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お食事処で法事をするメリット.ラジオ#120

第120回目のラジオ配信。「お食事処での法事」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ「お食事処」内容まとめ
  • お食事処(飲食店)を法事の会場になることは少ない
  • お食事処の役目は、法事の後の会食場所としてのイメージ
  • お食事処での法事は、施主側の負担が軽減
  • お食事処側も工夫をすれば、通常のお食事客とバッティングしない

かっけいの円龍寺ラジオ

この番組では香川の浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。

第120回目のラジオは、お食事処での法事をテーマにお話します。

法事をする場所といえば主に自宅がありますよね。円龍寺のご門信徒でも、9割ほどはご自宅で法事をされています。他にも葬祭業者が経営する葬儀会館、檀那寺・菩提寺の寺のお堂などが、法事の会場としてあります。

一方で、ホテルやお食事処で法事をされる人は、かなり少ないように感じます。円龍寺のご門信徒で言えば、ホテルやお食事処での法事は100回あたり1・2回ほどでしょうか。

法事でのお食事処の役割は、法事のお勤めが終わったあとの食事をするための会食会場としてのイメージが強いでしょうが、今回はそういう話ではありません。

今回はお食事処を法事の会場とする理由・メリットについて、飲食店を経営する人やこれから法事の施主をする人に向けてお話します。

お食事処を法事をする会場と考える施主は少ないように感じます。

ふつう法事は施主の住まわれている家、あるいは亡き人が生前住まわれていたご自宅で、仏様をおまつりしているお仏壇の前で行うのが一般的です。あるいはお骨を納めたり、故人が生前お世話になっていたお寺の本堂の仏様の前でします。

仏式の法事というのは、亡き人を偲ぶのはもちろんのこと。お経を仏様の前で読み、お坊さんの話を聞き、仏様の徳を讃え、私たちが仏法に出あう意味があります。ですので、お食事処のような飲食店で法事はできないでしょうと思われる人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。

法事は亡き人を中心とした縁ある人達、親戚たちが一堂に集まることも大切なことです。

最近の家は広い駐車スペースや広いお部屋がなかったりしますが、一方でお食事処には広い駐車スペース・お部屋があったりします。地図アプリにも表示されるため、迷わずに集まりやすいメリットもあります。また法事をするための掃除といった準備も、お食事処であれば施主は負担が軽減されます。

お食事処を会場とする法事は、施主やお参りの人はお客のような感じで集まることができます。

家に集まる法事は、ながく会えなかった親戚たちが一堂にであえるという稀なありがたい機会なのですが、一方で、施主や施主の家族は飲み物・お茶や軽食を出したりお菓子を出したり、法事の後の食事・仕出しの管理の電話だったり、外に出て駐車場所の指示だったりとバタバタとして、なかなか落ちついて法事をすることができません。

一方でお食事処での法事は、施主もお参りの人も客として行くので、接待はすべてお店の人がします。

そのため、施主は、親戚が集まる希少な時間をたっぷりと過ごすことができます。

自宅での法事の後の食事の仕方には主に二つのパターンがあります。

お食事処に行くか、仕出し・お膳を届けてもらうかの二つです。

お食事処に行く場合は、場所の移動があるため、時間が余分にかかります。お坊さんをはじめ後に予定のある人は、お食事に参加せずに帰る場合もよくあります。

仕出し・お膳を届けてもらう場合は、お食事が冷めていることや、法事の終わりごろには電話が鳴ったりと慌ただしくなってしまうことがあります。

届けるお食事処側としても、配達する人員を用意しなければならないため負担がかかります。それもたいていお昼の忙しい時にです。

一方でお食事処で法事をすれば場所の移動をすることなく、法事のお勤めの後に続けてスムーズに会食をすることができます。それも調理したてのものを順番に出されるので美味しいでしょう。

時間のロスがないため、家からお食事処にいくよりも、大勢の人が食事に参加できます。

もちろんコロナ禍の今のような大人数での食事を控えるケースでは、そのまま持ち帰りを用意してもらうこともできるでしょう。

お店側からすれば、法事の後の食事をしてくれたら飲み物などの追加料金を頂ける可能性もありますし、施主からすれば、場所の移動をせずにお勤めの場所から食事の手配とすべて一つの場所で済ますことができて大変楽です。

こういったようにお食事処を法事の場所として使うことはたいへん便利なことですが、これまで、お食事処を法事の場所として使ったことがない施主やお店側からすれば、法事の会場として案内するのにいろんな不安があるのは仕方ないことだと思います。

例えば、法事とは別に来た他の利用者との兼ね合いです。

ホテルであれば、宿泊者と法事をする人のフロア階層を切り離せば解決する問題です。

お食事処であれば、本来の営業時間外に法事をするように配慮してもらえば解決します。

例えば昼の営業が午前11時から午後2時、夜の営業が午後5時からだったとしましょう。であれば、法事のおつとめの貸し出しを午前9時から午前11時まで、あるいは午後3時ごろから午後5時までというように、本来の営業時間外を利用してもらうことで、お食事する人たちとバッティングすることはないですし、法事の後のお食事もスムーズに切り替えることができます。

法事のおつとめのときに飲食店がすることといえば、最初と間の休みの時に飲み物やお菓子を出すくらいなので、営業時間外に法事があっても、本来の業務にそこまで影響はないと思われます。

次に法事のお飾りの準備についてです。

法事で最低限必要なことは仏様周りのお飾りですが、これはお寺であろうと、家であろうと、ホテル・お食事処であろうと、基本は一緒です。仏様を正面におまつりして、お花・おロウソク・お香・おりんを用意します。またお餅やお米などなどのお供えものをします。

お食事処だからといって、特別な用意をする必要はありません。

ただしお坊さんからの注意点ですが、宗派に合ったお飾りをなるべくしてほしいところです。特に仏様・ご本尊の間違えはとても困ります。

お食事処の経営者は、法事の依頼を受けた時に、施主から宗教宗派、お寺を正しく聞いてほしいです。仏具などはありふれたもので大丈夫ですが、仏様間違いだけは困ります。もしも仏様のご用意ができない場合は、寺にご相談ください。お寺から仏様を運びご用意します。

施主側はお位牌あるいは過去帳、また遺影の写真をご持参していただければ準備OKです。

こういったようにお食事処での法事はお店側からしても、施主側からしてもメリットが多く、自宅での法事が難しい場合の代替場所として十分に候補にあがります。

法事の会場として貸し出すホテルはそこそこあるように感じますが、お食事処ではまだそんなに多くないように感じます。

コロナ禍の今は、お食事処・飲食店は以前よりも利用者が減っていることでしょう。応援する意味でも、お食事処での法事を検討してみてはいかがでしょうか。

以上で、2022年1月18日のかっけいのラジオはここで終了します。来週もまた聞いてくださいな。

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