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第183回目のラジオ配信。「腕時計」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川の浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。
今回は、時計とお坊さんについて、短く雑談をしていきます。
さて、お坊さんは仏教法要の際に、装飾品を身につけないらしいですが、腕時計とメガネは装飾品ではなく、実用品という扱いになるので、着けてもOKだったりします。
実際、私も裸眼の視力は0.3以下なので、メガネが無いと困ります。
メガネは装飾品ではなく、物をよく見るための実用品としての扱いなので、メガネは法要のときに着けてもOKです。
一方で、今回のメインのお話は、時計のお話です。
腕時計は微妙な立ち位置です。装飾品とも言えますし、実用品とも言えますよね。
私の宗派の場合、本山や本山の別院でする正式な法要のときには、お堂の中に入るお坊さん達は腕時計を外すように言われます。
時間をいつでも把握できる状態の方が便利なのは間違いないでしょうが、それでも外します。
腕時計を外しなさいよという理由は、キラキラ光る光物といわれるアクセサリーは、仏教法要の場にふさわしくないからだったり、腕時計の固い装飾品がお堂の中の大切な仏具などを傷つける、傷める恐れがあったりとか、そういった理由だそうです。
だから本山や別院といったお堂でする、正式で厳かな法要のときには、お坊さん達は時計を外して法要に臨みます。
仏教宗派によっては、腕時計を身につけても問題ないよというところもあるでしょうが、私のところは、正式な場では外すようにと言われています。
でもやっぱり時計は便利ですし、ないと困ります。
例えば、お寺で鐘を鳴らすときは時計がないと困ります。
私自身、法要の合図の鐘を鳴らすことがありますが、時計がないと、後どれくらいで鐘を鳴らしはじめたらいいのか分からないので、必ず時計を手にしています。
それで鳴らし終わると、時計をさっとしまって、お堂の中に入ります。
また、長いお話をする布教のときも時計は大事ですね。
お寺の法要で布教をするお坊さんは、その寺の住職から一時間のお話をお願いされたら、一時間で終わるようにと考えながらお話を組み立てていきます。
時計は駄目ですよと言われたら、約束の時間を守れないので、時計はやっぱり必須です。
もちろん時計ばっかりちらちら見ていたら、話を聞いている人たちは聞くことに集中できないので、お坊さんが時間を気にしすぎるのもいけないところですが、そこはお話をするお坊さんの腕の見せ所です。
他にもお葬式や法事とか、いついつまでにお勤めを終えるようにと打ち合わせを告げられることがあります。
読経の時間は、だいたいの感覚で分かりますが、それでも終わりの時間を約束されていたら、時計を細かくチェックして時間通りに終わるようにします。
そんな風に、時間厳守な場面のときもあるので、お坊さんも腕時計を身につけとかないと困る時もよくあります。
それとついでのお話で、私は見たこともないですし、存在も知りませんが、世の中には、高級で派手な時計や指輪やネックレスを身にまとったお坊さんもいるらしいです。
そういう装飾品として着飾っているお坊さんがいると、お坊さんへの印象も悪くなるのでしょうが、多くのお坊さんは、着飾ることはないですし、実用的な目的をもって時計や眼鏡を身に着けています。
また最近では、数は少ないですが、スマートウォッチを身に着けているお坊さんも出てきています。
スマートウォッチとは、腕時計のような形をした電子機器端末のことで、簡単に言えば、腕時計型のコンパクトなスマートフォンのことです。
時間を確認したり、通話をしたり、スケジュールを見たり、文章のやりとりをしたりなどと、まあ多機能で便利な道具です。
これまでの腕時計とメガネは装飾品でもあるが実用品でもあり、仏教法要の際に外すか外さないか微妙な立ち位置なものでしたが、スマートウォッチのような腕時計型の電子機器もより判断に困る装飾品ですね。
これからの時代は、スマートグラスといわれる眼鏡型の電子機器端末も広がるようです。
実用的な便利な物が使われていくのはいいことなのですが、スマートフォンを持っている人たちが、スマートフォンの画面をいつでもどこでもチェックして動かしているように、スマートウォッチやスマートグラスも、仏教法要の場で身につけてOKであったとしても、そのことばっかりに気をとられないように注意しないといけないですね。
仏教法要のメインは仏さまなのですから、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラスなどに気が散ってしまうのであれば、例えそれが実用品という扱いであったとしても、法要の間は外したり、カバンの中にしまっておく必要もあるかもしれませんね。
まだそこまで厳密なことは言われていませんが、あまりに仏教法要の場にふさわしくないと思われる状態になると、そういった話も出てくるかもしれませんね。
以上で、今回のお坊さんかっけいのお話を終了します。
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