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第67回目のラジオ配信。「報恩講の準備」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
ここでは細かく報恩講の準備内容を紹介しましたが、最近ではモダン仏壇・家具調仏壇と小型の仏壇も当たり前になっています。五具足のお飾りや餅や菓子果物のお供えをするのが、難しいこともあるでしょう。
そんな時は無理せず、できる範囲で、三具足のお飾りでもOKです。
浄土真宗では11月12月・10月1月には報恩講があって、お坊さんがすべてのご門信徒さんの家のお仏壇にお参りに行きます。
今回は「報恩講のとき、自宅のお仏壇をどんなお飾りをしておいたらいいのか」についてお話します。
そもそも報恩講とは、浄土真宗宗祖の親鸞聖人のご命日のおつとめ・お祥月のおつとめのことです。
ですから、ふだんお寺からお坊さんがお参りに来たときと同じような仏壇のお飾りをしていただけたら最低限OKです。ですのでお飾りとして、最低限してほしいのはお花とお香とおロウソクの三つをご準備してください。
仏壇に向かって正面・真ん中にお線香をお供えする香炉を置き、その左側に生花をお供えし、香炉の右におロウソクをお願いします。ロウソクは白色でもとりあえず最低限OKです。
どうしても仏壇の準備ができないという場合でも、このお香・お花・お光の3つのお飾りだけは最低限してください。これで報恩講さんのお参りができます。
ここからちょっとずつ、より報恩講にふさわしくなるようなお飾りの仕方を紹介していきます。
まず今紹介した最低限のお飾りは、三具足と言われるもので、香炉を真ん中1つ置き、左と右に1つずつお花とおロウソクを置きます。
報恩講さん・宗祖親鸞聖人のようなご丁寧なご命日のお参りのときは、お花やおロウソクは左右に一対置きます。ですから仏壇に向かって正面左から順に、お花・おロウソク・お香・おロウソク・お花と五具足と言われる5つの仏具をお飾りします。
もちろんお花は造花ではなくて、ご生花、生のお花をお供えしましょう。
で、おロウソクは先ほどは最低限のお飾りでふだんのお祥月と同様に白色でも良いといいましたが、宗祖のご命日のお勤めですから、報恩講は大切な仏事として、赤いロウソク・朱蝋燭をできれば用意してください。
で、お香炉。香炉は普段通りのお祥月のお参りと同じ感じで良いんですけども、せっかくの宗祖のご命日のお勤めですので、香炉の中の灰を綺麗にしていただきたいなあと思います。
ときどき香炉の中の灰がほこりまみれであったり、ほんとはあってはいけないですけど、使い捨てたマッチ棒や枯れた花殻が落ちてたりする香炉があるんですね。
香炉はお香をお供えする仏具ですので香炉の中はキレイに、お線香は寝かせられるように、ならしていただけたらなあと思います。
ここまで、お仏壇正面のお飾りを紹介しました。
続けて仏様の前のお飾りについてです。
仏壇の奥、正面に、浄土真宗のご本尊阿弥陀様の像がありますよね。
その阿弥陀様の前には炊いたお米のお供え、お仏飯をお供えします。私の宗派の場合、寺では阿弥陀様の前にお仏飯を2つ並べてお供えしますが、ご自宅の仏壇では1つでOKです。
そしてお米のお供え、お仏飯の前には小さな香炉を1つ。左右には一対に華瓶(けびょう)という小さな花瓶を置いて、そこに樒・青木をお供えします。また宗派によっては火を灯さない朱色の木製のろうそく(木蝋)を仏前にお供えすることがあります。
ただ家の仏壇のように広いスペースがない場合は、仏様の前にお仏飯1つ。その前に香炉1つ。香炉の左右に樒を一対お飾りします。
続けてお供え物のお話です。
一番仏様に近いところにはお米のお供え・お仏飯をしますが、それとは別に丁寧にされるなら、お餅をお供えします。お餅のお飾り方法は色々あって鏡餅みたいな形でもいいですし、小餅で山盛りのように重ねてもいいでしょう。
お餅もお米・ご飯ですので、私たちにとって主食となる非常に大切な食べ物です。そのため、お仏飯の次に仏様に近いお供えとなるのはお餅になります。
その他にはお菓子や果物をお供えします。
お菓子は和菓子でも洋菓子でも何でもいいですが、一番様になっているのは菊や蓮をかたどった砂糖菓子でしょうか。
果物も何でも良いですが、季節のもの・旬のものがいいでしょう。時期的にはリンゴやミカン、柿やキウイをお供えされたらいいと思います。
