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第172回目のラジオ配信。「法事を元に戻す」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川の浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。
172回目の今回は2023年1月24日に配信予定です。
このころはちょうど日本で一番寒い時期で風がとっても強いです。この音をとっている今も、香川県では風雪、雷、波浪注意報が出ています。
なので建物が揺れる音とか、葉っぱのガサガサと鳴る音がマイクに入るかもしれませんが、ご了承ください。
さて今回は、コロナ禍で縮小した法事を、そろそろ以前のような法事の形に戻してはどうだろうかということについて短くお話していきます。
この前、大相撲初場所、一月場所がありましたね。
私はスポーツを見るのが好きで、特に大相撲も大好きで、毎場所必ず見ています。
大相撲も新型コロナウイルスの影響で、新型コロナウイルスが流行した最初一年目の五月場所は開催を中止しましたよね。
次の7月場所は、観客をいれないという無観客で行ったのも記憶に新しいですよね。
あの時は、大相撲に限らず野球やサッカーといった色んなスポーツも中止や無観客という対応をとっていたと思います。
それはお寺も同じことで、コロナ禍一年目、法事を延期したり、本当に家族数人だけの少人数での法事をしました。
それがコロナ禍4年目の今ではどうでしょうか。
以前よりは人びとはコロナを恐れなくなってきているのではないでしょうか。
この1月の大相撲をテレビで見て驚いたのに、今場所から、声出しの応援をしてもいいようになりました。
テレビ越しでもかなり大きな声がでていたのが分かりました。
大きな声を出す人がいたら観客は減るかと言えば、そうではなく、連日、満員御礼の垂れ幕が出るほどの大盛況ぶりでした。
これは別に大相撲に限らず、サッカーJリーグでは昨年2022年の夏ごろから観客の声出し応援を一部していましたし、高校野球でもブラスバンドの生演奏による応援がOKになっていましたよね。
サッカーのワールドカップでもカタールにまで応援に行った日本人たちが、マスクをせずに観客席で応援していたことも印象的でした。
コロナ禍4年目の今は、感染者の数だけ見たら決してコロナが収まっているわけではないですが、死亡率や重症化率が低下したことや、人びとの慣れということもあってか、スポーツにしても他のことにしてもだいぶ元の日常に戻りつつあるように思います。
また数は少ないですが、香川県に来ている外国人の姿もちらほら見かけるようにもなりました。
もう一つ私にとって印象的だった話があります。それは昨年2022年12月頭のお話で、お参り先で高校生のお子さんに対して、修学旅行について尋ねたときのことです。
これまではコロナの間は修学旅行は中止だったり、香川県内だけの近場の行き先だったんですが、聞くと今回は北海道に2泊3日の修学旅行だったそうです。
ちょうどあの時12月頭は、北海道が日本で一番感染者が多く、一日に一万人以上の感染者が出ていましたが、数日後に北海道に修学旅行に行くとのことでした。
別に感染者数とか関係なく、行くことは決定というのですから、コロナ第八波の入り口でも、イベント縮小や中止というのがなくなっていたのは驚きました。
それを踏まえて、お話を戻しますね。
仏教の方でも、コロナ禍で縮小していた法事を、そろそろ以前のような法事の形に戻してはどうだろうかということについてお話していきます。
これは別に唐突な話ではなくて、2022年の春ごろから、だいぶ法事は元の形に戻ってきていた印象です。
あの頃は1月から2月ごろの第6波の流行の波も納まった時期で、4月は新年度の節目というのもありました。
各地で桜のお花見も復活したり、旅行する人もだいぶ増えた時期でした。
お寺の方でも、私の地域では子供会がお寺の場所を借りて花まつりのイベントも再開しました。
お寺の行事でも以前と同じぐらいの数の人がお参りに来るようにもなりました。
また30人以上の人が参列するお葬式や20人ほどの法事もちょこちょこ見られるほど、2022年の4月からだいぶ元の形に戻っていた感じです。
ただし唯一戻っていなかったのが、食事をとることです。
お葬式や法事の後の会食はしばらく控えていました。やっぱりマスクを外してのお食事というのは、まだ抵抗がありました。
それが今ではどうでしょうか。
一時期、黙食という言葉がでました。声を出すのを控えて、静かに食べるということでしたが、あまり広まらなかったように感じます。
それどころか、飲食店にしてもスーパーにしても、人が集まる所では当たり前のように声が聞こえるようになりました。
あんまりコロナだからと言って、声を出すのを控えようというのはこの一年でさらになくなった印象です。
お参りしてても、どこそこに旅行に行ったとかという話をよく聞くようになりましたし、実はこの前コロナにかかったんですよという話も当たり前のように直接聞くようになりました。
全員が全員そうではないでしょうが、新型コロナウイルスをそこまで気にしなくなってきている人が増えてきているような感じがします。
さらに最近の出来事で言えば、新型コロナウイルスで亡くなった方もコロナでない方と同じようにお葬式ができるようになったのも大きな転換点だと思います。
これまでは、コロナで亡くなったご遺体をご遺族は立合えず、火葬してお骨になった状態で対面していましたが、この1月6日から、コロナで亡くなった方もコロナ以外で亡くなった人と同様の見送り方、葬儀ができるようになりました。
マスクの着用にしても国の指針では、屋外では昨年の段階で原則不要という事を示していますし、屋内でもこの春には不要とするようにマスク着用を緩和するようです。
新型コロナウイルスはまだまだ収まってはいませんが、人びとの行動や認識の方でも、国の政策の方でも、以前よりも緩くなってきていて、だいぶ元の生活に戻りつつあるように思います。
そんなわけで、お寺の方でも、法事の形、お葬式の形も、法要の形もコロナ禍以前のように元に戻ってもいいのかなあと思います。
実はつい先日、私の所の宗派では香川県の郡家別院というところで、宗祖の報恩講法要が3日間ありました。
京都からご門主様が来られ、参列するお坊さんも多く本格的な法要になりました。
コロナの第八波の中でしたが、お参りの方々もそれなりにいて、賑々しくおつとめできました。
またお斎のお食事もふるまわれました。お持ち帰りもできるようにしていたのですが、見た感じほぼ全ての人がその場でお食事をしていました。
もちろん常に換気をしたり、マスクを着用したり、アルコール消毒と、感染対策を取ったうえでの話ですが、やっぱり以前ほどは、コロナの影響はなくなってきたんだなあと感じました。
別に新型コロナウイルスが消滅したわけでも、コロナで苦しんでいる人がいなくなったわけではありませんが、コロナに対する人びとや社会の受け止め方が変わってきているのだから、お寺の方もお参りの方がたの方も、そろそろ以前のような法事の形に戻してはどうだろうかなあと思います。
以上で、今回のかっけいのラジオを終了します。
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