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第297回目のラジオ配信。「ゴマは育てやすい」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。
ここ数年の夏は暑いですよね。
お寺の庭木から畑の植物まで、夏の暑さに堪えかねていて、全く元気がありませんでした。
今回は仏教の話ではなくて、私の趣味の家庭菜園をテーマにしたお話をしていきます。
お話の内容は、これからの日本の暑い夏は、ゴマを育てるのがおすすめじゃないかなあというお話です。
お坊さんの私は、農家ではありません。
お寺の横にそんなに広くない畑があって、そこでいろいろ野菜を作ったり、お寺の境内から出た枝木を発酵させて堆肥を作ったりしています。
趣味という形でお野菜や堆肥を作っているわけです。
さてそれで、最近の日本の夏は暑いですよね。
それでいて、私の住んでいる香川県は全国的にも雨の少ないところです。他の場所では水害に悩まされていても、香川では雨があまり降らず、警報もなかなか発令されません。
香川県は住みよいところなんですが、ちょっと最近の夏は異常なほど暑く、雨が少なく、お野菜を作るには辛い環境です。
私は今年の夏、カボチャや枝豆やミニトマトや、スイートコーンやナス、里芋ショウガや、そのほかにもいろいろ育てていましたが、どれもこれも夏の暑さで枯れたりろくに成長しなかったりと、ひどい有様でした。
暑さ乾燥に強いとされているサツマイモやオクラですら、日中は葉がぐったりと萎れて、しんどそうでした。
その中で唯一、元気だったのが、ゴマでした。
私は毎年ではないですが、大体一年毎、たまに一年間をあけて、ゴマを育てています。
最近はゴマを作っている人もかなり少ない状況ですが、私の中では、ゴマは定番の家庭菜園の一つとなっています。ぜひ皆さんにも、おすすめしたい野菜です。
ゴマがなぜおすすめなのか理由を説明しますね。
ゴマがおすすめの理由はいろいろありますが、一番の理由は、暑さと乾燥にとにかく強いのがいいですね。
他の野菜は枯れたりぐったりしていても、ゴマだけは暑さ乾燥にめげず、ぐんぐんと育っていきます。
猛暑が当たり前になった今日、ゴマだけが安心して育てられます。
あと、ぐんぐん育つ様子が見た目にも楽しんですよね。
暑い中でもどんどん大きくなり、芯を止めなかったら最終的に背丈を超える高さになります。
他のお野菜と比べて、暑さに負けずすくすく育つので、面白くなります。
二つ目の理由が、移植しやすいことです。
ゴマの種は小さくて、種まきのときは不安になるかもしれませんが、心配ないです。
ゴマは移植に強く、高さ10㎝ぐらいなら、ほぼ間違いなく移植ができます。高さ20㎝ぐらいになっていても移植後数日は萎れますが、根付いてくれます。
ゴマは穴一つに一本になるように間引きしますので、発芽しなかったところに間引き移植すると、スペースを余すところなく、ゴマを育てることができます。
3つ目の良いところは、収穫したゴマを来年以降、種まきに使えることです。
ゴマは種のところを収穫して食べます。
ゴマの種子の寿命は長く、数年前に収穫したゴマは冷蔵庫に入れて置くだけでも問題なく発芽するので、一度ゴマを作ったら、後はもうゴマの種を買わなくていいのが嬉しいです。
4つ目のいい点が、種まきから収穫までが約100日と短い期間でできることです。
ゴマは種まきから約5日で発芽して、そこから40日ぐらいで花が咲き、それから45日ぐらいで収穫できます。
収穫の目安は下の方の莢が割れ始めるときですが、それがだいたい種まきから90日から100日ぐらいです。
私の場合は、ニンニクとゴマを輪作していて、5月中下旬にニンニクを収穫した後、5月末・6月頭にゴマを続けてまきます。そして9月上中旬にゴマを収穫して、10月頭にニンニクを植えます。
種まきから収穫まで100日で完結するゴマはニンニクの間にピタッと収まるので、私の中では、ニンニクと相性のいい野菜になっています。
今紹介したことが、私がゴマ栽培をお勧めする理由です。
- 夏の酷い暑さや乾燥にも強く、ぐんぐん育つこと
- 移植しやすく、畑のスペースを埋められること
- 種子の寿命が長く、収穫した種は来年以降も種まきに使えること
- 100日間で収穫できるので、夏の間に完結できること
ゴマはとにかく育てやすいので、おすすめです。
とくに私の場合、土を耕さない不耕起で野菜を育てますが、ゴマも不耕起で問題なく育ちます。
私にとって、ゴマとニンニクは一年を通してセットで育てられるものなんですが、どちらも不耕起で育っています。
