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第162回目のラジオ配信。「牧野植物園と竹林寺」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
- 牧野富太郎は1862年に高知県で生まれた植物学者
- 1953年に最初の東京都名誉都民となる
- 1957年に亡くなる
- 1958年に高知県高知市に牧野植物園開園
- 2022年、生誕160年
- 2023年放送のNHK連続テレビ小説「らんまん」のモデル
- 真言宗智山派の寺
- 724年に行基によって創建と伝えられる
- 四国八十八箇所霊場の第31番札所
- 本尊は行基が彫った文殊菩薩像
- 四国霊場で文殊菩薩を本尊とする唯一の寺
- 五重塔のある高知県唯一の寺
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川のお坊さん、私かっけいが短い雑談をするラジオです。
今回は香川県に住むお坊さんの私が、高知県にある牧野富太郎植物園とお隣の竹林寺に行ったことのお話です。
四国は北の香川県、東の徳島県、西の愛媛県、そして南の高知県の4つの県があります。
香川に住む私は、東と西の徳島県と愛媛県に行ったことがありますが、南の高知県には今まで行ったことがありませんでした。
香川の南には高さ1000m以上の四国山地があるので、高知県に行くのはきっと大変だろうなあという先入観もあって、高知県に行くことがなかったんですね。
ですが、この前、私が所属している丸亀市仏教会で研修旅行があって、その行き先が高知県の竹林寺と牧野植物園でした。
高速道路を使うと、1時間半から2時間弱で、丸亀の市役所から高知県高知市の竹林寺や牧野植物園に着くことを知って、意外と香川から高知県って簡単に行き来できるんだなあって知りました。
それで研修旅行で、高知の牧野植物園と竹林寺に行ったので、今回はそのことを振り返ってお話します。
高知市に行くならぜひ行ってみてください。
さて研修旅行の行き先の一つが、牧野植物園と竹林寺でした。
この二つは、隣り合っているので、植物園と竹林寺はお互いに歩いていくことができます。
牧野植物園とは、ちょうど160年前に生まれた偉大な植物学者の牧野富太郎博士に由来する植物園のことです。
竹林寺は、今から1300年ほど前の724年に開かれた寺で、四国霊場の第31番の札所になっています。
この二つが隣り合うようにあって、無料駐車場もあって車でも行くことができますし、お遍路さんのように歩いていくこともできます。
駐車場は共有しているみたいなので、どっちに車をとめても良さそうだったのはいい点だなあと思いました。
それで牧野植物園ですが、私の一番最初の感想は、とにかく立派、広いなあという印象でした。
入り口入っていきなりいろんな種類の植物が自然に生えているかのように管理されています。
植物一つひとつに植物の名前や学名や生息分布を知らせる案内板があり、中には補足説明しているもの細かな説明しているものもあります。
一つひとつの植物の違いを見ながら園内を歩くだけでも楽しかったです。
中でも黄色い彼岸花が点々と咲いていたのも、印象深かったです。
私の住んでいる場所だと、赤と白、それとピンク色の彼岸花は見かけますが、黄色の彼岸花がまとまって見れたので、思わず写真をとりました。
本当に敷地が広大で、ただ散歩するだけでも、いろんな植物を見ることができて本当に飽きがこないです。
他にも温室もあったり、カフェやレストランもあったり、私は今回行かなかったですが、図書館もあるようで、一日いても楽しめる場所でした。
またこの植物園の中には、牧野富太郎さんの生涯を知ることができる記念館もあります。園内の記念館は自由に入れます。
これがまた素晴らしくて、牧野富太郎さんがとにかくすごい人物だったことがわかります。
記念館でその生涯を振り返ると、植物に対する情熱がとんでもなかった人物だということが分かりました。
牧野富太郎さんは二十歳をすぎると、今でいう東京大学の植物学教室に出入りするようになります。
植物一つひとつを細かく細かく観察して標本にして、高知や日本の山々を巡って、いろんな植物を図と言葉でまとめ上げていったのは並外れた忍耐力がないとできないことだったと思います。
それに文字や図が本当にきれいでした。
走り書きした文字や図じゃなくて、一つひとつの記録を本当に丁寧に丁寧に書き残しています。
記念館には牧野富太郎さんが実際に、フィールドで使っていた道具やまたその写真が展示されているので、牧野富太郎さんが山々を巡っていたことが想像できて感動します。
植物の研究にお金を惜しみなく使っていたようで、生活に困っていたようで、生涯に18度も引越ししたようです。またカーネギー財団に資金の補助をお願いし、その時の手紙も展示されていました。
牧野さんはやがて著名な人物として知られるようになり、90歳をこえて東京都の最初の名誉都民に選ばれたり、病気で伏せていた時には全国の子供たちから励ましの手紙が書かれたという当時の新聞も展示されていました。
また昭和天皇からお見舞いのアイスクリームが贈られたという記事もありました。
牧野植物園とその記念館に行くと、たくさんの植物を楽しめただけでなく、牧野富太郎さんがいかに植物に熱意をもっていたのかを知ることができました。
私では到底足元にも及ばないような、すごい人物だったんだなあとその残したものを見ていくとヒシヒシと感じました。
来年の2023年は、NHKの連続テレビ小説で取りあげられるようなので、込み合う前に行ってみてはどうでしょうか。
植物園に続いて、お隣の竹林寺にも行きました。
竹林寺は1300年前の奈良時代の僧侶の、行基によって建てられた寺です。
行基は奈良の大仏を建てた聖武天皇の命によって全国を回った人です。
竹林寺は非常に歴史のある場所だけでなく、僧侶の学問の寺であったり、土佐藩藩主の祈願寺というのもあって趣のある場所です。
山の中でひっそりとしているなかにも、立派な五重塔やお堂があり、またたまたまでしたが、前撮りでしょうか、若いカップル二組が前撮りの撮影をしていました。
お遍路さんたちもいて、本堂や大師堂の前で何かを唱えていました。
静かだけども人の気配も感じる、そんな雰囲気の場所でした。
拝観料はいりますが、書院や書院からの庭園もきれいでしたし、宝物館では多くの仏像を見ることができます。
平安時代の阿弥陀如来の立像や坐像のほか、古い時代の釈迦如来や薬師如来などいろんな種類の仏像を見ることができます。
それと、宝物館の横に鐘楼堂があります。
看板によるとこの鐘楼堂の大鐘は自由に鳴らしていいみたいです。
大鐘の下の地面に穴が開いているので、ぜひ鳴らしてみてください。穴があると音がよく響くらしいので、それはぜひ自分の耳で確かめてみてください。
さてそんなわけで、香川のお坊さんの私が、高知県高知市にある牧野富太郎植物園と竹林寺に行ったお話でした。
香川から意外と近くて、2時間もかからず、日帰り研修旅行にピッタリな場所でした。
今回は行かなかったですが、近くには太平洋をのぞむ桂浜や坂本龍馬記念館、高知城もあるので、また別の機会にでも行ってみたいところです。
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