ほしい物リストより、お線香ありがとうございました

寺の庭木の剪定。松は専門の業者(庭師)に頼むが間違いない。

こんばんは。  円龍寺僧侶のかっけいです。

献血の依頼の電話がかかってきて驚きました。今までハガキのみの連絡だったのですが、電話でもあるんですね。血液が不足しているんでしょうか。(余談)

季節は1月で最低気温は氷点下の日が続いています。

手先も凍るような時ですが、今が庭木の剪定のベストな時期ですね。

今日は庭師に剪定をお願いした話です。

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庭師に剪定を依頼するメリット。

メリット(利点)はいくつかあります。

  1. 素早く剪定が終わる。
  2. 見た目を美しく仕上げてくれる。
  3. 松のような技術がいる樹木は枯らさなくて済む。
  4. 後片付けまでしてくれる(別途料金がかかるので、私は頼まない)

基本的に庭木を数本植えている所でしたら、自分で剪定した方がいいですね。

時間はかかってしまいますが、お金はかからないですし、自分の好きなように樹形を仕上げることができます。

しかし寺社仏閣では事情が変わってしまいます。

お寺や神社にある木々というものは歴史のあるものや由縁のあるものが多く植わっています。神社でしたら御神木を剪定するときは神事をするでしょう。お寺では御神木というのはないのですが、やはり枯らしてはいけません。

私も小学生の子供の時から自坊の円龍寺の庭木を剪定していますので、まとまった時間ができれば庭木を整えているのですが、未だに手が付けられないのがあります。「松」です。

松はテキトーに切ることができず、きちんとした技術がないと枯らしてしまうことがあります。私は確かな技術がないので、まだ剪定をしたことがありません。

こういうときに役に立つのが確かな技術を持った業者(庭師)です。

悪く言ってはいけないのですが、シルバー人材というのは仕事がいまいちです。体力がないのはわかりますが、休む時間も多いですし、言われた仕事もこなせないですし、どんどん枯らしていきます。怪我をしないかもハラハラします。やはり専門の業者です。

円龍寺には200年以上の松の木がお寺の表・裏に13本植わっていて、高さも一軒家と同等の高さになっているので素人では手出しできません。業者に頼まざるをえません。

剪定前と剪定後の松の様子。

剪定前の松の木の様子

剪定前1

剪定前の松の木の様子

剪定前2

この剪定前のぼさぼさした松の木が庭師によってこうなります。

剪定後の松の木の様子

剪定後1

剪定後の松の木の様子

剪定後2

松の木の内側まで日光が届くようになって、見た目も美しくなりました。

お寺の様子もいろいろな角度から見ることができるようになりました。

松をこの時期に剪定してもらう別の理由。

円龍寺が庭師に松の剪定を依頼するのは大体この冬の時期です。理由はいくつかあります。

  1. 春に松くい虫の予防をするので、薬剤散布の効率をあげるため。
  2. 松以外にも樹高の高い庭木を剪定してもらうため、多くの樹木の活動が控えめになる冬に切ってもらう。
  3. 真宗のお寺では12月の報恩講と春の永代経法要までに期間が空いているため、この時期に大掛かりな庭の手入れがしやすいから。

松を育てている人にとって松くい虫って怖いんですよね。例えば新日本名木100選にも選ばれた香川県さぬき市の真覚寺にある岡野マツも病虫害によって1993年に枯れてしまいました。私の近隣でも枯らしてしまった人も大勢います。

薬剤散布をするときは薬の効きがよくなるように適度に剪定するのがいいですね。風通しのもよくなるので、病気にもなりにくいです。

庭師に剪定を依頼するデメリット。

デメリットと言っては語弊があるかもしれないですが、費用が高いんですよね

専門的な技術も要りますし、依頼された日数で仕上げないといけないので強風などの悪天候でも間に合わせられる経験というのが職人には必要ですので、高いのはわかるんですけどね。体力もいりますし。

もちろん依頼主との信頼関係も大切です。トラブルがあったときに誤魔化さずに依頼主に相談できる人でないといけません。

円龍寺がお願いしている業者は、人工(にんく)という単位で料金を示しています。

人工はちょっと独特な表現でわかりやすく言えば、人日(にんにち)ですね。つまり一人の人が一日でできる仕事量です。

今回の依頼した流れはこうです。

  1. まずは責任者が来て、剪定する樹木の数・種類・範囲・切り方を依頼主と確認する。
  2. 摘みこみした枝葉を持ち帰ってもらうと日数が多くなるので断った。
  3. 仕上げる日数を注文する。
  4. 後日、責任者から摘みこみに必要な職人の人数と料金が見積もられる。
  5. 私と住職が相談し、納得できたら依頼する。

今回は4日間で剪定を仕上げてもらうためには、一日に5人の職人が必要となりました。

その結果、仕事量は(4日×5人で)20人工となり、これに仕事量にかかる金額を考慮すると、30万円以上の費用が掛かりました。高い様に見えますが、妥当な金額ですよ。信頼関係の上に成り立っていますしこれは当然です。

これに庭木の予防をしていくと、庭木だけで年間100万円近くもかかってしまいます。料金が高いのは辛いですね~。

自分で剪定できるものは少しずつしていって経費を削減しないとね。


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さいごに

お寺の維持管理ってどんなことをしているのか、あまり知られていないかもしれないですけど、こうやって景観を維持していくのも大切な仕事です。業者にすべて任せられたら楽でしょうが、それではお金が足りなくなってしまいます。

数を減らしたらいいと思いそうですが、歴史のある木もありますし、寄贈してくれた木、記念に植えられている木もあります。

自分で剪定して費用が抑えられるところはなんとか押さえていきます。まだ半分近くは剪定しないといけない木が残っていますので、春までにボチボチやっていきます。

落とした枝葉は、お風呂の焚き口でお湯を沸かすのに利用しています。コツコツと掃除もしていきますよ。庭木が豊富にある人は灯油ボイラーに頼らなくてもいいので有り難いですね。

 

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