こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。
年末年始は何かと忙しいですよね。
理由はいろいろありますよね。お歳暮の用意。年賀はがきの用意。大掃除。買い出しなどですね。
寺院でも行事が詰まっています。
例えば除夜の鐘や、「除夜会」・「元旦会」・「元日会」・「修正会」がありますね。
さて年末年始はお寺の行事「○○会」が多数ありますが、違いが分かりますでしょうか。
今回はこれらの違いについて紹介します。
法要をする日時が違うだけ。
「○○会」という法要の名前がありますね。
この○○には、法要の時期を表す言葉か、もしくはどのような法要であるかを表す言葉が入ります。
例えば、涅槃会・成道会・灌仏会(花まつり)はお釈迦様の亡くなられた日・悟りを開かれた日・お生まれになった日を祝う法要(法会)です。
また彼岸会は彼岸の時期の、盂蘭盆会はお盆の時期の法要(法会)ですね。
そして今回の除夜会・元旦会・元日会・修正会の4つはすべて、法要をする時期を表しています。
- 除夜会は除夜、つまり大晦日にする法要。
- 元旦会は正月一月一日の朝にする法要。
- 元日会は一年最初の日、つまり正月一日にする法要。
- 修正会は聞きなじみのない言葉でしょう。これは修正月会の略とされています。つまりは一年最初の月にする法要です。
ちなみに修正会は辞書には仏語と掲載されています。一般の人は使わないのかな。
【修正会】(しゅしょうえ)
仏語。毎年正月、諸宗の寺院で修する年始の法会。その年の天下平安、玉体安穏などを祈って読経する。しゅしょう。しゅせい。しゅうせい。しゅせいえ。
日本国語大辞典ー第二版ー
また修正会は正月に行われる法要のことですが、修二会(しゅにえ)や修三会(しゅさんえ)というのも寺院にとってはあります。それぞれ2月・3月に行われる法要の事です。
年末年始はどの法要をしているのか。
基本的に除夜会が年の瀬にお勤めをして一年を振り返り反省しつつ新たな一年を迎える法要のことであり、元旦会・元日会・修正会とはちょっと異なります。
一方この3つの法要は新年を迎えてからする法要であり、意味的にはどれも新年を迎えられた感謝のお勤めであり、これから一年の無事を祈ったり、また新たにお念仏の生活歩むことができることを喜ぶ節目でもあります。ですので、元旦会の法要をしてさらに元日会や修正会をすることは少なく、たいていどれか一つだけをします。
しかし本山のように年始のお参りが多い寺院では、元旦会・元日会・修正会をそれぞれしている場合もあります。
例えば浄土真宗本願寺派本山本願寺は1月1日に元旦会(朝6時)と修正会(朝10時)をしていますね。
年末年始にどの法要をするかは各寺院の判断に任せられています。
ちなみにですが修正会は正月にするお勤めの事ですが、期間は一月いっぱいであったり、正月一週間、正月三が日と期間に決まりはありません。
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さいごに。年始のお参りは神社だけではなくお寺でも。
新年のお参りと言ったら神社へ・神様へというイメージを持たれている人も多いでしょう。
しかしお寺でも新年を迎えたお勤めをしています(末寺ではしていないところもあります)。
日本人の宗教観は曖昧なところがあり、イメージ・印象だけで行動している節があります。
もしも神社にお参りされるのであれば、合わせてお寺にもお参りされてみてはどうでしょうか。わざわざ大きな・有名なお寺に行く必要はありません。地元の行きよいお寺や檀那寺(菩提寺)にお参りいただければなあと思います。