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第197回目のラジオ配信。「改葬」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。
197回目の今回は、お骨の動かし方、改葬するための手続きについてお話ししていきます。
ここ最近は、終活という言葉をよく耳にします。
ご門信徒さんからも、お墓の整理、お骨の整理を考えているという相談をよく受けます。
その多くは、今収めているお骨を取り出して、別の墓地・納骨施設に改めて収めたいという相談です。
このことを改葬といいます。改葬とは、お骨の移動のこと、今収めているところからお骨を取り出して他の墓地や納骨施設に移すことです。
今回は、そのお骨を動かし方、改葬をするための手続きについて話していきます。
まず一番最初にすることは、新しくお骨を受け入れてくれる場所、墓地や納骨堂や納骨施設を見つけることから始まります。
これは今お骨を収めている管理者やお付き合いをしている寺に、事前に必ずしも相談する必要はないです。
新しくお骨を納める場所、移動先を見つけることがまず最初にすることです。
またお墓を廃止する場合は、墓石の撤去費用がどれくらいかかるのか石材屋、墓石屋さんにおおよその見積もりをとることもこのタイミングでしてください。
お骨の引越し先、移動先が見つかれば、家族や兄弟、親戚にお骨を動かそうと考えていることを相談してください。
ご家族兄弟親戚の中には、改葬を望まない人もいるかもしれません。後からトラブルを避けるためにも、必ず皆様の同意を得てから改葬するかを決めてください。
皆様の同意を得られたら、檀那寺・菩提寺の僧侶にお骨の移動を話します。また、現在お骨を収めている墓地や納骨施設の管理者にお骨を移動させることを伝えます。
ここまでの復習をしますね。
まずはお骨を新しく収めるところを見つけます。
場所が見つかったら、家族や兄弟、親戚にどこそこからどこそこに、この人のお骨を動かそうと考えているということを相談します。
墓じまい、墓石を片付ける場合は、そのおおよその費用もこのときにすでに把握していた方がいいです。
家族、兄弟、親戚の同意を得られたら、檀那寺・菩提寺の僧侶にお骨を移動させることを話します。
それと、現在、お骨を収めているところの管理者にお骨を取り出して他に移すことを伝えます。
さてここから書類が必要になります。三種類は必須の書類です。
まず1つ目は、改葬許可申請書です。
改葬許可申請書は役場で入手します。
最近は役場のウェブサイトでもダウンロードできたりしますが、役場に直接行って受け取った方が間違いないと思います。
今から間違いやすいポイントを言いますよ。
この時に行く役場は、現在お骨が収まっている墓地や納骨堂のある市区町村役場です。
今あなたがお住まいの役場ではなく、お骨が現在あるところの役場です。
そこで改葬許可申請書を入手します。
大抵の場合は、動かすお骨一体につき、改葬許可申請書は一枚必要になります。
お骨を3つ動かすなら、改葬許可申請書は3枚必要になります。
続いて2つ目の書類は、収蔵証明書です。
これは現在お骨を収めている墓地や納骨施設の管理者が発行するものです。
もしも自治体が運営している公的な墓地や納骨施設の場合、改葬許可申請書を受け取りに行ったときに、役場で発行してもらえばOKです。
役場によっては、改葬許可申請書と一体となっていることもあります。
現在の墓地の管理者から、収蔵証明書を発行してもらうのが2つ目です。
厳密に言えば、収蔵と埋葬と埋骨・埋蔵は意味が違いますが、「お骨を取り出して、別のところに移したいので、お骨を収めている証明書を出してください」といえば、一番適切な言葉を管理者が選んでくれると思います。
最後、3つ目に必要な書類は、受け入れ証明書です。
これは新しくお骨を移す先・改葬先の墓地や納骨施設の管理者に発行してもらいます。
この人物が持ってくるお骨は私のところで適切にお預かりしますよという意味合いの、受け入れ証明書です。
この表現は受け入れ先の管理者によっては、墓地の使用許可証や納骨堂の使用許可証と表現することもありますが、なんにせよ、新しくお骨を受け入れますよという受け入れ証明書を意味します。
