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プロフィール顔ブログ70px釋克啓/かっけい
香川県,丸亀市
円龍寺若坊,28歳

浄土真宗では仏壇のお参りの時に「おりん」を鳴らさないよ。

投稿日:2016年12月6日 更新日:

こんばんは。  真宗僧侶のかっけいです。

おりん(鈴)

法事に行きますと、皆様まず一番にお仏壇に手を合わしに行きますね。

この時真宗僧侶にとって不思議なのが、みなさんあの「おりん(鈴)」を鳴らそうとする人が多いんですね。体感で8割くらいの人が鳴らすんですね。

理由を聞くと何となくということです。

真宗(浄土真宗)ではむやみやたらに「おりん(鈴)」は鳴らさないのです。

おりん(鈴)を鳴らす人の理由

  • 仏様(故人)に「お参りにきましたよ~」っていう挨拶。
  • 亡くなった人に「浄土に無事に行ってくれよ~」っていう挨拶。
  • 前の人が鳴らしたし、自分もとりあえず鳴らしとくかの人。
  • 手を合わすときにはしないといけないと思っている人。

おりん(鈴)を鳴らす人の意見を聞くとこういう答えが多かったです。

で、どなたに教えてもらったのかを聞くと、よくわからないそうです。

神社の拝殿にある鈴(鈴緒)と同じ感覚で鳴らしている人もいるそうです。

神社拝殿の鈴

神社の鈴は参拝の際、必ず鳴らしますね。あれは神様を呼んだり、自身の邪気を払ったり、神様の加護を受けるためにするそうです。鈴のない神社は手で大きな音を出しますよね。神様に気づいてもらうために。

 

これらの理由を聞くと、どうやら仏壇の「おりん(鈴)」を鳴らさないと仏様に気づいてもらえないと考えている人が多そうです。

おりん(鈴)は鳴らした時の響きが非常に素晴らしくつい鈴棒(りんぼう)で叩きたくなってしまうのですが、浄土真宗的には間違いになってしまいます

おりん(鈴)は仏様に気づいてもらうためではない。

おりん(鈴)というのは、その音が浄土にまで届いて仏様の耳に届き、邪気を払ってくれるという人がいます。

あなたが思っているのなら、あなたにはそうなんでしょうが、「おりん(鈴)」にはそのような意味はありませんし、仏様はこちらがアクションしないと気づかないような存在ではないんですよ。

仏様は大慈大悲の心をもっている。

なぜ仏様を振り向かせるように音を鳴らさなくてもよいのか。

それは仏様というのは常に大慈(だいじ)大悲(だいひ)の心を持っているからです。

神様というのは人智を越えた対象としての敬いをもつ存在であり、神様を信じている人はその利益・加護をいただこうと拝んだりします。

仏様というのは、こちらが仏様に対して願うのではなく、すでに仏様の方から願われているのだということ。仏様は私たちを救わずにはおられないという心を持っており、だから私たちはその願いに気づき手を合わしているのです。

「おりん(鈴)」を鳴らさなくてもすでに仏様はこちらを見ています

真宗では、おりん(鈴)をいつ鳴らすのか。

 

お勤め(読経)の冒頭・途中・最後だけです。

 

浄土真宗ではこの時以外には絶対に鳴らしません。

おりん(鈴)はお勤めを始める合図・終わりの合図であります。

また声を出すときの音の高さの目安になっています

ですので手を合わせるためや、仏様や故人に知らせるためではないです。

読経でおりん(鈴)を鳴らすところを知るには

鳴らすところが分からなくてもきちんとお経本には目印があります。

鈴を鳴らす目安

赤く囲ったところに●●がありますね。

つまりこの場所でおりんを2回鳴らすということです。

鈴を鳴らす位置

もう一例をあげますね。

一番右端のところ「忍終不悔」のところに「」が一つありますね。
これは先ほどの「光顔巍巍」の最後に当たります。
このお勤めの終わりを示すところに目印「」があるので、「悔」を読んでいるときにおりんを鳴らします。

続けて「南無阿弥陀佛」の1句目の「佛」に「」が一つ。
7句目の「陀」に「」があるのでここでおりんを鳴らします。

そして左のページに「生彼国」に「」が3つあります。
この句でお勤めが終わります。その合図です。

この「生彼国」で3回おりんを鳴らします。

 

よく見ると「」の大きさが違っていますね。

が複数個あるときはその大きさに合わせて鳴らす大きさを変えます。

ですので「生彼国」の「」は音の大きさを
「中・小・大」を打ち分けます。

 

御門徒の皆様がお持ちのお経本では大抵の場合、

お勤めの最初にりん(鈴)を2回、

途中で1回を複数回程度、

最後に3回で終わることが多いと思います。

さいごに

注意していただきたいのが、

これは真宗(浄土真宗)でのおりん(鈴)の作法です。

同じ仏教でも地域や宗派によっては鳴らす場面が異なることがあります。

また皆様がおりん(鈴)だと思っているものでも実は別の仏具であることが多いです。「おりん(鈴)」の他にも「磬(けい)」、「沙張(さはり)」、「伏鉦(ふせがね)」など音を鳴らす仏具は色々とあります。またそれぞれに役割が違います。