土を耕して育てるのが普通の育て方になるんでしょうが、耕さなくても、ゴマとニンニクは私の場合は上手く育つので、そういう点で、私にとってゴマは相性のいい野菜なんだなあと思っています。
さてゴマは育てやすく、ぜひみなさんも作ってみて欲しいのですが、もちろん注意点、気にしておくこともあります。
それも紹介しますね。
一つ目は、カメムシがとにかくたくさん来ます。
ゴマにはゴマを枯らす致命的な害虫や病気は発生しにくいと思いますが、カメムシがよく来ます。
別にカメムシが来ても、取れる量が少し減るくらいなので、家庭菜園で楽しむのであれば気にする必要もほとんどないと思いますが、とにかくいろんな種類のカメムシがたくさんやって来ることだけ覚えていたらいいと思います。
二つ目はゴマにかけるお薬はあまりないことです。
ゴマは種を食べるため、厳密には野菜に分類されないそうです。なので、野菜全般にかけられる農薬がかけられなかったりするので、その点は注意です。
ただ、ゴマはお薬をかけなくても、問題なく収穫できるので、私は今までに農薬をゴマに使ったことはないです。
3つ目は、大風に弱いことです。
私の住む香川県は、自然災害が少なく、台風の被害もあまりないですが、それでも年によっては大風が吹いて、ゴマを倒してしまいます。
ゴマは背丈が高く、強い風が吹くと倒れる可能性があるので、台風がよく通る所にお住いの人は注意が必要です。
私の場合は、顔の高さくらいで芯を止めて高さを抑えていますが、高さをぐんぐん伸ばしたい人は、周りを紐で囲ってあげたりして、大風に備える必要があると思います。
強い風が吹く地域の方はちょっと注意が必要です。
4番目の注意点は、取れる量はそんなに多くないことです。
仮に1m×5mの面積でゴマを育てたとすると、取れるゴマの量は1キログラムないと思います。
栽培面積のわりに、山ほどとれるわけではないので、初めて作った場合、あまり取れないなあとがっくりするかもしれません。
でも一キログラムもあったら、食べるには十分な量だと思いますよ。
それで最後5番目の注意点。これが一番大事なことですが、ゴマは収穫した後が大変です。
ゴマを育てるのはとにかく簡単なんですが、収穫した後、およそ2週間乾燥させて、ふるってゴマの種を落として、そこからゴマとゴミをより分けなければなりません。
乾燥させるためにはある程度のスペースが必要なのと、ゴミを取り除くのに労力がいります。
これがゴマを作りたくなくなる理由の一番大きな理由だと思います。
ゴマは収穫してすぐに食べられるわけではなく、乾燥とゴマのふるい落としとゴミ取りの過程があるので、それがめんどうなのが注意点です。
さて、今回はわたしのおすすめのお野菜、よく育ち簡単に作れるゴマについて紹介しました。
家庭菜園では夏の間、100日間でさっと作れて、他の植物が萎れるほどの暑さ乾燥の中でもぐんぐん育つゴマは、作って楽しい野菜なので、6789月と、畑の空きスペースがあればチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
50年以上昔は、私の住んでいる周りでは、皆さん作っていたそうで、私が畑でゴマを育てていると、懐かしいなあと散歩している人からよく声をかけていただきます。
家で作ったゴマは食べる時に食べる分だけ煎るので、炒りたての香ばしいゴマの香りが楽しめるので、やっぱりお店で買ったゴマとは一味違います。
収穫後のゴマの選別は大変ですが、それでも一度はゴマを育ててみてはどうでしょうか。
今回は私の趣味の家庭菜園から、ゴマはおすすめですよというお話をしました。
- 5月中下旬ニンニクを収穫ニンニクの後に続けて育てる 
- 5月末・6月頭ゴマの種まき株間・条間15~20㎝になるように種をまく 一穴当たり、5~10粒くらいまく 
- 高さ20㎝までに間引きと移植高さが10㎝くらいまでに間引きし、一穴一本にする - 10㎝ぐらいなら、間引き移植が問題なくできる
- 20㎝になると、間引き移植できないことがある
 
- 種まき後
 約45日花が咲く- 土寄せはしなくてもいい
- 葉の色がよくなければ少し追肥する
- 大風が吹くなら倒伏防止の紐を張ること
- 私は顔の高さになったら摘芯をする
 
- 9月上中旬
 種まき後
 約90日ゴマの収穫下の方の莢が3~10くらい茶色くなり裂けてきたら収穫目安(だいたい種まき後90日から100日) 収穫が遅れると、畑で種がこぼれていくので、ある程度の株が収穫目安の状態になったら、畝全体を収穫する 
- 10月頭ニンニクを植えるゴマの跡地にニンニクを植える(私は約15㎝の株間条間にしている) 

 
  
  
  
  

 
       
       
       
      