今、ヨーロッパのバチカンからローマ教皇が来ていますね。
テレビなどでは「すんごい人が来日した。核廃絶の平和スピーチをした。感動した」なんて報道していますね。
でもね、あれとおんなじスピーチを日本の宗教者がしたら見向きもされないですね。全日本仏教会は60年以上前から核廃絶を訴えているのに無視されているからね。
本当にローマ教皇が影響力のある人物なら、核兵器の落とされた国じゃなくて、核兵器保有国や核兵器を落とした国でスピーチして訴えてほしいと思います。
まあ、今日はそんな話をしたいんじゃなくて、先週予告したように、ワインの話をします。
11月の第3木曜日は有名なボジョレーヌーボーの解禁日でしょ。それでワインの話をしたかったのです。
ちなみにワインってどんな飲み物か、知っていますか?
果実を発酵させた酒がワインですね。アルコールの飲み物ですね。
お坊さんの私は、法事のお供えに「お酒やワインやビール」をお供えしてもいいですかと時々、尋ねられます。
どうしてそんなことを聞くのか逆に質問してみますと、「仏教はお酒はダメなんじゃないの?」なんて言われます。
う~ん、たしかにそんな決まりがあるような気もしますが、「飲んだらダメだよ」と言われて、「ハイ!!わかりました!!」と素直な人ばかりでしょうか。
飲まなくて済むなら飲まない方がいいのでしょうが、世のならい・人のならいでは飲んでしまうことの方が多いんじゃないでしょうか。
他の宗派のお飾りは詳しくは知りませんが、浄土真宗の飾りで言えば、あえて、お酒を仏壇に飾る必要はありません。
飾らない理由は、お酒が禁じられた飲み物だからではありませんよ。阿弥陀仏のお浄土は、迷いのない世界・清浄な世界だからお酒が必要ない。だから、わざわざお酒を仏前に供える必要がないのです。
でもお寺に行ったら、ビールやワインやお酒が飾られていることがあるじゃないと思う人もいるでしょ。あれはご用意して下さる人がいるから、仏前にお供えさしていただいているのです。
先祖の法事でも、亡き人の好物を供えたいと言う理由からお酒・ワインとアルコールの飲み物を供えても、それはそれで問題ありません。
さて、ワインと言えば葡萄酒ですね。
実は浄土真宗のお経文の中には、ぶどう酒が出てきます。続けてぶどう酒と瓔珞について紹介します。あんまりお坊さんがぶどう酒と瓔珞について話す機会もないからね。
まず確認ですが、瓔珞って何かわかりますか。瓔珞は仏壇の仏さまに近いところにあって、キラキラと吊り下がっている飾り紐のことです。
仏具という扱いですが、灯りをつけたり手に触ったり持ったりするわけではなく、飾りっぱなしをするそんな仏具です。ですので、あれって何のためにあるのかなあと疑問に思うこともあるでしょう。
元々は、お釈迦さまがいた時の時代、インドの王族や高貴な人が身に付けていた装身具が瓔珞です。
瓔珞は、宝石や玉のデザインをした首や胸などにかける装身具のことで、立派な人のみが着けれていたんですね。
でお経本の話に戻ると、浄土真宗では仏説観無量寿経を大切にしています。この中に、韋提希と言うお妃(おきさき)が登場します。
この人物は牢屋に閉じ込められている王様のために、お妃が身に付けている瓔珞(首飾り)に、ぶどう酒を詰めて、こっそりと王様に食べ物を届けていたことが書かれています。
仏壇にぶら下がっている瓔珞のどこに、飲み物をいれる場所があるんだと思う人もいるでしょうが、よくよく瓔珞を見てください。
ブログ記事から聞いている人は、私のお寺の瓔珞写真を載せておきますので、見てください。
丸っぽい玉や鈴みたいな物がたくさんついているでしょう。あんな所に葡萄酒を隠しいれて運んでいたのです。
観無量寿経では、瓔珞とぶどう酒のそんなエピソードが書かれています。
最終的に韋提希というお妃は、お釈迦さまの前で、自分の地位を象徴していた瓔珞を投げ捨てて、お釈迦様に自分が救われる教えを求めます。
瓔珞は尊い人物、高貴な人のみが身に着けることができた装身具です。修行中の菩薩は瓔珞を身に付けます。でも、仏さまは悟りをひらかれた存在なので着飾る必要はなく、瓔珞は本来必要ありません。しかし仏さまを尊いお方と敬うために、私たちはお仏壇やお寺に瓔珞のお飾りをしています。
2019年11月26日に放送の今回は、ワイン(ぶどう酒)をテーマにお話ししました。
ここで今日の話は一応、終わるのですが、せっかくなので香川大学のワインを紹介します。
紹介する理由は私が香川大学(香大)の農学部出身だからです。それと私が果樹学を専攻していて果樹の研究室にいたからです。
平成18年に香川大学農学部で開発された「香大農Rー1(かだいのうアールいち)」というブドウが品種登録されました。
そのブドウを利用して、香川県内唯一のワイナリーである「さぬきワイナリー」が赤ワインを作っています。毎年ボジョレーヌーボーの翌日に販売されています。
これがけっこうおすすめです。宣伝すると、この香大の赤ワインは通常のワインよりもポリフェノールやアントシアニンが2倍から3倍多く含まれているとのことで、非常に色が濃いです。
私はアルコールの飲み物が飲めないのですが、いつも味見として、一含みだけ口にしています。
ちょっと渋いかなあとも思いますが、それ以上にブドウの濃い味が感じられて美味しいです。それとグラスに赤いワインの汁の跡が残るのがすごいなあと感じます。
私は今年の春に、贈答用としてさぬきワイナリーに直接買いに行きました。生産本数が少なくて、11月12月の時期を過ぎると、酒店にいっても見つからないからです。
ワイナリーの人に聞くと2017と2018は生産量が安定して在庫があるとのことだったので、店頭にあった2017と2018どちらも買いました。飲んだ人に聞くと、やっぱり味わいは微妙に違っていたようです。
ニュースによると今年の瓶詰本数は7000本だそうです。「香大農Rー1」が開発されてから、もう10年以上たつのに、なかなか生産量が増えないんだなあと思ってます。
ちなみにこの前買った2017・2018の香大のワインの底には、オリが沈殿していました。きっとワインの風味を残すために、目の粗いフィルターを使っているんだろうなあと勝手に思っています。オリがあってもワインの出来が悪いわけじゃないから勘違いはしないようにね。
香大ワインの宣伝が長くなりましたね。今日はここで話を切ります。香大のワインは「ソヴァジョーヌ・サヴルーズ」ていう名前で、香川県内の酒店やさぬきワイナリーのオンラインショップで買うことができます。
お値段は720ミリリットル2200円と求めやすい価格だと思います。
それともう一点、さぬきワイナリーに直接行ってももちろん香大ワインを買うことができます。で最初の方に言ったように、ワインとは果実を発酵させたお酒のことです。さぬきワイナリーに行くと、香川のイチゴとかスモモのワインとかもあるので、ブドウ以外のワインも飲んでみてはどうでしょうか。けっこうおもしろい味だと思います。