こんばんは。 円龍寺若坊のかっけいです。
お坊さんのお仕事には寺の景観を維持することも大切です。
自坊ではあと数日で報恩講法要という浄土真宗では一番大切な仏教行事があります。
その日に備えて毎日せっせと掃除をしているのですが、猫の被害には困ったものがあります。
今回のお話は猫の爪とぎについてです。
猫の爪とぎで庭木がボロボロ。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、肉眼で見ると樹の表面がささくれ状態になっていることがよくわかります。
そもそもここに植えられている庭木は、苔が地面から樹の幹の伝って上に伸びているのが見どころでもあります。
樹の幹に綺麗に生えている苔が猫の爪とぎによって見事に剥がされています。無残やね。
猫の爪とぎは止めさせられない。
聞くと猫が爪を研ぐのは本能だそうです。
理由はいろいろありますが、例えば次のものがあります。
- 古くなった爪の層を取り除くため
- 縄張りとしてマーキングをしているため
- 他の猫と戦うために爪を手入れしているため
- ストレッチの際に自然と爪を立ててしまうため
猫にとっては爪を研ぐことが自然な行為なため、爪とぎができないとストレスを感じるようです。
で、また厄介なことに猫は爪を研ぐ場所を大体決めているようです。毎回同じところが傷つけられるのはそんなわけだそうです。
猫にとっての爪とぎは本能のようなもの、そして猫はそもそもしつけが難しい。そのため猫に爪とぎをやめさせるのは難しい。
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さいごに。猫が嫌いなわけじゃないよ。
上の写真もわかりにくいですが、銀杏の木の表面がガリガリと爪とぎされている状態です。
表面がつるつるした樹ではなく、ざらざらしていれば樹の種類を選ばずに爪を研ぐように感じます。
さてお寺にとって猫の爪とぎは厄介なことです。
庭木ならばまだかわいいものですが、これが建物内の畳・障子・襖・仏像などが傷つけられたら堪ったものではありません。(お参り先の家でも畳や柱が爪とぎによってズタボロにされていることがあります)
ですから私は猫を飼っていません。このお寺にやってくるのはすべて他の家から集まる猫です。
しかし猫というのは自由気ままに移動する生き物です。猫がちょっと悪さしていたり叫んでいてもそんなもんだと割り切れるようにならないといけないのかもしれません。それに私も猫が決して嫌いなわけじゃないからね。ただちょっと爪を研がれるのが嫌だったり、天井や縁の下で糞尿を垂らすのをやめてほしいと願っているのです。