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第92回目のラジオ配信。「火中の虫」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川に住む浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。
6月も下旬になりますと、暑さだけでなく湿度も高く、ジメジメとだんだんと過ごしにくい日が続くようになりました。特にこの時期は蚊が飛び回るようになって、耳元でブーンブーンと羽音をたてるのでとってもウットウシイですし、外へ出る時はかまれないように虫除け対策もする必要があります。
35度にもなる真夏の暑い時だと蚊もばてて出てこなくなるので、今だけの辛抱と言えばそうなんですが、やっぱり蚊が出てくるようになると羽音だけでなく、血も吸われて腫れてかゆくなるので嫌な気分になりますね。
さて蚊と言えば夏の虫。夏の虫と言えば、ことわざで「飛んで火にいる夏の虫」が思い出されます。夜に明るさを求めて飛んできた虫が、自ら火の中に飛び込んで焼け死ぬことから、自ら進んで災いの中に飛び込むことのたとえを表す言葉です。
夜、家の明かりにつられて外から虫が集まってくるのが嫌になってくるのが、これからの時期です。
冬の虫も光に集まるかもしれませんが、窓や扉をあけっぱなしにすることも多くなる夏これからは夏の虫が気になりうっとうしくなり、蚊取り線香などが出番になってきます。
場所によっては、光に反応して集まってくる虫に対してバチバチと大きな音をたてて、虫を殺しているのを見かけるようにもなってきます。
さてそんな光に集まる夏の虫の話に関連して、灯籠のお話もします。
灯籠の話は2020年の2月に配信した30回目のラジオでもテーマにしてお話してまして、その時は、灯籠は仏教が伝来した飛鳥時代の頃に中国から日本に伝わってきたとされるということをまず説明しました。
この時にはお話しませんでしたが、灯籠の文化は中国から仏教伝来とともに伝わったとされるのですが、灯籠の発祥が中国とは言っていません。
中国から伝わったのは石灯籠のことで、仏教寺院を建てる時に、仏様に明かりをお供えするといった意味や仏さまの智慧を象徴する光として、石の灯籠が置かれるようになりました。
石灯籠は中国からですが、灯籠そのものはインド発祥とされるようです。
灯籠がインドで作られるようになったのは、仏様に灯りを捧げるときに風で消えないようにするためと、もう一つ、今回の明かりに集まる虫に関するお話があります。
あるとき、お釈迦様の弟子が夜、灯を灯してお経を読んでいました。その灯りにつられて飛んできた一匹の虫が、火中に飛びこみ死んでしまいます。
その話を聞いたお釈迦様は、竹を編んで籠をつくり紙を張って、虫が火に飛び込むの防ぎ、仏道修行者の無用の殺生を防がれたといいます。
このようなお話が灯籠の始まりとも、伝えられています。
これが形を変えて今では、浄土真宗のお寺やお仏壇には金灯籠となって、常にお飾りされています。
また夏のお盆には、盆灯籠の形で紙が張られた灯籠がみられるようになります。
飛んで火にいる虫から灯籠の話をして、今回の2021年6月22日のかっけいのラジオをここで終了します。来週もまた聞いてくださいな。ポッドキャストでも配信していますので「レビュー・評価・登録」してくれたら嬉しいです。
ちなみに2020年2月の30回目の灯籠をテーマにした回では、灯籠をなぜお飾りするのかといったことをお話をしているので、ぜひ聞いてみてくださいませ。
灯籠とは
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