お線香を2本に折る.ラジオ#192

第192回目のラジオ配信。「線香を折る」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ「線香」内容まとめ
  • おロウソク・お線香は、家の人、施主がつける
  • お参りに来たお坊さんはなるべくつけない
  • お線香を2等分3等分に折るのは難しい
  • 浄土真宗は香炉に寝かせるので、線香を短くする
  • 折るのが苦手なら、大きな香炉か短い線香を使い、そもそも折らなければいい
  • お線香の長さは気にする必要ない

かっけいの円龍寺ラジオ

この番組では香川の浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いお話をするラジオです。

配信192回目は、お線香の長さを揃えることについてのお話をします。

お坊さんの私はお祥月参りや年忌法事で、ご門信徒さんのお宅にお参りし、お仏壇でお経を読みます。

お仏壇でお経を読む前には、おロウソクとお線香をお供えするのですが、私のところ円龍寺では、基本的におロウソクとお線香は家の人につけていただきます。

お仏壇のお飾りである御荘厳、仏様へのお給仕は、お勤めの場をご用意して下さった方がするものだからです。

御荘厳、お給仕とは、仏様にお仏飯をお供えしたり、きれいなお花に活けかえたり、お供え物をしたり、おロウソクを灯したり、お香をたくといったことです。

なので、例えば法事であれば、施主にお仏壇にお光をともしていただきます。お祥月参りでも、家の人におロウソク・お線香をつけていただきます。

お仏壇のお飾り、御荘厳が完全に備わってからお勤めをはじめます。

その時の状況に寄りますが、お参りに来たお坊さんは、ロウソクやお線香をなるべくつけないようにします。

さて、前置きの話が長くなりましたが、ここから今日のお話です。お線香の長さについてです。

この前、お祥月参りに行ったときのことです。

いつものように玄関で挨拶した後、お仏壇の前にすすみ、合掌礼拝し、改めてご当家の方お参りの方々に向き直って、今日のご仏縁のお礼を申し上げました。

それから私がお勤めのため、お経本を取り出し、袈裟を身に着けている間に、家の人がお仏壇のおロウソクを灯してくださったわけですが、そこでこう言われました。

お線香をつけるのが下手なので、お線香はお願いできませんか?と。

私は分かりましたと答えたんですが、合わせて、何が苦手なんですかと聞きますと、お線香をきれいに折ることができないとのことでした。

また合わせて、お参りの人から、私もお線香をつけるのが苦手、お線香が香炉の中で消えたり、お線香の火がうまくつながらないという悩みの声が聞こえてきました。

う〜ん。確かにお線香は少し難しいかもしれませんね。

おロウソクのように、マッチやライターで熱をもっていったらすぐにつくのと違って、お線香は香炉の中でいつのまにか消えていることもありますからね。

ちなみに補足として、私のところは、浄土真宗という仏教宗派です。他の仏教宗派ではお線香をたてているそうですが、浄土真宗では香炉の中で横にしてお供えします。

寝かせる理由はそう難しくいろいろ考えなくていいです。シンプルに香炉の中でお線香を寝かしていた方が安全な気がしますよね。お線香をたてると、お仏壇の方に手を伸ばすことも難しいですし、ぽきっと折れたら火事の元になるかもしれないですからね。

そんなわけで、この前の祥月参りのとき、そんなお線香をお供えする悩みについていろいろ聞いたわけですが、お坊さんの私からすると、皆さん神経質に考えすぎだと思います。

今回はピックアップしてお線香をきれいに折ることができないという悩みについてお話します。

浄土真宗の場合、お線香を折って寝かせるとよく聞きますよね。

折る理由は、単純に折らないと香炉の中に入れられないからです。

そういうわけで、皆さんお線香を2つや3つに折って短くするんですが、その長さがきれいに2等分3等分にできなくて、かっこわるいと思う人がいるらしいです。

全然気にする必要はないです。

お坊さんでもキレイに2等分や3等分にはできません。

特にお寺にあるような長さ50㎝以上の長いお線香の場合、慣れていてもぴったし2等分、3等分なんてできません。

お線香は香炉の中に入るようにとただ折っているだけなので、その折った長さが多少ズレていても何の問題もないです。

ただしそうは言っても、中には「いやいや私はお線香の長さをそろえて使いたい」と謎のこだわりを持っている人もいるかもしれません。

そういった人に向けての解決策を3つ紹介します。

一つは、折らなくてもすむように、お線香よりも長い横長の香炉を用意したらいいと思います。折らないとダメという決まりはありませんので。

お仏壇屋に行きますと、お線香を折らずに寝かせてお供えできるタイプの香炉が売られていますので、それを使ってお香をお供えするのがまず一つ目の解決策。

香炉を横長のもの、線香を折らなくてもそのまま使えるサイズのものにする反対の考えで、二つ目の解決策は、長さの短いお線香を使う方法です。

これもお仏壇屋に行けば、短いサイズのお線香があるでしょう。

一般的な長さのお線香は長さ15㎝ほどですが、その半分くらいの長さのお線香もあるのでそれを使うのも一つです。

お線香を折るのが苦手なら、そもそも折らなければいいんです。

そして最後3つ目の解決策は、いますぐにできる方法を紹介します。

お線香複数本をまず手に持ってください。例えば3本だったとします。

3本のお線香を長さをそろえてまとめて持って、テキトーなほどよい長さのところで両手で折ってください。

すると左手と右手にそれぞれ3本の短いお線香ができましたよね。

左手の三本は同じ長さのお線香、右手の3本も同じ長さのお線香になりましたよね。

一本のお線香を同じ長さに折るのは難しいですが、複数をまとめて折ると、簡単に同じ長さのお線香ができます。

もう一度言いますね。

一本のお線香を2等分3等分にするのは難しいです。

ですが、お線香を複数本まとめて長さをそろえて手に持って、それを折ると、左手と右手に同じ長さの線香の束ができます。

こうすると、誰でも折ったお線香の長さを揃えられます。

お線香をきれいに等分に折りたいとこだわる人は、この方法をとっていただけたらと思います。

ただ先ほども言いましたが、お線香の折った長さが多少ズレていても何の問題もないです。

仏様に清らかなお香をお供えするのが大事なことであって、お香の長さは気にする必要はありません。

なのでお勤めをはじめる前の、お仏壇のお線香のお供えも、おロウソクと同じように、家の方、施主が率先してつけていただけたらと思います。

以上で今回の192回目の配信のお話を終えます。

お線香の火が香炉の中で消えてしまうことについては、機会があればまたお話しようと思います。

「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。



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