だろう。
植物の苗木は一般的に白い根は若く、活着やその後の生長が良いとされます。逆に黒っぽい根ばかりだと、その苗木は老化傾向にあるとされます。植物によってはそうではありませんが。
欲を言えば、もう少し白い根が全体に張っていてくれたらなあと思いました。でも十分でしょう。
急な購入だったので今年は8号鉢に植え付けをしました。今年の秋冬には広いところに地植えしたいです。おそらく2~3年で収穫できるでしょう。
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さいごに
私はお坊さんなので、人前でお勤めをしたりお話をしたりと声を出す機会が非常に多いです。
また秋冬春は風邪やインフルエンザが恐ろしいですね。
仏事では大勢の人が集まりますので風邪やインフルエンザを移されることもありますし、その逆もあるかもしれません。お勤めというのは毎日あるものなので、インフルエンザだけにはかかりたくないものです。発症すると自宅謹慎ですからね。ご門徒さんに非常に迷惑がかかります。
上でカリンの効能を紹介した中でも言いましたが、カリンに含まれているポリフェノールはインフルエンザの初期段階において抑制率を1000分の1まで抑えてくれますので、食べない手はないですね。
かりんの苗木から実が採れるのは早くても翌年以降だろうが、非常に楽しみです。特にジャムで食べたいです。かりん茶も飲んだことがありおいしかったので、これも自分で作ってみたいです。