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第99回目のラジオ配信。「仏花に関するQ&A」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
今回のお話は前回の、仏花の「生花・造花・常花」の違いに引き続いた内容です。
ぜひ前回のもお聞きくださいませ。
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川に住む浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。
今回のラジオは8月10日の火曜日に配信予定です。ちょうど世の中では、2日前の8月8日に東京オリンピックが閉会したところでしょう。
東京オリンピックは2020年3月に前の内閣総理大臣が、「人類が新型コロナに打ち勝った証として、完全な形で開催する」と話していましたが、はたして新型コロナに打ち勝って、一年延期して、完全な形で、東京オリンピックが開催されたのでしょうかね。
ことわざに「二兎を追う者は一兎をも得ず」という言葉があります。欲を出して同時に2つのことをしようとしても、どっちも中途半端になって上手くいかないことを表す言葉です。
為政者はオリンピックも成功させたいコロナも抑えたいと、同時に二兎を追いかけたんでしょうが、結局どちらも望んだような結果にならなかったんじゃないのかな。
8月になって香川では灯籠をお飾り、お盆参りをする時になりました。
昨年は皆さん「今年一年の辛抱だ」と、移動の自粛をして、香川へ帰りお墓や仏壇に参るお盆参りを自粛していたんですが、新型コロナウイルスの感染拡大で今年もまた帰れなくなりそうです。
6月にお電話で、「8月のお盆にお寺にお参りできることを楽しみにしています」と話されていた東京にお住まいの方が、この前残念そうに、「お参りできなくなりました」と話されたのが、私も本当に本当に残念です。
2個も3個も10個も同時に追い求めることも大事なこともあるのでしょうが、そのおかげで、生きている人同士のつながりや亡くなられた人とのつながりが失われていることも、憂慮すべきことだと私は思います。
さて、話のレベルはずいぶん変わって、私の音声ラジオではお話するテーマを実は毎回選んでいます。あれもこれもといろいろ話したいこともたくさんあるんですが、一度にたくさん話すのもそれを聞くのもどうかと思って、いっつも取捨選択して一つに絞って、しゃべった内容も短くコンパクトに切り取ってから配信しています。
それで、前回に仏壇やお墓、仏さまにお飾りするお花「生花・造花・常花」をテーマにしてお話ししました。
すると、お花についていくつか質問をいただきましたので、今回は二兎を追わないように、前回に引き続いたお話を補足するような内容で短く話していきます。
それでは一つ目の質問
「バラの花は本当にお飾りしたらダメなのですか?」
前回のお話で、手を傷つけるようなトゲや食べられない毒を持った花や悪臭を放つ花は、仏様にお飾りするお花にはふさわしくないことを言いました。一般的にも、よくバラは仏花にしない方がいいと言われますよね。
ですが、どうでしょうか。バラだから必ずトゲがあるとは限らないですよね。トゲが全くないバラの品種だってあるわけですよ。
バラだから絶対にお飾りしてはダメとは私は思いません。バラに特別な思い入れのあるのでしたら、私はトゲの目立たない少ない品種を選ばれてお飾りされたらいいと思いますよ。
それこそトゲというのは、バラであれば茎の一部が変化したもの、サボテンであれば葉の一部が変化したものであり、トゲもその植物の体の一部なんですから、人間が嫌って、この花は体の一部の先が尖っているからダメというのはおかしんじゃないんでしょうか。
続けて似たような質問に「彼岸花は毒があるからダメと聞くけど、お墓に刺している人いますよね。お墓にはいいんですか」
そうですよね。確かに彼岸花は花から茎から根まですべて毒をもっているので、仏花にはふさわしくないとされます。
でもですね。秋のお彼岸に咲く真っ赤で優美にゆらゆら揺れている彼岸花は、とてもきれいじゃありませんか。ご先祖にお供えしたいなあ、と思われるのもしかたありませんよね。
私は彼岸花をお供えしてもいいと思っています。
彼岸花は毒があるからダメというけど、例えばこれから夏8月9月に咲くピンクの花で夏水仙がありますよね。彼岸花に似た形をしていて毒ももっていますけど、仏前にお供えしている人もけっこう多いように感じます。
- 私の大好きな花の一つでシュッとしているカラー
- 贈り物として喜ばれるスズランやアネモネ
- 春の訪れを感じるチューリップ
などなど、仏様におかざりされているお花の中にも、毒を持つ花はたくさんあります。
彼岸花は毒があるから、仏様のお浄土を表す仏壇とかにはお飾りすることはふさわしくないのは、それはそうなのでしょう。
ですが、別にお飾りした後で、彼岸花を食べたりつけていた水を飲むわけではないんですから、彼岸花を美しいと感じたり思い入れのある花であるなら、私はお飾りしても問題ないと思います。
3つ目の質問は「常花は浄土真宗では使わないってネットで見たけど?」についてです。
前回のお話で、仏様にお供えする花は生の花のご生花が基本、そして私の寺では枯れたお花を活け替える時に、常花をお飾りしていることを言いました。ですがインターネットで検索してみますと、「常花は浄土真宗では用いません。認めていません。」と書かれているのが確かに多くのウェブサイトでありました。
まあ嘘ではないんでしょうが、ホントでもないと思います。たまたま「常花は浄土真宗では用いません。認めていません。」と書いた人の近くでは、用いていない認めていないだけであって、浄土真宗の宗派によっては、あるいはお住まいの地域によっては、常花も用いていると思いますよ。
現に浄土真宗寺院の私の寺も常花は一時的にお飾りしていますし、近くの浄土真宗寺院でも常花をお飾りしている寺もあります。
インターネット上では「常花は浄土真宗では使わない」と書かれていますが、それは間違っている情報でしょう。
さいごの質問。「仏花はどこで買うのがおすすめ?」です。
これはだんぜん、花屋さんです。
スーパーやコンビニで気軽にお花が買えますが、花もちが悪いように感じますし、値段の割に花の種類や量が貧相です。また霊園や墓地の参道入り口・中でも、お参りの人用の花が売られていることもありますが、これも値段の割に花の種類や量がよろしいとは思えません。
どこで花を買ったらいいか悩まれる方の中には、葬祭業者や仏壇屋・墓石屋に依頼することもあるでしょうが、それもおすすめしません。
やっぱり花は花屋で求めるのが一番です。
値段が張ってお高くなるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、それでしたら2000円から3000円で用意してくださいと注文すれば、花屋さんの方から、ボリュームや花の種類を聞いて予算に収まるように揃えてくれるはずです。
仏花は花屋で買うことを私はおすすめします。
以上で、いただいた質問は終わりです。
2021年8月10日の今回は、前回のテーマ「生花・造花・常花」についてのご質問に返信する内容でお話しました。来週もまた聞いてくださいな。
トゲがあるからふさわしくないとされますが、絶対にNGではないと思います。
バラでもトゲの目立たない・全くない種類もあるので、そういったのをお供えしてはどうでしょうか。
毒があるものも仏壇やお墓にふさわしくないとされます。その代表例が彼岸花です。
ですが、チューリップやスズランやカラーなど、仏花としてお飾りされがちな花も毒を持っています。
私は彼岸花もお飾りしてもいいと思います。
いいえ。浄土真宗でも常花を使っています。
花の専門家の花屋さんをおすすめします。
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