ほしい物リストより、お線香ありがとうございました

お坊さんの悩み。お寺の前で無断駐車したり、たむろする人への対応。

こんばんは。 僧侶のかっけいです。

今回の内容はお寺のお坊さんが普段から感じていることがテーマです。

お寺というのは、寺の規模の大小にかかわらず、必ずそのお寺を管理してる代表役員という役職の人がいます。宗教法人ならね。

お寺というのは、公共の施設だというイメージがある一方で、そのお寺を普段から頼りにしお参りを目的に参拝される人もいることやお寺を守るために敷地内に居住スペースを設けているので半公共施設であるとも言えます。

お寺とはだれでも自由に参拝できる所なのですが、この一年、お寺の駐車場に無断で参拝目的以外に駐車・停車したり、お寺の山門前でたむろする人が増えてきました。

お寺を預かるお坊さんとしては悩みの種です。

広告 - Sponsored Links

広告 - Sponsored Links

たむろすることの何が問題なのか。

人がお寺に参拝するために集まるのであれば何も問題はないのです。

ではたむろする人と参拝する人の違いは何だろうか。

  • 参拝者用駐車場でありながら無断で駐車・停車をし、山門をくぐることなく帰ること。
  • 顔を合わせても挨拶しない、断りをしない、理由を言わない。
  • 集団で群れて大声を出す。居座る。
  • お寺に参拝目的の人が不安になる。お寺の人間も不安になる。

ここではあえて悪い印象を与える例ばかりを挙げました。

実際にはたむろする人の中には礼節をわきまえた人もおり、お寺としては気持ちよく対応できることもあります。

ただやはりお寺というのは公共の建物というイメージからか、上記のような迷惑行動をする人たちもいますし、現に多いです。

お寺にもさまざまな形態のお寺があります。

本山や別院といった末寺をまとめるお寺(本山・別院)、観光収入で成り立つお寺(観光寺)、修行するため祈るための寺(修行寺・願掛け寺)、檀信徒の支え信仰によって維持される寺(末寺・旦那時・菩提寺)といろいろなタイプに分かれます。もちろん庵寺などまだまだ細かく分けられますが、一概にお寺といっても形態がまったく違うことを言いたかったのです。

参拝目的でお寺に集まる人に対して、どれだけお寺が迷惑に感じるのか、ありがたく感じるのかはお寺のタイプによって変わるのではないでしょうか。

例えば、本山や別院規模の末寺や全国の門信徒の支えによって維持されているお寺は、目的はなんであれお寺に来る人が増えるのはありがたいことでしょう。

観光寺も同じですね。観光寺の周辺には飲食店や土産店が立ち並び、お寺もまた拝観料をお願いし収入を得ます。人が増えるのはありがたいのです。

一方で地方にある末寺や、修行寺・願掛け寺(祈祷寺)では事情が異なってきます。

末寺というのはどのように維持されているのかといえば、そのお寺とお付き合いのある檀信徒のおかげで維持されているのです。具体的には布施や懇志であったり、ボランティア活動によるものです。

修行寺・願掛け寺とは、仏道を修めるために学ぶ人が集まり、祈るための場所です。

このような末寺や修行寺・願掛け寺には目的外の人が群れてくると迷惑になるケースが多いと思われます。

たむろする人が迷惑にならないように行動するにはどう気を付ければいいのか。

私のお寺は末寺に分類され、檀信徒の支えによって維持され、また境内には墓地もあり納骨堂にはお骨を預かり、本堂にはご本尊を安置しています。

お寺の人間としては、守るべきもの伝えていくものが数多くあります。

以前に私は、お寺の防犯のこと・不審者について紹介しました。

お寺というのは意外と泥棒が多いのです。なぜなら誰でも自由に簡単に出入りできるのですから。

また不審者というのも存在します。不審者という言葉は存在せず、「お寺の人間が、あの人怪しいなあ、何してるんだろう?」と不審に感じれば不審者となってしまいます。不審に感じられない行動をする必要があります。

大きなお寺ですと、参拝目的に来る人や僧侶たちや警備員によって人目が多いので、犯罪の抑止効果が高く、危険行為をしている人にも警備員が対応することができます。

しかし地方の末寺ですと、普段は人気がゼロ、境内には誰にもいないことが多々あります。

そんなお寺に、急に車が数台やってきて、駐車場から離れずしゃべっていたり山門の前でスマートフォンをいじっていたらどう思いますか。

お寺参りに来た人が怖いなあ絡まれたくないなあと引き返すかもしれませんし、お寺側から見れば参拝目的以外に寺の私有地を占拠されていますし、防犯上もこの人が危険な人がどうかなんて確かめようもありません。

お寺に来ることも、駐車場に車を止めることも何も悪いことではありません。

勘違いしてはいけないのは、参拝目的以外にお寺の駐車場に止めることもお寺に来ることもダメだよと言っているのではありません。

ちょっと近くを通れば「こんなところにお寺があったんだなあ。」と観光・見学的な感覚で立ち寄ることもあるでしょう。このような場合はお寺は大歓迎です。

肝心なことは礼節をわきまえること、不審者と思われない行動をすることです。

つい先日のことですが、自坊では8月15日に納骨者追悼法要がありました。

午後2時からの開始だったのですが、熱心な方は正午過ぎには本堂に集まり始めました。

午後1時ごろから見慣れない車がお寺の山門前の駐車場に入ってきたんですね。私はだれかなあと思って山門に立ちみていたのですが、5分・10分経っても降りてきませんでした。その間に不審な車がさらに1台・2台と駐車場に入ってきました。

