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第206回目のラジオ配信。「銀杏」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをする音声配信です。
2023年の今年も夏が暑かったですね。
10月になっても中々涼しくならず、秋が来ないんじゃないのかと思っていたほどです。
毎年秋のお彼岸頃、9月の23日頃は周りでは彼岸花が咲き誇るはずなんですが、今年は全然咲いていませんでした。
10月になってからようやく咲くぐらいで、10月22日頃の今でもまだ彼岸花の花殻が見えるほどです。
さて、暑かった今年はお彼岸の風物詩がちょっとズレてしまったようですが、銀杏の実はあまり変わらず今年も落ちているような気がします。
お寺といえば、銀杏(ぎんなん・いちょう)ですよね。
私のところの寺、円龍寺にもあって、本堂と並ぶくらいの高さ10m近く伸びています。
毎年9月半ば頃から銀杏の実が落ちてくるのですが、今年はほんの少しだけ遅い気がします。
暑かった今年は、10月の中旬が実が落ちるのが最盛期でした。
お寺に銀杏の木がある理由は、以前、ブログ記事で紹介しているので、ここでは割愛しますが、その銀杏から落ちる実は、今のこの秋10月ごろの毎年の風物詩にもなっています。
葉が黄色く染まる11月が銀杏の見どころに思えるかもしれませんが、実がたくさん落ちるこの9月10月も銀杏のシーズンと言えると思います。
ただし銀杏並木で有名な、例えば東京の明治神宮外苑や大阪の御堂筋、京都の堀川通では、この時期に行ってもあまり実が落ちていないかもしれません。
というのも銀杏の木は、雄と雌の木に分かれていて、銀杏並木で有名な場所では、なるべく雌の木を減らして、雄の木だけになるように調整しているからです。
しかしお寺とかに古くからある銀杏の木は、雄や雌とかそんなの気にせずあるので、雌の銀杏のある寺では、この9月10月は大量に実が落ちています。
ご存知の人も多いでしょうが、銀杏の実は強烈な匂いがします。
実を潰さなければそこまで臭わないんですが、銀杏の木の下にはたくさんの実が落ちているので、歩くとどうしても踏んでしまいます。
銀杏の実の匂いはそんなに好かれないですし、靴にもその匂いや汁が移ってしまいそうなので、あんまり銀杏並木のような観光目的の場所には、実のつく雌の木は植えられないんですよね。
私のとこの円龍寺では毎日たくさん落ちてきます。
なので、お参りに来た人が踏まないようにと、ほうきで掃いておきます。
ですが、本当にこの時期はたくさん落ちるので、朝に掃いても昼にはそれなりに落ちて、昼にはいても夕方にはそれなりに落ちています。
銀杏はお寺のシンボルツリーのようなものですが、毎日毎日掃く必要があるのはたいへんなところです。
ちなみに私の所の寺では、参道に落ちた銀杏の実はお参りの人が踏まないようにとほうきで掃くわけなんですが、掃いたその実は、回収せずに銀杏の株もととかにためています。
その理由は銀杏の実を取りに来られる人がいるからです。
銀杏の実は栄養豊富ですし、美味しいです。
それでいてスーパーで買おうと思ったらけっこうなお値段がします。
なので、この時期は銀杏の実を拾いに来る人がいます。
そういったわけで私の寺では銀杏の実は、しばらくは回収せずに置いておくというわけです。
この9月10月に円龍寺で法事などのお勤めをしますと、お参りの人の中からは、銀杏を拾って持って帰ってもいいですかと聞かれることもあります。
もちろんいいですよ。
そのために、実を回収せずに避けています。
ただし注意点があって、銀杏の実はかぶれます。
銀杏の実を触る時は必ず素手で直接触らないように、軍手とかをしなければなりません。
小さなお子さんは手がかぶれることを知らないでしょうから、お寺にお参りに来られる時は、銀杏の実に触らないように注意してくださいませ。
以上で今回はお寺の銀杏の木についての短いお話をしました。
円龍寺の銀杏の実は、11月もしばらくは株もとにとらずに置いておく予定なので、必要な方はお持ち帰りください。
ただし、木を揺らしたり、掃き集めた実を散らかしたりするのはやめてくださいませ。
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