Podcast: Play in new window | Download
第158回目のラジオ配信。「仏壇を買う」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川の浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いお話をするラジオです。
先日、仏壇を新しく買う予定の人から相談を受けました。
どんなものを買って、値段はどれくらいで、いつまでに、どこに置くとか、いろんなことを質問されました。
仏壇を新しく買うことは一生涯に一度くらいしかないでしょうから、いろいろ疑問が出てくるのでしょう。
そこで今回は「仏壇を買うときのこと」をテーマに雑談していきます。
さて、仏壇はいつ買い求めたらいいのでしょうか。
昔からの迷信で、なんでもないときに仏壇を買うと死人が出るというものがあるらしいです。
浄土真宗では、仏壇とは、私たちを救ってくださる阿弥陀様を安置し、阿弥陀様のお浄土を表わしたものなので、仏さまの慈悲に照らされるものです。
ですので、仏壇があるから死人が出るわけでも、縁起が悪いとかそんなものはないので、いつでも買い求めていただいてOKです。
ただそうはいっても、多くの家では、家族の誰かが亡くなったときに初めて仏壇を買い求めると思います。
そういう時は、49日の法要、満中陰の法要までに仏壇を新しく用意していただけたらと思います。
49日までは亡くなられた方のお骨やお写真は中陰壇と呼ばれる棚に置きますので、その49日が終わるくらいまでには、仏壇を新しくご用意いただけたらと思います。
さてそれで、新しく仏壇を買い求める訳ですが、買う場所は仏壇仏具店です。
おそらくどの地域にも一店舗はあると思います。
インターネットの通販でも買えるようですが、実際にお店に行く方がいいでしょう。
理由は、お仏壇のサイズ感や設置する時の仏壇仏具の飾りつけのサービスなどは、地元の仏壇仏具店が間違いないからです。
アフターサービスがすぐに必要になることはないでしょうが、将来、仏壇を買い替える時や、仏壇仏具の部分直し、メンテナンスしてもらうときにも、近くのお店で購入していた方が間違いはないです。
さてそれで、お仏壇を新しく買うにあたって、お仏壇はどこに置けばいいでしょうか。
浄土真宗の場合は、阿弥陀様のお浄土のことを西方極楽浄土といいますので、西に向かって拝むのがいいとされますが、住宅事情で無理なこともあるでしょう。
ですので、西に仏壇を置くことにこだわる必要はないです。北でも東でも南でもいいです。
また1階でも2階でも、何階に置いても大丈夫です。
神棚の場合、神棚の上には何もないですよとか、神棚の上を人がいることが失礼に当たらないようにと、「雲」という文字を天井に貼るようですが、仏壇の場合は気にする必要はないです。
仏壇を置く場所について、もう一点補足します。
元々家庭で仏壇を置く場合、床の間が仏様、ご本尊を安置する場所だったそうです。
現在では仏壇がない家でも、その名残として、生け花や香炉を床の間にお飾りするという習慣が残っているわけです。
そういうわけで、後から仏壇を設ける場合、床の間に仏壇を置くことをおすすめします。
あまりおすすめしないのが、誰それの部屋の中という風に、個々人の部屋の中にしまい込むのはよくないです。
個人の部屋に置くと、他の人みんながお参りしにくくなります。
仏壇は家庭での信仰の場、手を合わす場ですので、だれもが気兼ねなくお参りできる場所におくのがいいです。
ですので、最近で言えば、リビングに置いてもいいでしょう。
仏壇を置く場所が決まったら、仏壇仏具店に行くのですが、その前に大きさを確認しておきましょう。
単純に仏壇が大きくなればなるほど仏壇の値段は高くなります。
最近ではコンパクトなサイズのお仏壇。床や畳に置くのではなく、棚の上に重ねて置くタイプというのもあります。
大きくないと駄目というわけでないので、予算に無理のない程度で決めていただけたらいいと思います。
大きいサイズの仏壇の場合のメリットとしては、お花やおロウソクやお供え物などをお飾りする時に、ぎゅうぎゅう詰めになりにくく見た目にも余裕ができてキレイに見えることですね。
棚の上に置くような小さいサイズの仏壇は、10万円以下、安いものだと5万円程度のものもあるでしょう。
