秘仏なぜ隠す.ラジオ#194

第194回目のラジオ配信。「秘仏」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ「秘仏」内容まとめ
  • 秘仏とは、非公開・姿を隠された仏像ということ
  • 浄土真宗では仏様を秘仏扱いにする寺は少ない
  • 隠すような存在にする必要がないから
  • 尊い仏様のお姿を拝むことができないのは、もったいないなあと思う
  • 手を合わす信仰の対象が目に見えるのは大事
  • 秘仏は節目の年に公開されることもある

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。

今回は秘仏について話していきます。

2023年は真言宗の宗祖弘法大師空海の誕生1250年の節目の年です。

香川県の善通寺市には真言宗善通寺派の総本山もあり、今年は真言宗のお寺では各種いろんなイベントがあったりします。

例えば秘仏の公開というのがあります。

今年の春のニュースでありましたが、善通寺にある四国霊場73番札所の出釈迦寺では、寺の住職ですら見たことがなかった仏像・秘仏を初めて公開したそうです。

仏像が作られてから300年以上、一度も人目に触れることがなかった仏像で、今後の公開も今年を除いて予定にないというとっても珍しい存在の仏像です。

さて今回のお話は秘仏についてです。

秘仏の秘は、秘密の秘と同じで漢字で、「のぎへん」に必「ひつ・かならず」というパーツでできている文字で、辞書によると意味としては隠して内容が知られてないようにするとか、人知では知りがたいほど奥深いものといった意味のようです。

秘仏というのは、非公開・公に姿を隠された仏像ということです。

さてそれで、なんで秘仏というのがあるのかということなんですが、浄土真宗のお坊さんの私にはいまいち理由がわかりません。

浄土真宗では仏さまを隠すような存在にする理由がないので、秘仏にしているお寺というのはほとんどないと思います。

浄土真宗では拝観料をとらない寺も多くあり、どなたでも気軽にご自由にご本尊様、阿弥陀様に手を合わすことができ、わざわざお参りの方々にその仏様の尊いお姿を隠す必要は私はないと思うわけなんですよね。

ただそうは言っても、中には秘仏となっている阿弥陀様の寺ももちろんあります。

おそらく一番有名なお寺でしたら、信州長野の善光寺があります。

日本で一番古い仏像と伝えられている一光三尊阿弥陀如来の阿弥陀様の仏像で、1000年以上もの間、誰も見たことがないという絶対秘仏の仏様です。もちろん写真も絵もありません。

世の中には他にも絶対秘仏と言われる、誰の目にも触れたことがない仏像がありますが、誰も見たことがないと言われると、ほんとうにそんな仏像が存在するのかなあという疑いを持ってしまうのは私だけでしょうか。

ちなみにそういう絶対秘仏のようなお寺でも、お前立の本尊というのが用意されていて、お参りの人たちに絶対秘仏の仏像はこのようなお姿をしているんですよと分かるように、安置されていたりします。

しかしこのお前立ですら、秘仏のような扱いで、普段は非公開のこともあります。

ただの浄土真宗のお坊さんの私からすれば、なんで仏像を隠すような秘仏にするのかさっぱり分かりませんが、世の中には秘仏扱いの仏像がそこそこあったりします。

秘仏にするのがおかしいとか、悪いとか、そんな意見はないですが、ただ単純に、せっかくお寺にお参りしているのに、その尊い仏様のお姿を拝むことができないのは、もったいないなあと思うわけです。

お寺にお参りして、仏様のお姿を見て手を合わしご仏縁を深めていただけたらなあと思うのは、単純な考えなんでしょうかね。

仏さまを公開しない秘仏にする理由は正直なところ私には分かりませんが、秘仏にすることで、仏さまの神秘性や希少性を高めるというのがひょっとしたらあるのかなあと思います。

人っていうのは不思議なもので、ないと言われると欲しくなるように、普段は見ることができないですよ、珍しいですよ、一生に一度のチャンスですよとか言われると、急にこの機会は逃したらダメだと有難がるんじゃないですかね。

信仰上のなんらかの理由で、秘仏となっているでしょうが、私からすると、仏像はお姿を見ることができるから有難いんだと思います。

もちろん仏教とは、仏様の教え・仏法が大切で、仏像というのは、姿や形のない仏さまを方便の形にしているだけなので、本質的には仏像は公開されていなくてもいいのかもしれません。

ただそうは言っても、やっぱりそのお姿が目に見える方が手を合わせやすいと思います。

とあるお寺さんの集まりのことです。

その会をはじめる前に仏様に手を合わせます。皆様思い思いの方向に手を合わせるのではなく、仏様、手を合わす対象を用意して、それに全員がむかって手を合わせます。

そんな風に、やっぱり仏様のお姿、手を合わす信仰の対象が目に見えるのは私は大事じゃないのかなあと思うわけです。

さて今日の話はちょっとまとまりのない話になりましたかね。

秘仏というのは、お参りの人に見られないように隠された状態になっている仏像のことです。

秘仏となっている仏様は、節目のイベントで見られることもありますが、絶対秘仏のようにこれまでに誰の目にも触れられない仏像もあります。

私個人としては、手を合わせる信仰の対象が目に見えるのは大事なことで、せっかくお寺にお参りに来られているのだから、ご仏縁を深めるためにも、仏像はいつも公開されていてほしいなあと思います。

もちろん秘仏にするのにはそれなりの意味があると思いますので、その秘仏の理由はその秘仏にしているお寺さんに聞いていただけたらなあと思います。

以上で、今回のお話を終えます。

今年は弘法大師空海の誕生1250年の節目の年で、秘仏を公開しているお寺もあるので、秘仏の公開をきっかけにぜひいろいろお参りしてみてはいかがでしょうか。

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