復習しますね。
3種類の書類が改葬の手続きに必須です。
1つ目は、改葬許可申請書。これは改葬前の、現在お骨のある墓地や納骨施設のある市区町村の役場で手に入れます。
2つ目は、収蔵証明書です。現在お骨を収めている墓地や納骨施設の管理者に発行してもらいます。
3つ目は、受け入れ証明書です。お骨を動かす予定先の墓地や納骨施設の管理者に発行してもらいます。
大抵はこの3種類の書類があれば、お骨を動かすことはできます。
ですが、その他の書類が必要になることもあります。
例えば、改葬許可の申請書を提出する人が墓地の使用許可を受けた人と異なる場合は、現在の墓地の使用者の墓地使用承諾書、委任状が必要となります。
役場によっては、動かすお骨の人物との続柄や死亡した日がわかる戸籍・除籍謄本といった書類の提出を求められることもあります。
多くの場合は、改葬許可申請書と収蔵証明書、受入証明書の三種類があれば改葬できるはずですが、役場によっては、さらに書類が必要となるかもしれません。
なので、改葬許可申請書を役場で手に入れる時に、合わせて他にどんな書類が必要なのか確認していただくと間違いないです。
さてこれで必要な書類は用意できました。
改葬許可申請書に必要なことを記入して、収蔵証明書と受け入れ証明書をセットにして、お骨が現在収められている墓地や納骨施設のある市区町村役場に改葬の許可申請をします。
すると、改葬許可証が発行されます。
これは申請書を提出してすぐに発行されるものではありません。数日かかると思うので、お骨を移動する当日に、役場に改葬許可申請をするのは遅いです。
改葬許可の申請は余裕をもって行ってください。
これで必要な書類は揃いました。
改葬許可証を手に入れたことを現在の墓地の管理者に伝え、お骨をいついつに取り出したいことを打合せします。
お骨を取り出すときや新しく納めるときにお坊さんがお勤めをするからです。
それで改葬許可証を今お骨を収めている管理者に提示して、お骨を取り出します。改葬許可証は提示するだけで渡さないようにしてくださいね。
墓じまい、墓石の撤去は、お勤めが終わってお骨を取り出してから行います。
次で最後になります。
取り出したお骨は、新しい受け入れ先の管理者の元に持って行きます。そしてお勤めをしてお骨を収めます。
そして役場で発行してもらった改葬許可証を、新しい受け入れ先・墓地・納骨施設の管理者に提出します。
受け入れ先の管理者はこの改葬許可証を5年間保存しなければならないという法律があるからです。
以上で、お骨の動かし方、改葬の手続きは終わります。
もう一度、最初から復習しますね。
まずはお骨の動かす先、引越し場所を見つけること。
墓じまいをする場合は、墓石の撤去費用がどれくらいか把握すること。
家族兄弟や親戚の同意を得ること。
檀那寺や菩提寺のお坊さんにお骨を動かすことを話すこと。
そして今お骨を収めているところの管理者にお骨を動かすことを伝えること。
そこから書類を用意します。必須なのは3種類です。
お骨を収めている所にある役場で改葬許可申請書を手に入れること。
お骨を収めているところの管理者から、収蔵証明書を発行してもらうこと。
お骨を新しく動かす先の管理者から、受け入れ証明書を発行してもらうこと。
改葬許可申請書・収蔵証明書・受け入れ証明書、その他必要な書類をそろえて、今お骨を収めているところの役場で改葬の許可申請をします。
すると改葬許可証が発行されます。
お骨を動かす日時を今の管理者と相談し、お坊さんがお勤めをしてお骨を取り出します。墓石のしまいはお勤めの後です。
そして最後に、お骨を新しく収めるところに持って行き、お勤めをして収めます。また管理者には改葬許可証を提出します。
これで以上です。
それでは今回のかっけいのお話を終了します。お骨の動かし方、改葬の手続きについてお話しました。
ちなみに今回のお話は、お骨を他の墓地や納骨堂などに移動させる改葬のお話です。
お骨を一番最初に収めるときや、お骨の一部を他に移動させる分骨のときは必要書類等、違うところもあります。
ご不明な時は、市区町村役場や檀那寺菩提寺のお坊さん、お骨を収める予定の管理者に相談していただけたらと思います。
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