ほしい物リストより、お線香ありがとうございました

お坊さんの移動方法.ラジオ#203

第203回目のラジオ配信。「移動方法」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ内容まとめ
  • お坊さんの移動は、車が一番多いだろう
  • スクーターや自転車のイメージもあるかもしれないが、実は少ない。
  • 風を受け、衣がはためき、不格好だからだ
  • 車はお供えのお流れなど、荷物を運べるから便利だ
  • 電車や飛行機といった乗り物で移動する時は、衣ではなくスーツを着ていたりする

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいるお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。

今回は、お坊さんの移動方法について雑談していきます。

さて、このお話の録音は、秋のお彼岸ごろにしています。

秋のお彼岸といえば、毎年のように交通安全週間が開催されますよね。

秋の日はつるべ落としと言われるように、日が暮れるのが早く感じられます。夕方6時は、もう薄暗くなりましたよね。

私のお寺、円龍寺の周りでは、夕方頃になると、散歩をされている方が何組もいらっしゃるのですが、夏のときと同じ感覚のままだと、暗い中歩くことになります。

暗くなると、歩行者は車や自転車を運転している人に気がつきにくくなって、事故にあいやすくなります。

これからの日没が早くなる時期は、歩行者も自転車も車もお互いに事故を起こさないように気をつけないといけないですね。

実際、統計によると、交通死者数の割合では、車を運転している人よりも歩行者の方が死者の割合が多いですし、交通事故全体だと、自転車の事故の割合が増えてきています。

秋のお彼岸を過ぎると、夕暮れがどんどん早くなります。

これから寒くなるにつれて、ますます交通安全意識を持たないといけないですね。

さて、それはさておき、今回はお坊さんの移動方法について雑談をしていきます。

皆さんは、お坊さんの移動方法として、何を思い浮かべますか?お参りに行く際のことですよ。

おそらく一番多いのは車だと思います。

車の他には、スクーターやバイク、あるいは、自転車を思い浮かべるでしょうか。

中には、歩いてお参りにくるのもあるでしょうか。

あんまり電車に乗ったり、タクシーに乗ったりするのはイメージしにくいでしょうか?

香川県は車社会だと言われているので、香川に住んでいる人からすると車での移動は当たり前の感覚です。

実際、私の目から見ても、香川にいるお坊さんのほとんどは、車で移動してお参りに行っていると思います。

香川県は小さい県であり、それでいて道路の舗装率も全国トップクラスで、車さえあれば、どこにでも移動できる便利さがあります。

車を止める場所もそれなりにあります。

そんなわけで、お坊さんも車で移動するのが当たり前のような感じになっています。

ただし、いつでもどんな場合でも、車で移動しているわけではありません。

お寺のお坊さんのお参り先は、多くの場合、檀家さん、ご門徒さんの家です。

檀家さん、ご門徒さんの家は、お寺の周り、同じ町内にあるというケースも珍しくありません。

ほんの100メートル先、200メートル先にお参りに行くというケースもよくあります。

そんなお寺の近くにお参りに行く場合は、徒歩で、歩いて行くというケースもあります。

私自身もお寺の近くのお参りの場合、なるべく歩いてお参りするように心がけています。

ただ、スケジュールをたてるとき、スムーズにご門徒さんの家を続けてお参りできるようにと、こちらの家は朝9時から、続けてこちらは10時から、続けて11時からと、お参りが連続するように組み立てていきます。

そうすると、続けてお参りする事を考えると、移動のスムーズさから、近くであっても最初っからすべて車で移動するということになります。

今の時代は、お坊さんのお参りも時間厳守となっているので、車の方が移動時間が短いので、少しでも長くお参りすることができます。

お坊さんの私もできるだけ長くお参りしたいので、移動の時間を減らせる車がたいへん便利な移動方法となっています。

また別の理由もあって、香川以外の場所、とくに東京や大阪のような都会ではわかりませんが、私のいる香川の地方の場合、お坊さんの行くお参りでは、仏様へのお供えのお流れというのをいただくことがあります。

お供えのお流れというのは、ひょっとしたらここらへんの言葉で全国的な表現ではないかもしれませんが、要は、仏様、仏壇にお供えしたものを施主がお参りの人に分け合って、お持ち帰り頂くという風習のことです。