 

私の母方の祖母もおりんをよく鳴らします。

おりんの音が亡くなった方を間違いなく「彼の国(浄土)」に導いてくれると信じています。お通夜の時は一昼夜鳴らし続けてお線香もあげています。

真宗とは考え方が異なるのですが、おりんの音がそのような役割を持っていると考えている人もいます。

地域や教えによっては考え方が異なります。

 

ただ私が知っていただきたいのは自分の宗派の作法を知り、自信をもって迷うことなく仏さまにお参りをしていただきたいことです。

お参りの際に不安を持っているとせっかくの仏事で、雑念の方が多くなってしまいますからね。

ですので真宗のお坊さんがお参りに来ているときでも、自信を持って自分のところの作法でお参りをしていただいてオーケーです。

他の宗旨では浄土真宗よりも様々なところで「おりん(鈴)」を鳴らす機会があるそうです。

 

おりん(鈴)の鳴らし方を人に強制しないように心掛けましょうね。

こちらのページでは浄土真宗のお仏壇の飾り方をまとめて紹介しています。

よろしければ見てください。「浄土真宗の仏壇の飾り方を説明

【追記】お盆の前にテレビで「おりんは鳴らさない」との情報が流れたらしい。

私が「浄土真宗ではお仏壇に参ったときに、おりん(お鈴)を鳴らさないですよ」と言っても信じてくれない人が多かったのですが、この前お盆参りに行きますと、「テレビでおりんは鳴らさないことが流れていましたよ。本当だったんですね」と言われました。

私の言うことが信じてもらえないのと同時に、テレビで報じられていることが何でも真実だと思われていることに驚きました。

あくまでも仏様参りの時におりんを鳴らさないのは浄土真宗の考えです。その他の宗派ではひょっとすると鳴らすかもしれません。

ただ仏具で音が鳴るものにはそれぞれに使う用途が決まっています。

例えば、お寺には大きなりんとして「大鏧(だいきん)」と「平鏧(ひらきん)」があります。

お寺のりん。大鏧(だいきん)

お寺のりん。平鏧(ひらきん)

この二つのおりんはお坊さんでもそれほど使い分けを意識しないですが、真宗興正派では作法として、大鏧はお経文一巻を通読するときに用い、平鏧は偈文・小経・観音小経、またはお経文一巻を通読しないときに用いるとされています。

他にも皆さんがお寺にお参りしたときに撞いて帰りたい梵鐘(ぼんしょう)は、法要儀式の日に撞くのが一般的な使い方です。

お寺の梵鐘(ほんしょう)

永代経法要や報恩講法要などのお寺で門信徒や僧侶が集まる当日の朝に撞き、また法要開始の一時間前に撞くようになっています。

また例えば除夜の鐘のように、時を告げるためにも使うことがあります。

他にも例を挙げると、喚鐘(かんしょう)というのもあります。

喚鐘(かんしょう)、別名は半鐘・行事鐘

梵鐘よりも小さいので半鐘(はんしょう)と呼ぶ宗派もありますが、真宗興正派では喚鐘または行事鐘(ぎょうじしょう)と呼びます。

その名の通り、「今からお堂の中で法要儀式が開始しますよ~。お坊さんや参詣者はお堂に入ってください。」と知らせるために鳴らします。

まだまだ例はたくさんありますが、これら一部挙げただけでも音の鳴る仏具にはそれぞれに役割・使いどころがあることがわかっていただけたと思います。

あなたがお仏壇の仏様にお参りしたときにおりんを鳴らす行為は、浄土真宗的には全く使いどころがあっていないのです。

【追記】それでもおリンを鳴らさないと仏様参りしたことにならないという人へ。

さてお仏壇にお参りしますと、「おりんを鳴らさないと、ご先祖様も仏様もこちらに気が付いてくれない。わかってくれない。仏様参りをしたことにならない。」と頑なに言う人がいます。

それは考え方の違いなので、別におりんを鳴らそうが鳴らさまいが、どちらでもよろしいことなのですが、私には一つ疑問があります。

お仏壇にお参りするときにおりんを鳴らす人は、お墓に参る時にもおりんを鳴らしているのですか?

皆さんお墓に参る時にはお仏壇にお参りするときのように、お花・お蝋燭・お線香・お供えを持っていきますが、おりんは持っていきませんよね。

おりんを鳴らさないと参ったことにならないという人はどう説明するのでしょうか。

ちなみにお坊さんの場合は、ただお墓にお参りする場合はおりんを持っていきませんよ。おりんは読経時に使う仏具なので。

お墓でお勤めするときはお坊さんは携帯用のおりんを持参します。

携帯用のおりん。印金(いんきん)とも呼ぶ

この携帯用のおりんは別名印金(いんきん)とも呼ばれています。

おりんに座布団と柄をつけて片手で持ち運べるようになっています。これはお墓などの屋外でお勤めをするときにのみ持ち運んでいます。

私にはお墓におりんを持っている人を見たことがないのですが、おりんを鳴らすことを主張する人はどうしているんですかね。

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