どっちにしても大きくても小さくても、それはどちらでも買う人のお任せです。
それと横幅のサイズは注意しておきましょう。
たいていの仏壇には扉がついています。扉を開くときのスペースが必要になるかもしれないので、仏壇の横幅のサイズは、扉を無理なく開けられるように余裕を持っておきましょう。
続けて仏壇のデザインについてです。
仏教宗派によっては、厳密な宗派のデザインがあるかもしれませんが、浄土真宗の場合はほとんど気にする必要がないでしょう。
浄土真宗だから金色の仏壇じゃないと絶対駄目とかそんなわけはないです。
最近ではリビングルームに馴染みやすい、家具のような仏壇、モダンなデザインの仏壇もありますので、扉を開いた状態、閉じた状態を実際に見て、仏壇仏具店で選んでいただけたらと思います。
ただし仏壇仏具店のお店の人は、最初に、どこの宗派かを聞いてきます。
デザインにこだわる必要はないといいながらも、伝統的な形の仏壇になると、やっぱりこの宗派の仏壇はこのデザインがふさわしいとかありますし、仏具の装飾や仏具の配置、飾りつけのアドバイスもありますので、仏壇を買いに行く際には、事前にどの宗派の仏壇を求めるのか確認しておきましょう。
仏壇を新しく買うことが決まりましたら、実店舗の場合は、配達日を決めて、仏壇仏具店の人が設置してくれて、場合によっては倒れない措置もしてくれるでしょう。
配達日、つまり仏壇を迎える日ですが、浄土真宗の場合は、いつでもOKです。買うのが決まり次第、そのまま早いうちに家に迎えていただいてOKです。
他の仏教宗派はわかりませんが、浄土真宗は日の良し悪しを選びませんので、六曜の大安吉日でなくても、お彼岸やお盆とか、そんなのにこだわる必要はないです。
買う仏壇が決まりましたら、お早めに仏壇をお迎えしてください。
それと大切なことが二つあります。
仏壇を新しく迎える際には、入仏法要というのをします。他の仏教宗派では、性根入れともいうらしいです。
浄土真宗の入仏法要とは、仏壇やお墓を新しくしたときにするものです。
このお勤めは、仏壇の仏さまに魂を入れるとか、亡き人の魂をここに入れるとかそういったものではなくて、お仏壇を迎え、家の中でお参りさせていただく場所ができたこと、そのことを共によろこび、仏さまの徳を讃えるといった一番最初の大事なお勤めです。
ですので、お寺の人と相談して、仏壇を設置する日、あるいはその翌日にでも、さっそく入仏の法要をします。
お時間はだいたい20・30分くらいです。
もう一つの大切なことは、仏壇正面に安置する仏さまは、宗派の本山のお寺からいただきましょう。
仏壇仏具店は、仏壇と仏具を買うところです。
仏壇は仏さまを安置する場所であり、その仏壇の中心となる仏様、ご本尊は宗派の本山からいただきます。
本山に直接ご連絡いただいても大丈夫ですが、お手つぎの寺・檀那寺があれば、そこを通して連絡いただけたら大きさや金額も含めて、スムーズに仏さまを求められると思います。
仏壇を購入する際に、仏さまもセットになって付いていることもあります。
しかし浄土真宗の場合は、仏さま・ご本尊は本山からいただきます。
信仰の対象となる仏さまのことを、ご本尊と言います。
本尊とは本当に尊い仏様の意味ですので、そのご本尊をまつっている本山から仏さまを賜わります。
お値段は仏壇仏具店で買うよりも少しするでしょうが、その分、作りはしっかりとした立派なものです。
また本山からたまわる本尊の掛け軸の裏には、裏書というものがあります。
これは本山からただしく送られた仏さまだという証しであり、ご本山ご門主の印や文字があり、また「方便方身尊像」という文字も書かれ、このご本尊は教えにもとづいたお姿の仏様ですよという本山のお墨付きがついています。
仏さまを安置する仏壇、お飾りする仏具は、仏壇仏具店で求める。そして仏壇の中心に安置する仏様、ご本尊は宗派の本山よりいただく。このことに注意してくださいませ。
ですので、仏壇を仏壇屋さんからお届けいただくときは、寺に入仏のお勤めをすることと、本山からご本尊の仏さまを求めるように相談してください。
以上で、仏壇を新しく買うときのこと、注意点などをお話しました。
仏壇のお飾りについては、入仏の法要のときに合わせてお寺さんに質問していただけたらいいと思います。
もちろん、仏壇仏具店でもいいと思います。
「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。