祥月命日にしても年忌法事にしてもお葬式にしても、お仏壇には果物やお菓子などをお供えしますよね。

それをお供えのお流れということで、お坊さんの私もいただいて持ち帰ります。

また、家によっては、畑でとれたお野菜だとか、庭でとれた果物といった具合に、おすそ分け、お寺の仏様にお供えくださいといった具合に、施しを受けることもあります。

都会ではどうかはわかりませんが、地方だと、そういったケースもあるので、お供えのお流れ・お下がりを積める車が、お参りのさい大変便利です。

歩いてお参りに来た場合、持ち帰りの品を用意していたご門徒さんも、どうしようかと困ってしまいます。

そんなわけでお坊さんの移動方法には、車が便利だというわけです。

もちろん近くのお参りで、後に時間の余裕があれば、歩いたりすることもあります。

それと、私は乗りませんが、自転車でお参りするお坊さんも少ないですがいます。

自転車だと、歩くよりも移動範囲が広くなり、その自転車に乗っているお坊さんを見ると、2・3キロ先でも使っているようです。

ただ私は自転車は使わないつもりです。

というのも、お坊さんの服装は着物、和服に分類されるように、洋服とは違います。

自転車やバイクのようにまたがって乗るのは、苦手です。

車の場合は、腰を下ろす、腰かけているだけなので、着物であっても全く問題なく、運転に支障はないのですが、自転車やバイクのようにまたがる乗り物はあまり得意ではありません。

もちろんフレームが低く着物でも乗りやすい降りやすい自転車はあります。ですが、他にも問題があります。

お坊さんの袂は広いつくりになっています。

すると、自転車のような全身に風を受けやすい移動方法だと、袂が膨らんで不格好になります。

自転車やバイクに乗って、バタバタと布がはためくお坊さんをあまり見たくないでしょう。

そういった理由でも自転車、バイクに乗っているお坊さんはそんなに多くないんだと思います。

それと最後に、電車についてちょっと触れておきます。

香川ではお坊さんが電車に乗ってお参りするケースはほとんどないと思います。

場合としては、県外といった遠方にお参りする時です。

そういったときには、電車の他、飛行機を使うこともあります。

それであんまり衣を着たお坊さんを電車や飛行機で見ないかというと、そういった長距離移動をする場合は、お坊さんはお坊さんの格好をしていないことが考えられます。

長距離の場合、お坊さんもスーツといった服装で電車や飛行機に乗って、それでお参り先についてから、着替え用の部屋をかりて、衣に着替えます。

そういったわけで、都会でもあんまり電車でお坊さんの姿を見かけないのは、移動中はお坊さんの格好をしていないというお坊さんもいるからだと思います。

以上、お坊さんの移動についての短い雑談でした。

それともう一つ雑談として、ここ最近、2021年頃から電動キックボードが新しい移動方法として注目を浴びているようですね。

ただ、それなりの速度が出るのに、歩道を走れたり、ヘルメットの着用があいまいだったりと、道路の舗装、完全に平坦な道ばかりではないと、電動キックボードの危険性も無視できない状態となっています。

実はここだけの話、私はずっと前から、電動ではない足でけるタイプのキックボードでお参りできないかなあと考えていたことがあります。

そもそもキックボードは跨ぐのではなく、立って乗る乗り物なので、衣を着ている人も問題なく乗れます。

また移動の力は足で蹴る方法なので、速度もほとんどでません。段差があれば止まって降りて、乗りこえることもできます。

そんなわけで、車で行くには近すぎて、それでいて歩くよりも楽にお参りできるであろう、キックボードを使えないかと、だいぶ前から検討していたことがあります。

ただ実際には、このキックボードでのお参りは一度もしたことはありませんし、これからもしないです。

理由は単純で、電動でないキックボード、足でけるタイプのキックボードというのは遊具、つまり遊ぶ道具扱いとなっているので、一般道路は走れない法律になっているからです。

これはキックボードの他、ローラースケートやスケートボードも同じく遊具扱いであり、道路で乗って移動することはできません。

そういったわけで、足でけるタイプのキックボードで、近くのお参りにいけたら便利だろなあと考えた時期もあった訳ですが、法律上できないので、これからも私は歩くか、車に乗ってお参りをしていきます。

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お供えのお流れとは?

お供えのお流れ

祥月命日や年忌法事、お葬式といった仏事では、お仏壇には果物やお菓子などをお供えしますよね。

仏事が終わると、施主はそのお供え物を下げて、参列者に分け合って持ち帰っていただきます。

それを「お供えのお流れ(おながれ)」といいます。

ひょっとしたら、「お供えのお下がり」という表現の方が全国的かもしれませんね。

「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。



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