【お寺のイベント】お坊さんも自坊で行事・法要があるときは準備が大変なのよ

こんばんは。 僧侶のかっけいです。

自坊円龍寺の秋季永代経法要まであと4日となりました。

お寺での年中行事(イベント・法要)は結構多く、一般家庭の人が年忌法事でお寺さん(お坊さん)を呼ぶのと同じように、行事のたびにお坊さんは準備に追われています。

そこで今回はお坊さんである私が、自坊の法要を迎えるにあたって準備していることを紹介します。

先に言っておきますが、お寺の法要準備と皆様がされている年忌法事の準備は非常によく似ています。

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お寺での法要の案内がまず第一に。

お寺の法事とは主催者である住職(代表役員)が、門信徒に宛ててお寺での法要を案内する必要があります。

お寺の法要日も一般家庭の年忌法事の日取りのように、この日じゃないと駄目っていうのではないんですね。

お寺によって日取りの決め方は3パターンあるでしょう。

  1. ○月□日と、毎年同じ日に法要をするパターン。
  2. ○月第▽週目の△曜日と、毎年特定の週・曜日にするパターン
  3. 法要日をお寺の都合によって自由に決めるパターン。

どの日取りの決め方にもそれぞれにメリットがあります。

  • 1の場合では、毎年同じ月日にお寺で法要があるため、お参りの人はいつお寺で行事があるのかが覚えやすい
  • 2の場合では、毎年同じ曜日で法要ができるため、土・日曜日と一般家庭の休日に法要ができ、お参りの人が都合をつけやすい
  • 3の場合では、お寺の都合で法要日が決められるため、他のお寺の法要日やご門信徒の年忌法事・祥月命日と重ならない日に法要ができるなど、お寺が柔軟な対応ができる

自坊円龍寺では1のパターンで毎年法要の月日が固定されています。(それもゾロ目なので覚えやすいです。春秋の永代経法要は4月4日と9月9日、報恩講法要は12月12日と)

毎年決まった日に法要をするのですが、必ず案内状をおくり、お寺での行事・法要を案内します。(出欠確認ではないので、返事は不要ですよ)

自坊の場合は案内状を法要のおよそ1~2週間前から徐々にお配りしています。

ひと月以上前にお配りすると、うっかりお寺での法要を忘れてしまうなどしてしまうため、法要の少し前に送るのがベストだと思われます。

次の準備は掃除です。これが一番大変。

さてお寺での法要は何が大変かと言われれば「掃除」に尽きるでしょう。

普通の一般家庭の感覚なら「掃除くらいすぐ終わるでしょ。」・「毎日少しずつ掃除していたら綺麗でしょ。」と思われるかもしれませんが、規模が全然違います。

お寺はとにかく広いんですよ。

草抜きでも毎日少しずつ抜いていても暖かい5~10月は草の方が成長する方が早く、徐々にお寺の境内で草が目立つようになってきます。

困ったときには除草剤を使うときもありますが、大切な木の周辺では使えないので、最終的には手で抜いていくことになります。

落ち葉でも同じことです。

お寺の敷地内にはいろいろな種類の木がたくさん植わっています。

常緑樹の松でも実は落葉しているんですよ。初夏から落葉するので、秋のこの時期には松葉がたくさん落ちています。拾うのたいへんですよ。

外の草抜き・掃き掃除だけでなく、法要が営まれるメイン会場である本堂・法中(お参りに来られたお坊さん)の控室・庫裏の拭き掃除掃き掃除と建物内でも相当な量の掃除をしなければなりません。

これを日常の法務をこなしながら徐々にしているのですからね。

この掃除は法要直前までしています。毎回中途半端な状態になりますが、お参りの人に少しでも気持ちよくお寺にお参りしてもらうために

法要前に庭の掃除。

法要の約一週間前からお供えなどの手配をする。

一般のご家庭でも同じことしますよね。

仏様にお飾りする供物を用意しますね。

例えばお餅であったり、果物であったり、お蝋燭であったりですね。

お寺ですから大きさ・量が一般家庭の法事よりも多いので、一週間ほど前から餅は餅屋に、果物は果物屋に、花は花屋にそれぞれ希望の規格・量をお願いしています。

また仕出しor弁当も用意します。

これはお寺の法要には総代(世話人)の助力が不可欠だからです。

円龍寺の場合は法要後に食事をしつつの総代会のような親睦会をしていますので、法要後の仕出しを手配しておく必要があります。

2日ほど前から椅子や座布団、経机、打ち敷きなどの用意。

法要直前になりますといつまでも掃除ばかりはしていられません。

残り2・3日ほどになりますと本堂内の細かな清掃や座布団や椅子の用意、また経机や打ち敷きといった法要に向けたお飾りをしていかなければなりません

ただこれらの用意は建物内ですることなどで、日中明るいときは外の掃除をして、日が沈んでからやり始めることです。

法要用の仏花もボリュームがすごいので、本堂の花器すべてに活け終わるのには数時間もかかってしまいます。

ちなみに当寺では前日に再度法話をなさってくださる僧侶に確認の電話を送ります。(以前、意思疎通が十分にできておらず、法要に布教使の先生が大幅に遅れて到着することがあったので)

内陣のお飾り準備を少し紹介。

お寺内陣の掃除

最初に掃除機で埃を吸い取ってから、床を雑巾がけ。そしてお花は活け替えるためいったん下ろす。

法要用に経机を出す。

法要用に打ち敷きを出し仏様を飾る。

内陣の掃除が終わりましたら、続けて仏様周りのお飾りをします。

法中用の経机を用意し、仏様を煌びやかにする打ち敷きを飾っていきます。

法要に向けた内陣飾り。

法要に備えて、本尊、永代経、祖師等にお花を飾る。

打ち敷きは一般家庭のお仏壇でも掛けられている人が多いと思いますが、正式にはこれは法要や法事の時だけ飾るんですよ。(豆知識)

お花も飾っていきます。今回は永代経法要なので、三具足のお飾りです(花・香・火)。

お花は永代経軸前・御代前(前門主掛け軸前)・ご本尊前・祖師親鸞聖人前の4か所に本堂内ではお飾りしています。


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さいごに。お寺は法要が無事に終わるまで気が抜けない。

さてお寺の法要ってご門徒さんにとっても大事な一日になります。

なぜなら檀那寺(菩提寺)で営まれる大切なお勤めですし、有り難いお話を聞くことができるご縁なのですから。

読経開始から法話の終わりまでの2時間という短い時間でもお参りせずに、お寺に懇志だけを納めて帰られる人も多いです。

しかしそのようにすぐに帰ってしまう人にもお寺の雰囲気を感じていただくことが大切なことだと思います。

お寺の法要はお寺にとってご門徒にとっての一大イベントです。

お参りの人が気持ちよく参ることができ、無事に気持ちよく帰らられるまでお寺の人は気が抜けません。

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