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彼岸花(曼殊沙華)は毒があるから悪い印象の別名も多いよね。

投稿日:2017年9月23日 更新日:

こんばんは。 僧侶のかっけいです。

秋のお彼岸の風物詩と言えば彼岸花(ひがんばな)ですよね。

日本の場合、おおよそ9月10日から咲き始めますね。

彼岸花はお墓や水田に群がるようにあの特徴的な形をした赤い花を咲かせるため、「秋の彼岸=彼岸花=墓参り」と連想されてしまいます。

さて今日のテーマ。

「彼岸花って曼殊沙華(まんじゅしゃげ)という素晴らしい名前が名づけられているけども、どうもイメージの悪い別名も多くないですか。」

「昔は有益な植物として植えられたのにね。」

水路にあるヒガンバナ

曼殊沙華とはなぜ素晴らしい名前なのか。

曼殊沙華って仏教に関する花だというのは多くの人が知っているでしょう。

仏教経典に出てくる花で、一応地上には存在していない花となっています。

例えば『妙法蓮華経』には以下の個所が出てくるそうです。

是時天雨曼陀羅華 摩訶曼陀羅華 曼殊沙華 摩訶曼殊沙華 而散仏上 及諸大衆

意味としましては、「お釈迦様が妙法蓮華経(法華経)をお話しようとした前に、天から曼荼羅華と大きい曼茶羅華、そして曼殊沙華と大きい曼殊沙華が釈迦仏と聴衆の上に降り散ってきた」ということです。

天から散華された花であるように、曼荼羅華と曼殊沙華は天上の華であることが言えます。

ちなみにですが、曼荼羅華は芳香があり見る者の心を悦ばしてくれる花、曼殊沙華は見る者を悪業から離れさせる白い花と言われています。

このように曼殊沙華とは見る人の心を清浄な気持ちにさせてくれる素晴らしい意味があります。

ただそれがどうして彼岸花の別名になったのかは分かりかねますが。

余談ですが曼殊沙華は彼岸花の別名で有名ですが、人によっては曼荼羅華のことを白い蓮(はす)だという人がいます。いったいどこでそのような知識を手に入れられたのか知りませんが、私にとっては初耳ですし何か勘違いしているような気がします。(曼荼羅世界に座っている仏が蓮華座の上にいるので、曼荼羅華が蓮華だと思っているのではないでしょうか。)

一方で彼岸花には悪い印象の別名も多い。

彼岸花には数多くの異名がありますね。

地域によっても様々な呼び名があると思いますが、私の住んでいる周辺で耳にする主な名前を挙げてみます。

  • 死人花(しびとばな)
  • 幽霊花(ゆうれいばな)
  • 地獄花(じごくばな)
  • 毒花(どくばな)

これら以外の名前もたまに聞きますが、これらが一般的ですね。

どうですか。4つしか挙げませんでしたが、良い印象の別名がありますか?

これらの悪い印象の名前が付けられているのには当然それなりの理由がありますよね。

彼岸花はお墓に咲いていることが多いから。

無縁墓に彼岸花が咲いている。

彼岸花と言えばお墓ですね。

墓石を囲うように咲いている彼岸花はまさに不吉なイメージを持たれやすかったのではないでしょうか。

それもお彼岸の時期に毎年正確に出てくるのですから。

墓石を囲うように彼岸花が咲く。

彼岸花には全草に毒があるから。

彼岸花は鱗茎(球根)から花・茎・葉とすべてに毒が含まれています。

そのため食べると死に至ることもあるため、食べてはいけない毒花とも言われます。

彼岸花の別名に人の勝手さを感じるか。

彼岸花とはお墓でよく見られるお花です。あと水田にも見られます。

彼岸花とは3倍体がほとんどであり、種から増えていくことはほとんどありえません。

誰かがお墓や水田に植えていったのです。

もちろんそれには理由があります。

  • 毒があるからモグラなどの地中の生き物に遺体を荒らされないようにするため。
  • また土手や畝を傷つけられないようにするため。

昔の埋葬方法は昔は遺体を直接土に埋める土葬が一般的でした。つい100年前までは。(それがここ70年程度で火葬後の骨の状態にしてからの土葬に変化しました)

土葬による埋葬法だと土を盛り上げる遺体の埋め方が一般的で、土の中の遺体が正常に腐り分解していくことで、土が平らになっていきます。

しかし埋葬した遺体が地中に住むモグラや、土を掘り返すキツネやイタチなどによって土葬した遺体が正常に腐敗・分解しないこともあります。

そのためそのイタズラをする動物たちを近づけさせないために、わざわざ毒性のあるの彼岸花をお墓の周辺に植えていったと言われています。

水田の畝や川の堤防にも似た意味があり、モグラなどによって穴を空けられたり崩されたりすることで、利水や治水に悪影響が出ないようにしたとされています。

つまりは人によって有益なものとして積極的に植えられてきた花だということです。

一方で、先ほども言いましたように死人花や幽霊花のように悪い印象の名前も多くつけられています。

いったいいつごろからこのような呼び名が一般的になったのかはわかりませんが、片方では曼殊沙華と言い素晴らしい名前があると思えば、死人を連想させる名前まであります。

挙句の果てには、彼岸花を家に持ち込んだら火事になるとか、彼岸花の赤い色が埋められた人の血の色なんだよとも言われます。

人というのは勝手なもので、自分たちのために植えたものであっても、時代や見方が変われば良いようにも悪いようにも表現を変えていきます。

せっかく曼殊沙華という仏教においてこの上もない尊い名前が別名として名づけらているのですから、もう少し仏教的なものの見方をしてほしいものです。

仏教的なものの見方とは、自己中心的な自分勝手なものの見方をしないということです。

ご先祖たちが良かれと思って植えていったのですから、その思いを感じ取り、お墓参りの時には今年も咲いてくれてありがとうと思ってみてはどうでしょうか。

さいごに。ちなみに彼岸花は救荒植物でもある。

彼岸花の蕾。開花前。

開花した彼岸花。独特な形。

私が今回、彼岸花の別名(死人花など)を取り上げたかというと、小さな子供の中には彼岸花が怖い・気持ち悪いと感じる子供がいたからです。

確かに秋のお彼岸頃にお墓に行きますと、彼岸花は必ずと言っていいほど目にしますし、あの独特な花の形は異様な雰囲気にも思えるでしょう。(よく見るとユリの花に似ていますが)

また親や祖父母からあれは毒があるよ、死人の花だよ、家に持ち込んだら駄目だよと言われるとなんとなしに、悪い印象が頭の中に植えつけられていくものです。

よくよく観察すると非常に美しい花であると思えるでしょう。

いったん悪いイメージを捨ててみて、じっくりと観察してみてはどうでしょうか。

ちなみに彼岸花はすべての部位に毒(アルカロイド)が含まれており食べることはできません。

しかし長時間水にさらしておくことで毒が抜けて食用にすることが可能です。

そのため昔は食料が不足した飢餓の時の非常食として食べられてもいたようです。

そのような救荒植物(きゅうこうしょくぶつ)は以外にもお寺に多く植えられています。

例えば、蘇鉄(ソテツ)や銀杏(イチョウ)があります。

お寺はもしもの時の備えを自然としていたのかもしれませんね。

→English version page "Do you know why Spider lily is called Hell Flower in Japan?"

7/1記事下profと案内,6月15日より



釋克啓プロフィール写真80px サイト運営者の釋克啓(かっけい)です。
香川生まれ,香川育ち,香川大学出身。
香川県にある円龍寺の若坊である28歳。
現丸亀市仏教会理事

法要/行事の案内

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