僧侶のかっけいです。
春4月は桜の季節です。3月にはお彼岸もあり、この時期には各寺院で、春の法要が営まれています。
浄土真宗寺院ではこの春の法要時期に合わせて、親鸞聖人やお釈迦さまの誕生をよろこぶお勤めもしています。それは誕生日が春4月だからです。
意外にも、春に生まれている有名なお坊さんて結構多いので、代表的なお坊さんの誕生日を紹介します。
仏教は誕生日を祝うのか。前置き
仏教というと、死や先祖供養のイメージがあるのか、「命日を重視しているんじゃないの?」と思われるかもしれません。
いえいえ、仏教は誕生日も大切にしています。
特に代表的なのが、仏教開祖のお釈迦さまの誕生日法要である『花まつり』ですね。どの仏教宗派でもお釈迦さまの誕生をお祝いします。
それはお釈迦さまだけがただ尊いという意味ではありません。仏祖や祖師や先師高僧らの遺徳を偲ぶなかに、私たちひとりひとりの「いのち」が誰にも代わることのできない、それぞれ「かけがえのないもの」であることを教えていただくのです。
命日の法要も大切です。また誕生の日の法要も大切なのです。
仏教で有名なお坊さんの誕生日一覧
有名なお坊さんは、私が勝手に選んだ人たちです。また誕生日も代表的な日を選んでいます。
- お釈迦さま(仏教開祖):4月8日
- 聖徳太子(倭国の教主):1月1日
- 空海(真言宗開祖):6月15日
- 最澄(天台宗開祖):8月18日
- 日蓮(法華宗開祖):2月16日
- 道元(曹洞宗開祖):1月2日
- 栄西(臨済宗開祖):4月20日
- 法然(浄土宗開祖):4月7日
- 親鸞(浄土真宗開祖):4月1日
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昔の人物の誕生日は不詳がほとんど
上で、有名なお坊さんの誕生日をあげました。けっこう春生まれのお坊さんがおおいでしょう。
宗派によって旧暦・新暦と誕生日が違うこともありますし、誕生日が違うこともあります。
ですので、上で紹介した誕生日は一例です。
特に昔の人物の誕生日や生年は不詳であることがほとんどですので、誕生日は後世の人が伝記として記した書物や、伝承として伝わっている月日が使われています。
蓮如上人(2月25日)といった室町時代くらいの人物になると、正確な誕生日が残っていることもあります。
お釈迦さま誕生日の4月8日は、根拠はまったくありませんよ。
他にも例えば、親鸞の4月1日も、真宗高田派の僧侶が江戸時代に編纂した書物の中に、4月朔日と書かれているからです。お釈迦さまの命日の翌日である日蓮の2月16日も、死後50年ほど後に伝記として書かれたからです。
空海の誕生日が6月15日なのも、中国密教の大成者の不空の命日の日であり、その生まれ変わりとしているからとされています。
そんな話をきいて、「誕生日の仏教法要っていい加減なんだ」と思わないでください。
仏教はその日が大切というのではなく、祖師や高僧らの誕生の日をお祝いするなかで、その人とのつながりをよろこび、仏法とのご縁に感謝していくのです。
誕生日をありがたがるのではなく、誕生日のご恩をよろこび、先人らがよろこんできた仏法を受け継いでいくのです。