扇風機の風とロウソク.#246

第246回目のラジオ配信。「扇風機」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

かっけい
かっけい

2018年に書いた「扇風機:ありがたくもあり困ることもある風」で紹介したことを、Podcast用に話しなおしました。

ラジオ内容まとめ
  • 暑い中でのお勤め中、扇風機の風は助かります
  • でも風があることで困ることもある
  • お経の本がめくれるかも
  • おロウソクの火が消えるかも
  • おロウソクの蝋が垂れる
  • 解決方法は、扇風機をお坊さんの斜め前に置くこと
  • 扇風機の首を振ってあげるのもポイント
  • エアコンの風も蝋が垂れる原因
扇風機の風をお仏壇やお坊さんに直接当て続けない
扇風機はお坊さんの斜め前に置く

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。

8月も末になり、今年もお盆のお参りが終わりました。

夏暑い中でのお参りは中々大変で、扇風機の風はとてもありがたいものです。

扇風機はありがたいんですが、一方で、扇風機があることで、お仏壇のおロウソクの火が消えたりといった悩ましい問題も出てきます。

今回は扇風機について、何が問題なのか、どうすればいいのか、ということをお坊さんが話していきます。

ちなみに扇風機とお坊さんのお話は7年ほど昔に、私の円龍寺ブログで紹介していますが、改めてお話しますね。

まずは扇風機の風の何が困るか、その問題を3つ紹介しますね。

まず一つ目は、お経の本がめくれてしまうことがあります。

お勤めするときに、お経の本を開きますよね。

扇風機の風があたると、お経の本がパラパラとめくれることがあります。

手で本を持っておけばいい・押さえておけばいいと思うかもしれませんが、そうできないこともあります。

お経の本がめくれてしまうのが一つ目です。

二つ目はロウソクの火が消えてしまうかもしれないということです。

現実的にはロウソクの火が消えてしまったということはほぼないんですが、ロウソクの炎がかなり揺らめいたり、炎が小さくなっていると、お参りの皆さんが「ああ、消えそう消えそう」と心配になったりするんですね。

それでロウソクの炎の行方ばっかり気になって、おつとめどころじゃなくなるんですね。

これが二つ目の問題です。

最後、3つ目。これが私の中で一番悩まされる問題です。

3つ目は、おロウソクのロウが垂れてしまうことです。

おロウソクの火が消えてしまうことはなかなかありません。思いっきり強い風を当てないとロウソクの火は消えませんからね。

やっぱり皆さん、なんとなく経験であまりに風が強過ぎたらお仏壇のロウソクが消えてしまうだろうし、人に向かって・お坊さんに向かって強い風を「ゴ~」と浴びせるのも失礼かと思って、大抵扇風機の風は控えめに掛けてくださっています。

なのでロウソクの火が消えることよりも、実際はおロウソクの蝋がどんどん垂れていくことの方が、深刻な問題だったりします。

垂れた蝋で、おロウソク立てからロウがこぼれ落ちることもあります。

これが3つ目の問題です。

さて、それじゃあ、どうしたらいいでしょうか。

暑いのを我慢して、おつとめ中は扇風機を掛けない方がいいのでしょうか?

いいえ、扇風機をかけていただいて、大丈夫です。

7年前のブログ記事でも同じことを紹介しましたが、扇風機の風がお仏壇に直接当たらない位置になるように、扇風機を置いていただいたら、OKです。

具体的にはお仏壇に向かっているお坊さんから見て、右か左の斜め前に扇風機を置いてください。

よく皆さん、お坊さんの真後ろや斜め後ろから扇風機を掛けたりしますが、そうではなく、斜め前から掛けて頂いたら、助かります。

ブログの方には図でも位置を説明しているので、それも見ていただければと思います。

それともう一つポイントがあります。

扇風機の置き場をお坊さんの斜め前に置くのが大切なんですが、これでもおロウソクのロウが垂れるという問題が解決しません。

これを解決する手っ取り早い方法は、扇風機を首振りモードにすることです。

屋外でおロウソクを使ったことを思い出してください。

外だと炎は揺れますが、ロウソクの蝋は中々垂れないですよね。

あれは色んな方向から風を受けていて、ロウソクの炎が一方向に傾き続けないから、ロウが垂れにくいんですね。

それと似たような風を扇風機でも用意してあげたらいいんです。

つまり扇風機の首を振ってあげて、おロウソクにあたる風が色んな向きになるようにしてあげたら、おロウソクの蝋は垂れにくくなります。

今お話した2つのこと。

お坊さんの斜め前に扇風機を置き、扇風機を首振りにする。この二つをしてたいただくと、夏、扇風機の風で

ちょっと気になるなあという問題が解決します。

個人的な感覚だと、扇風機の風量はそよ風や弱め、下向きよりも、お坊さんの頭や胸辺りを狙っていただけたら、よりベストだと思います。

今回は、扇風機についてお話しました。

春夏秋と扇風機はありがたいものです。お参りの皆様にとってはちょうどいい部屋の温度であっても、お坊さんは読経すると汗が出てきますので、もしご用意いただけるなら大変助かります。

それでも、お仏壇のおロウソクが気になるということもあるでしょうから、扇風機の置く位置や風量は、実際にお勤めされるお坊さんに聞いて確認していただくのが間違いないと思います。

それと最後に、一つ余談をいいますと、実は、お仏壇のロウソクのロウが垂れる原因は扇風機の風だけではないことがあります。

お仏壇のある部屋、仏間にエアコンが設置されていることがありますよね。

これが実はやっかいで、エアコンの風によってロウソクの蝋が垂れてしまうことがあります。

エアコンの風はなかなか強力で、仏間のどこにエアコンが設置されていても、その風が仏壇の中に入っていき、炎を傾けてしまい、ロウが垂れる可能性があります。

昔の人は仏間にエアコンを設置するのをためらっていましたよね。意図してかはわかりませんが、エアコンの風でロウが垂れるケースは少なかったでしょうが、今はお仏壇の部屋にもエアコンがあるのが当たり前で、エアコンが原因でロウが垂れたりします。

なので、夏、ロウソクのロウが垂れる問題は、扇風機の風だけが原因じゃないこともあるのをご留意いただけたらと思います。

解決するには、エアコンはお仏壇の隣の部屋に設置するとか、エアコンの風はできるだけ弱くしたり、お仏壇に風が向きにくいように、かつ風向きが一方向にならないようにスイングしていただくといった工夫が必要になってきます。

「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。



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