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日本最初のお寺は飛鳥寺じゃなく向原寺

僧侶のかっけいです。

奈良県の飛鳥寺(あすかでら)を、日本最古のお寺だと思っている人は多いと思います。

しかしそれは正しくないかもしれません。奈良県の向原寺(こうげんじ)が最初のお寺ともされます。

今回は、日本で最初のお寺を紹介します。

なお中国最初の寺は、一世紀半ばの「白馬寺(はくばじ)」とされます。

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飛鳥寺には日本最古の仏像がある

飛鳥寺は聖徳太子がいたときに建てられました。

587年に蘇我馬子が建立の発願をし、596年に完成したそうです。飛鳥寺は蘇我氏の氏寺として建てられました。

この飛鳥寺が日本最古のお寺だといわれる理由の一つが、日本最古の仏像があるからです。通称「飛鳥大仏(あすかだいぶつ)」と言われる、飛鳥寺のご本尊です。

飛鳥大仏は600年初めごろに造られた釈迦如来像です。日本最古の仏像が今も残っているため、飛鳥寺が日本最古の寺とイメージされるのかもしれません。

もう一つの理由に、飛鳥寺は日本最初の本格的な仏教寺院だったことです。

  1. 仏像を安置する「金堂(本堂)」
  2. 遺骨を納める「塔」
  3. 講義をする「講堂」
  4. 鐘をつり鳴らす「鐘楼」
  5. お経を納める「経蔵」
  6. 僧侶が生活する「僧房」
  7. 食事をする「食堂」

簡単に説明すると、上の7つの建物要素がある寺院のことです。

飛鳥寺のつくりは飛鳥寺式と言われ、日本最古の仏教寺院の配置形式となっています。

参考になる動画
日本最古のお寺と仏像『飛鳥寺』|奈良観光コンシェルジュが明日香村のお寺をご紹介(奈良観光コンシェルジュ JUNより)

向原寺(こうげんじ)が日本最初の寺

552年に百済(くだら)の聖明王(せいめいおう)から、仏像とお経を贈られました。

国神をまつることを主張する物部氏と、仏教を取りいれ拝むことに賛成した蘇我稲目(そがのいなめ)がいました。

欽明天皇はまずは、蘇我稲目に試しに百済よりたまわった仏像をまつるように命じました。そこで蘇我稲目は、飛鳥の向原(むくはら)にあった自分の屋敷を寺に改めて仏像を安置しました。

一番最初に仏像をまつったため、この向原の寺が日本最初のお寺とされます。はっきりとした時期は不明ですが、580年頃とされます。

なおこの後、疫病が流行り物部氏により寺は焼かれ、仏像は難波の堀江に捨てられました。600年頃、跡地に推古天皇のころに日本最初の尼寺「豊浦寺(とゆら)」が建てられます。

現在は当時の向原寺や豊浦寺は残っていませんが、ゆかりの地の寺として浄土真宗本願寺派の「向原寺」があります。

「4travel.jp」の旅行記事『日本最初の仏寺向原寺と本格的寺院飛鳥寺』が参考になります。

一般的に飛鳥寺が日本最古の寺とされる理由は、本格的な仏教寺院の伽藍を配置した最初の寺であり、日本最古の寺があるから。596年に創建と伝わる。

向原寺が最初の寺ともされる理由は、 蘇我稲目が公式に百済から贈られた最初の仏像を、飛鳥の向原にある自分の屋敷に安置したから。580年頃にまつったとされる。

参考になる動画
48. 向原寺(竹内街道・横大路「大道」より)

その他の日本最古の寺

飛鳥寺を日本最古のお寺と思っていた人もいたでしょう。でも他にも最古といわれるのお寺があります。

法隆寺(ほうりゅうじ)

法隆寺の金堂は日本最古(世界最古)の木造建築とされます。また五重塔も日本最古の木造の塔とされます。

法隆寺は607年に聖徳太子が、亡くなった用明天皇の願いを受けて奈良県の生駒に建立しました。法隆寺は聖徳宗(しょうとくしゅう)の総本山です。

飛鳥寺が飛鳥寺式とされる日本最古の仏教寺院の伽藍配置形式だが、法隆寺も法隆寺式とされる同じ時期にできた伽藍配置となっている。

公式サイト「法隆寺

四天王寺(してんのうじ)

四天王寺も聖徳太子が創建にかかわったお寺です。大阪市にある和宗(わしゅう)の総本山です。

四天王寺は当時摂政であった聖徳太子が593年に建立しました。このお寺は四天王寺式と言われる飛鳥寺式とは異なる伽藍配置だけでなく、日本最初の官寺(かんじ)として開かれました。

向原寺が蘇我氏自身の氏寺だったのに対して、四天王寺は最初の官寺でした。朝廷の公の寺として建てられ、社会福祉施設としての役割もありました。

公式サイト「四天王寺

當麻寺(たいまでら)

聖徳太子の弟の麻呂子親王によって612年に、當麻寺は河内国山田郷に創建されたと伝わる。後680年ごろに現在の奈良県葛城市にうつる。

當麻寺は日本最古の梵鐘や石灯籠がある寺として知られています。

鶏足寺(けいそくじ)

兵庫県姫路市相峰山にある鶏足寺は、日本最古だったともされる寺。1578年に豊臣秀吉の焼き討ちにより廃寺となる。

寺の痕跡はほとんど残らず、日本最古とされる理由は、1348年ごろの『峯相記』に旅の僧が鶏足寺の僧から聞いた話を書き記した内容による。

朝鮮半島新羅に出兵した神功皇后が、連れ帰った新羅の王子が581年に創建したと伝わる。鶏足寺の寺号の由来は、鶏林は新羅の別称であり、鶏林(新羅人)の足跡のあった寺によります。

現在はテーマパーク「太陽公園」の一部として、平成に再建された。

参考リンク「兵庫県姫路市の鶏足寺跡ととんがり山(播磨の山々)」

それと、香川県には神功皇后ゆかりの地がいくつもあります。地元にある雷の落ちない場所「みはか」について紹介しました。

ちなみに日本最古の仏像は飛鳥寺の釈迦如来像ではなく、信州善光寺の本尊(阿弥陀三尊像)だとも言われます。善光寺の寺伝によると、百済の聖明王よりたまわり向原の寺でまつられていた仏様であり、難波に捨てられた仏像を本田善光が信州に持ちいったとされます。


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まとめ

寺院創建年創建者最古
飛鳥寺596年蘇我馬子仏像
本格的な伽藍配置
向原寺580年頃蘇我稲目仏像をまつった場所
法隆寺607年聖徳太子木造の金堂
木像の五重塔
四天王寺593年聖徳太子官寺
當麻寺612年麻呂子親王 梵鐘
石灯籠
鶏足寺581年頃新羅の王子
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