法事の準備はどうする?4点に絞って解説

こんばんは。 真宗僧侶のかっけいです。

法事という仏教儀式に参加される機会が減りつつある現代では、いざ自分のところが法事をしようとすると何から手を付けていいのか分からない場合があります。

心安く尋ねられる親戚やお寺があればよいのですが、なかなか聞きにくいという人もいるでしょう。

今回は法事当日を迎えるまでにどのような段取りで準備をすればいいのかを解説します。

細かく説明すると初めて法事をされる人は法事って大変だなあと気後れされるかもしれないので、要点4ポイントに絞って解説します。

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法事の準備は次の4点を抑えること。これが最低限。

法事には細かな準備もたくさんありますが、ここでは大まかな流れを紹介します。

  1. まず法事の施主を決定する。
  2. 日時と場所を決める。
  3. お坊さんと打ち合わせをする。
  4. 参列者への案内状を手配する。

順に解説していきます。

まず法事の施主が決まらないと話が進まない。

法事の準備をするためにはまず施主(せしゅ)と呼ばれる人が必要です。結構肝心なことですよ。

満中陰法要や一周忌法要であれば葬儀の喪主を務めた人が引き続けることが多いのですが、三回忌以降であれば喪主だった人が健康上の理由などで施主を務められないこともあります。

施主の役割は法事の主宰者という肩書だけでなく、法事に参列者から「この人が今後、この家の代表者になるんだ」という意思表示にもなりますし、法事の手配全般を取り仕切る重要な役割があります。

最終的な決定は施主の仕事です。また法事の日の挨拶も施主がします。


余談ですが施主とは願主(がんしゅ)とも言われます。

亡き人を偲ぶ法事をするという発願する人のことです。お寺さんや参列者に案内するのも「来てくれ」とではなく「(法事のご縁に)お参りください」と願い出る立場です。

法事の日時と場所と決める。

施主が決める最初の事は、「法事をする日時とその場所」です。

これらは誰に案内するかを決める前には済ませておきましょう。なぜならお参りに来る人もいつ・どこで法事をするのかが決まっていなければ出欠の返事がそもそもできないからです。

たまにある勘違いが、いつどこで法事をすればいいのかを案内する予定の人全員から希望を聞くことです。お参りの人数が少ない時はこれでもいいのですが、全員の希望を満たす日時や場所を選ぶことはそもそも無理です。急用で行けなくなる人もいるくらいです。

まずは施主が身内と相談して法事の日時と場所を2つ3つ候補として決めておきます。身の濃い親戚ができるだけ参りやすい日を考えましょう。

ちなみに法事の日程は命日より前が良いと世間一般には言われていますが、浄土真宗ではそのような俗信はありません。命日よりも遅れてでもいいので多くの人が参りやすそうな日を選びましょう。

法事場所は自宅の仏壇前が個人にとってもお参りの人にとってもいいと思いますが、駐車場や食事の関係などから会館やホテル、食事処、お寺なども考慮に入ります。

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日時・場所の候補が決まればお寺に連絡をする。

施主の家族内で日時と場所の候補が決まれば、続けてお寺に連絡しましょう。もちろん電話でOKです。

大抵の場合、休日である土曜・日曜日・祝日に法事をしたいと考えるでしょう。しかしそれは他の家も同じこと。お寺は平日よりも土曜日・日曜日・祝日が予定が入りやすいのです。

ですので日時と場所の候補は事前に3つほど用意しておきましょう。

法事を読経・進行するお坊さんの都合を相談確認して日時場所が確定してから参列者に案内をしましょう。

このお坊さんと日時場所の確認をしたときに、法事の準備段取りについてわからないことが気軽に聞いてください。(例えば、どんなお供えを飾ったらよいですかなど)

最後に案内状を出しましょう。後は返事待ちです。

お寺さんと相談して法事の日時と場所が決定しました。(もし会館やホテルといった自宅や寺以外の場所で法事をするのであれば、必ず利用可能か確認しておきましょう。)

確実に法事ができる準備が整いましたら満を持してお参りの人に案内状を手配しましょう。電話やメールで代用する人もいますが、できれば手紙で出すべきです。なるべく丁寧に行きましょう。

誰に案内するのかは施主に全て委ねられます。

一般的には年忌の浅い法事には故人の兄弟といった身の濃い親戚は必ず案内しましょう。また別に親戚親族でなくても故人との関係の深かった人には案内しましょう。ただ誰に案内するのかは施主が決めることです。お坊さんが口出すことではありません。

ただお坊さんからの助言を一点だけ。

相手が高齢や病気だから来れないだろうと勝手に想像して案内状を送らないのは駄目駄目。

施主というのは「故人を偲ぶ法事にお参りください」と案内する立場の人です。お参りに来れないのは案内を受け取った人の都合です。施主が決めつけて縁を切ってはいけません。(最近では連絡せずに法事をしようとする家が多い印象です。悲しいね)

その他にはどんなこと用意しとけばいいの?

施主が日時場所を選び、お坊さんとの都合をつけ、各人に案内状を送った。これで法事のおおまかな事前準備は完了です。

後は出欠の返事を待ち、出席者の人数から宿泊場所・交通手段の用意・軽食や会食の数・引き出物の数などを決めておきましょう。食事処や仕出し屋の手配ですね。

他には果物や花といったお仏壇のお供えを普段よりも豪華にしておきましょう。


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さいごに。困ったことがあればお寺に質問ください。

施主・喪主というのはそうそうすることはないでしょう。

大抵長男長女が務めることが多く、また一度決まるとしばらくは同じ人が続けて施主をするでしょう。

何度も法事をすれば段取りを覚え親戚とも話がしやすくなるでしょうが、初めての場合だとどのような段取りで準備していいか困ってしまうこともあるでしょう。

寺・お坊さんとは法事・葬儀を数多く勤めています。

どこそこの会場・仕出し屋が良い悪いといったことはお答えしかねますが、法事の段取りや必要なもの、念頭に置いておくことなど、法事を無事に勤められる返事はできると思います。

困ったことがあれば、法事を依頼する檀那寺・菩提寺にお尋ねください。

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