なお報恩講に限らず、浄土真宗の仏壇には嗜好品となるお酒やタバコ、また生肉や生魚のようなものはお供え物にふさわしくありません。
このようにお仏飯だけでも最低限OKですが、より丁寧にされるならお餅やお菓子や果物もお供えします。
報恩講は11月28日に亡くなられた宗祖のご命日のお勤めです。ですのでお盆のように亡くなった人を迎えるためのナスやキュウリの乗り物のお飾りや精霊棚、また中陰のときに用意する亡き人のお骨やお写真や位牌を置く中陰壇は必要ないです。
必要なのはお仏壇と仏様と、仏壇前に置く5つのお花とお香とおロウソクの仏具と、仏様の前に置くお仏飯と香炉と樒ぐらいです。
もしもお餅やお菓子や果物のお供えが多くなり、仏壇の中に納まらない・ごちゃごちゃした感じになるようであれば、仏壇のそばにお供物台を置いていただければOKです。
これでご自宅の報恩講さんの準備はできました。
後、他にもご準備するのに挙げるとすれば、宗祖の大切な仏事ですのでお仏壇の中を清掃していただいたら良いと思います。ただし雑巾やたわしでゴシゴシするのは止めてください。仏壇が傷みますし、金箔も剥がれ落ちます。柔らかい布で軽くふいたり、それも危ないなあと思ったら、羽箒・毛はたきでパタパタとちょっと埃を払うくらいでOKです。
仏具のお磨きは大変なので、今の時代はそこまでしなくてもいいかもしれません。
で他にもみなさん結構、年がら年中しっぱなしですけども、きちんとしたお勤め・仏事のときだけする打ち敷、飾り布をお供え物の下や仏具の下に敷いていただけたら、なお良い感じです。
あと注意点としては、宗祖のご命日のおつとめですので、皆さまのご先祖の位牌をずらずらずら~と並べる必要はありません。
宗祖のご命日のご縁に、阿弥陀様に手を合わさせていただくのが報恩講です。
ですのでもしもご用意できるのであれば、お仏壇横の床にも阿弥陀様の絵姿や、ナムアミダブツや帰命尽十方無礙光如来や南無不可思議光如来といったお名号のお掛け軸をしていただけたら素晴らしいことです。
おつとめは宗祖親鸞が書かれたお正信偈を読むと思いますので、お経本があればぜひご用意して、お坊さんと一緒におつとめくださいませ。
また宗派によっては読経の後にお参りの人の方に振り返って上人のお手紙を拝読することがありますので、お手紙・御文の箱を仏壇の左手側、お坊さんの手の届く位置に置いていただけると助かります。
それとよく聞かれる質問ですが、服装は平服でOKです。だらしない格好・普段着すぎる格好でなければOKです。私がよく使う表現は、お寺に行くのに恥ずかしくない格好で、自宅での報恩講を迎えてくださいと言っています。
さいごに今回のお話を短くまとめます。
報恩講は宗祖のご命日のお勤め。
最低限のお飾りは、生のお花とお香と白いおロウソクの仏具を1つずつでOKですが、より報恩講らしくご丁寧にするなら、生花を左右に一対・赤いおロウソクを左右に一対・そして真ん中に香炉を置きます。
仏様の前にはお仏飯と香炉と樒を一対お飾りします。
お供物はお餅やお菓子や果物をします。仏具やお供物の下には飾り布・打敷を敷きます。
もしもお供えが多くなれば、仏壇のそばにお供物台を置いていただければOKです。
その他、細かな点は、お手つぎのお参りに来られるお寺さんに聞いてみてください。
最後に報恩講さんに関する2つの豆知識をお話します。
報恩講のお参りに行きますと、お赤飯をご用意される家があることをご存知でしょうか。
私的には眉唾な話ですけど、宗祖親鸞は小豆を好まれていたという言い伝えから、宗祖のご命日の報恩講さんには、お赤飯のお仏飯をお飾りしたり、おはぎやあんパンをお供えしたりする人もいます。
また報恩講のご自宅の仏壇飾りですが、仏壇はお寺の本堂をコンパクトに表現したものですので、お寺での報恩講法要にお参りしていただき、お寺の仏前のお飾りをじっくり見て、参考にしていただけたらいいと思います。
まさかご門信徒には、仏壇のお飾りは五具足・生花・朱蝋燭と言っているのに、自分の預かる寺では、三具足といった省略した形にしているはずはないですよね。
浄土真宗の仏壇飾り方の1例です。この写真は「真宗興正派勤式研究会」が監修しています。
報恩講とは?
報恩講のお布施金額はどれくらい?
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