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第325回目のラジオ配信。「お寺の本堂を隠さない」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。
今回は「なぜお寺の本堂が隠れないように建物をたてるのか」をテーマにしてお話していきます。
4月も後半になり、だいぶ暑くなりましたよね。周りのお寺も春の法要が終わり、私のところ、円龍寺も4月4日に春の永代経法要が無事に終わり、ようやく一段落しました。
これからどんどん蒸し暑くなっていきますね。
さて、お寺で法要・行事があるたびに考えることがあります。それは収納のことです。
お寺では法要のとき、多くの方がお参りに来られますよね。そのたびに座布団を出して机を並べて、終わればまた片付けます。
そしてこれからの季節、夏に向けての準備も始まります。
4月でもすでに暑い日がありますし、5月になりやがて梅雨に入って湿気も増えてきます。
お寺の中も御簾をかけたりして風通しを良くして、少しでも涼しく感じられるように整えていきます。お坊さんの服装も夏用に変わります。
そうすると何が起きるかというと、とにかく物の移動が増えるんですね。押し入れ・タンス、別の部屋などから、右に左にと物が行き来します。
さらにはご門徒さんからは「この座布団、お寺で使いませんか?」といったご相談も最近たまに受けるようになりました。
古い家を片付けるときに、まだ使えそうだけれど処分するのはもったいない。だからお寺で引き取ってもらえないか、というお話です。
お気持ちはとてもよく分かりますし、ありがたいことでもあります。
ただ正直に言うと、収納はなかなか大変で、 「さてこれ、どこに入れようかなあ」と悩むことも多いです。
一応、私のお寺には踏み天井があります。
外から見ると一階建ての平屋なのですが、天井裏に空間があって、そこも収納として使っています。
踏み天井は今もよくあるんでしょうかね。上に人や物が乗れるようなしっかりとした造りの天井裏の空間で、そこも収納に使っています。
こういう踏み天井の空間を活用しながら、なんとか収納のやりくりしているわけですが、そのつど、私は祖父が残した言葉を思い出されます。
それは 「お寺のメインは本堂だよ。周りにある建物。住むところではないよ」という言葉です。
つまり、お坊さんが生活する建物・庫裏は、本堂を隠してはいけない。本堂より大きくなってはいけない。本堂より目立ってしまってはいけない、ということなんですね。
だから私のお寺の庫裏は平屋です。これからも二階建て以上にはしないです。
もし二階建てにすれば、空間が広がって収納はもっと楽になるかもしれません。
でもそれによって本堂が隠れてしまい、お寺に来た人の目にまず庫裏が入るようになってしまったら、それは少し違うのではないかと思います。
また祖父は、お寺の周りに建つ建物についても気にしていました。
本堂を見下ろすような建物や、お寺の敷地内をのぞき込めるような建て方はあまり好ましくない、できるだけそういった建物はお寺の周りにできないでほしいと願っていました。
それはお寺のプライバシーの問題というよりも、仏さまをおまつりしている場所に対する向き合い方の問題だからです。
お寺はただの建物ではないです。お寺は仏さまをおまつりし、お参りし、仏様の話を聞き、仏様に手を合わせる場所です。
だからこそ、お寺のメインは本堂であり、本堂が一番よく見えるようにする。お寺の敷地外からでも道路からでも見えるようにすることが大切です。
お寺の本堂が見えにくくなるようにお寺の周りに建物が建つということ、お寺の中がのぞき込めるように高い建物が建つというのは、結局のところ、仏様を思う気持ちが失われつつあるようで、少し寂しく感じるところです。
お寺のメインは仏様をおまつりしている本堂です。本堂がお寺の中心にあり、周りの建物に隠れないようにするのが大切です。だから周りの建物はなるべく控えてたててほしいです。
先代住職の祖父の言葉は、前時代的な言葉に思う人もいるでしょうが、私は今も祖父の言葉を、その通りだなあと、片付けをしながらしみじみ思うことがあります。
二階建て以上の大きな家、広い収納空間があれば便利だろうなあと思う一方で、やはりお寺の主役は仏様なのだから、お寺の近くに住む以上、一歩控えて生活するべきだろうなあと思います。
今回は「お寺が隠れないようにすること。お寺のメインは本堂」ということをお話しました。
Q&A
- Q本堂はどんな役割をもつ建物なのか?
- A
本堂は仏さまをおまつりする、お寺の中心となる建物です。
仏教法要が行われる場所であり、お参りの皆様が仏さまの教えにふれるための空間でもあります。お寺で一番大切な場所です。
- Qお寺には本堂以外にどんな建物があるのか?
- A
お寺によって異なりますが、本堂の他に、住職が生活する庫裏(くり)、山門、鐘撞堂といった建物があるのが一般的です。
最近ではお骨を収めるお堂や、法要や葬儀用の建物を用意しているお寺もあります。
大きな寺院では宿泊施設を備えていることもあります。
- Q庫裏(くり)とはどんな建物か?
- A
庫裏はそのお寺のお坊さんが生活する建物です。
来客の対応や事務作業なども行う場所で、いわばお寺の裏方の役割を担う空間です。
- Qお寺の建物の配置に決まりはありますか?
- A
厳密な決まりはないと思います。
「本堂を中心にする」という考え方が大切にされています。そのため本堂は分かりやすい位置、参道の正面にあることが多いです。
- Qお寺と神社の建物の違いはあるのか?
- A
それぞれのお寺や神社ごとに違いはあると思いますが、一般的に、お寺は仏教の施設で、本堂には仏さまがおまつりされています。神社は神道の施設で、本殿には神さまがまつられています。
建物の形や呼び方も異なり、お寺では本堂(金堂)、神社では本殿・拝殿といった違いがあります。
私の印象では、お寺では本堂が中心として見えるように考えられていることが多いですが、神社では本殿は少し奥まった場所にあるように感じます。




