ほしい物リストより、お線香ありがとうございました

施主が法事で準備するのはどんなことから?

真宗僧侶のかっけいです。

最近では家族や親戚が離れて暮らしていることが多くなりました。

いざ自分が法事の施主になったとき、法事を同準備すればいいのか分からず、またその相談を気軽にするのが難しくなっていますよね。

お坊さんと普段付き合いすることも減り、いざ父や母の年忌法事をしようと思っても何から決めていいのか分からないのかもしれません。

施主が法事を行うのに、「何を決めていくのか」、「どんな準備をするのか」をお坊さんが解説していきます。

法事の準備で施主が決めていくこと
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法事の準備で大事な3つのこと

大事な3つのこと
  • 法事の場所を決めること
  • 法事の日時を決めること
  • 僧侶への手配をすること

極端な話、最低限この三点が決まっていれば、法事は行うことができます。

法事の場所は自宅か寺かそれとも会館か

法事の会場は主に『自宅』や『寺』、ホテル・葬儀社などの『会館』があります。最近では『食事処』でもできるところもあります。

それらの場所を決定する要因は3つあります。

法事の場所はどうやって決める?
  1. お参に来る人数はどれくらいなのか。
  2. お参りの人の交通手段はあるのか。
  3. 法事の会場費用はどれくらいかけられるのか。

例えば10人未満といった少人数の場合は、自宅でも問題ないですね。

でも人数が多く、それぞれが車で来るとなれば広い駐車スペースが必要となります。家での法事では駐車スペースの確保が難しく、そうすると寺院や会館を借りることを考えなければなりません。

普段からお付き合いのある寺院であれば、寺院を借りる費用はほとんどかからないはずです。

一方、会館は祭壇・冷暖房費・お供物・お花などの費用がかかりますが、控室や飲み物の接待などサービスは十分に受けられます。

20人や30人以上のお参りがあるならば、自宅よりも寺院や会館の利用を考える必要があります。お座敷の無い家が多くなり、自宅では10名以上の人がお参りができないこともあります。

場所を決めることがまず第一です。自宅ならばそれほど費用はかかりませんが、手間は増えたりします。

自坊の寺を例に挙げますと、香川県は車社会ということもあり、各々が車を利用しお参りに行きますが、家が広くそれほど駐車スペースに困らないため、20人規模でも自宅での法事が多いです。しかしこれは地域性があるので何とも言えませんね。

自宅会館
人数少人数大人数でもOK大人数でもOK
駐車場所狭い広い広い
会場費用かからない安いサービスによる
サービス家族の負担大寺の人がするサービスは良い

私個人としては、お寺での法事が年々増えているように感じます。

法事の日時は早く決める

法事の日時は遅くとも2ヶ月前には決定しましょう。

それはなぜでしょうか。

法事をするのは、土曜日・日曜日または祝日ではないでしょうか。

すると2ヶ月前といっても、実際にはご命日周辺の土曜日・日曜日といった、わずか数日間の中で法要日を決めなければならないんですね。

不思議なことに人の考えることって、大体似通ってきます。自分にとって「この日がベストな法事の日時だ」と思っても実際には他の人にとってもベストタイミングであり、法事の日時が取り合いになります。

その結果、自分にとって都合の良い法事の日どりであっても、先にお寺に連絡した他の人が予約していることがあります。日時は早く依頼した人が優先されます。

そうならないためにも、できるだけ早く、法事の日取りは決めてお寺に連絡しましょう。特に土曜日・日曜日の休日は競争率が高いです。遠方からのお参りでは休みの日が良いからね。

日時が決まることではじめて、親戚などにお参りの案内ができるので、早く日時を決めるのに越したことはありません。

ちなみに法事にかかる時間は宗派や地域性によって全く違うのですが、一例として香川県の浄土真宗の場合は、読経法話に1時間半程度かかります。法事後の食事の時間も、仕出し屋やお食事処と決めておきましょう。

ちなみに最近では、平日の法事も増えています。その理由を『法事の日程が土日から平日へと変化している』の記事にて書きました。

僧侶の手配や読経時間も決めておく

僧侶の手配も重要なことです。また日時の決定と関連することでもあります。

日時が決定すると、僧侶を何人(何ヶ寺)用意するのに、悩むところです。

これは地域性が深く関わってきて、一人のところもあれば、二人、三人以上といったケースがあります。これまでの法事で来ていた僧侶の人数を忘れていたなら、お寺に日時の相談した時に重ねて尋ねてみてはどうだろうか。

また法事のお勤め時間(読経時間)も尋ねておきましょう。

一般的に都会ほど僧侶の人数が少なく、田舎の方が僧侶の人数が増える傾向です。またお勤めの時間も都会の方が短かったりします。

さらには宗派によっても法要にかかる時間が変わります。浄土真宗では2時間ほどと長く、真言宗や禅宗では1時間未満だったりします。

僧侶の人数や時間というのは、地域の宗派ごとにある程度決まっているので、気軽に相談できる近所の人やお寺(檀那寺)に聞いていただければ目安の人数や時間を教えてくれるでしょう。

例えば、自坊の寺(浄土真宗)では僧侶2人での法事が1番多く、2時間近くかかります。3人以上の法事では道具も使い、2時間を超える法事時間は想定しておきます。

法事の後の会食の時間、解散の時間も考慮したうえで、早い時期に場所・日時・僧侶の人数を決めた方がいいです。法事の後の食事場所を変え移動時間も考慮すると、お勤め後にさらに2時間ぐらい必要となるでしょう。


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不慣れな法事は早めに早めに決めていく

どうでしょうか。法事の準備に何を決めるのか分かりましたでしょうか。

法事の場所・日時・僧侶の人数は、まず準備しましょう。

これら3点が早期に決められることで、施主は法事の案内状を招待者に落ち着いて案内でき、規模に応じたお飾り・引き出物の用意が可能になります。

落ちついてゆっくり準備できるもの
  • お参りの人への案内状
  • お参りの人の宿泊場所
  • お参りへの人への手土産(引き出物)
  • 僧侶へのお布施
  • お香やロウソクや生花や供物の用意
  • お位牌や遺影
  • 法事にふさわしい服装や数珠

僧侶の立場からも早くから法事の日時・場所・人数を決めていただくと、身一つしかない体ですから、色いろと融通を利かすことができます。可能な限り施主の希望通りに法事を勤められますので、早く法事の日程が決まるとお互いにとって有難い状態であるといえます。

ちなみに私のお寺では、早い人は一年以上前から法事の予約を入れています。他の人よりも早く予約して日時だけは確保しようということです。お寺の法事の段取りは基本はやいもの勝ちですので、日時ははやく相談した方がいいですよ。

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