徐々に駐車場には法要のためにお参りに来た人の車が頻繁に入ってくるようになったので、午後1時半ちょっと前に代表役員である住職にお願いして、駐車場にどのような理由があって止めているのか尋ねるようにお願いしました。

するとこんな駐車している人からこのようなコメントが返ってきました。

「別に何でもないですよ。」・「大丈夫です。」

何が大丈夫なのか、何でもないとはどういうのか。

お寺では今から法要があり、駐車場にはどんどん車が入ってきているのは見ればわかることでしょう。

参拝を目的に来た人の迷惑になっていることがわからないのでしょうか。

どうやらポケモンgoと呼ばれるスマホのゲームをしていたようです。とりあえず法要の邪魔になるので駐車場から退去することをお願いしました。

すると5台程度の車が出ていき、隣のお寺の山門前でだべり始めました。あそこがポケモンのスポットになっているようです。

一行は午後2時10分過ぎに隣のお寺の前から立ち去ったのですが、車の数は10台程度でした。

1時間程度も10台の車がお寺の駐車場を占拠して迷惑になると思わなかったのでしょうか。

さらにはこの日の夕方6時前からまた昼間に見たような若者たちが車に乗ってお寺の駐車場に無断駐車を始めました。

もちろん顔を見てもあいさつしないですし、山門をくぐることもしません。

結局車10台程度、若者20名程度が1時間程度、夕方にお寺の山門前でたむろっていました。

お寺に来るのは何も問題がありません。

しかしお寺の駐車場に参拝目的以外に車を止めるのであれば、「名前」・「車のナンバー」・「目的」・「駐車予定時間」の4点は最低限お寺に連絡をし許可をもらうべきではないでしょうか。

お寺の駐車場は広く、最近では道路に車を駐停車しにくい世の中になっているので、お寺もあなたが不審者でないとわかり、お寺への参拝者が不安にならないようにいるのでしたら、問題にすることもありません。

なんで一々お寺に許可をもらわないといけないんとダメなんだと反発する人もいるでしょうが。マナーです。

仮にその日にお寺で仏事をした人でも、駐車場に車を止めて食事に出ないといけないなどの理由があれば、「申し訳ありませんが、食事から帰ってくるまで止めさせてください」と断りを入れますよ。
お寺のことを思えば、参拝者がいないのに駐車場に車があるのは不審を感じることなので、たとえ知った関係でも伝えてくださるのが非常にありがたいことです。

お寺の対応はどうすればいいのか。

正直困っています。

別に人が集まって遊ぶのはお寺からすれば問題はありません。公園と同じような感覚で遊んでもらえればいいのです。

ただ2点問題があります。

  • 一つはマナーがなっていないこと。迷惑をかけているのを気づいていないこと。
  • 一つはお寺に危害があったときどうするのかということ。

現状お寺にスマホをもって集まる人というのはマナーが悪い集団だと私は認識しています。

ボールやラケットをもって駐車場で遊んでいる子供は車が通れば避けますし、挨拶をし挨拶されれば返してきます。

しかし車に乗ってやってきた大人は顔を合わせても挨拶をしない、理由を聞いても別に何でもないと答えるといった非常識な行動をします。

公園で遊ぶ場合でも周囲の同じように遊んでいる人に迷惑にならないように譲り合うように、お寺もお参りをするという敬いの気持ちで来る人もいるので、お寺の前でむれるというのはどのように感じるのか、考えてみてほしいです。せめて挨拶をすれば返事くらいはしましょうよ。

また先ほども言いましたがお寺というのは不審者や泥棒が結構多いのです。

最近の泥棒は事前に下見をきっちりしたり、スーツといった服装でお寺の様子を確認しています。

外でスマホを操作するだけでお寺の人間がみてきたり、声をかけたりするのは過剰だという人もいるかもしれませんが、お寺からすればあなたが不審者かどうかは見た目でわからないので、声をかけることで、このお寺は防犯意識が高いんだなあと思わせることができます。

例えばお寺の前で集まり騒いでいた日にお寺で窃盗や火事があった場合はだれが疑われると思いますか。わかりますよね。

あらぬ疑いをかけられたくないのであれば、参拝目的以外でお寺の駐車場に止める、お寺に集まるのであれば、その旨をお寺に伝え許可をもらうべきです。もちろん顔が合えば挨拶もするべきです。何でもないのであれば、帰っていただけますか。


広告 - Sponsored Links

さいごに。お寺の対応は見ること・声をかけること……かな。

繰り返しますが、お寺に参拝目的以外に来るのは問題ではありません。ふらっと立ち寄ったり、遊ぶために集まってももちろんオーケーです。

ただお寺の駐車場に無断で車が止まったり、山門前・敷地内でスマホを操作している様子は、お寺やその周囲の民家の人から不審者と思われても仕方がないところがあります。

お寺はご門徒さんの支えによって維持できており、お寺には仏様やご門徒さんのお骨やお墓があります。

お寺さんというのは、お寺を守ること伝えていく使命があるからお坊さんではなく、お寺さんといわれるのだと思います。

もしもお坊さんがお寺の管理をしなくていいのなら、駐車場に車が止まろうと、境内で人が群れようと、声もかけないですし見ようともしないでしょう。もしかするとお寺とは別のところで居住しているかもしれません。

お寺の人間はお寺を守っていくことが大切です。

お寺に人が集まるのはありがたいことですし、憩いの場として寄ってくださるのはありがたいです。

不審に思われないためにも、せめてお寺の人間が声をかければ返事くらいはしてほしいものです。

タイトルとURLをコピーしました