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第309回目のラジオ配信。「マッチ・ライター」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。
今回はお仏壇にお光を灯すとき、マッチじゃないとダメなのか?ライターでもいいのかと言ったことを話していきます。
この前、お参りに行くと、50歳ほどのご夫婦から「お仏壇ではマッチを使わないといけないのか」というご質問をいただきました。
聞くと、ご夫婦の横には80を過ぎたお母さまがいらっしゃってお母さまはず~とマッチでお光を灯していました。ですが、若い人はライターの方が便利なんじゃないの?マッチにこだわる必要はあるの?と疑問に思ったそうです。
ご年配の方からすると、お仏壇やお墓のおロウソク・お線香に火を灯すのには、マッチを使うのが当たり前だったのでしょうが、今の時代の人からするとマッチよりもライターの方が身近になっているでしょうから、できることならライターを使いたいと思うのでしょう。
結論を先に言うと、マッチでもライターでもどっちでも構いません。
あなたが使いやすい方をお使いくださいませ。
マッチを使うのが正しい。ライターはご先祖や仏さまに対して失礼だ。
なんてことをいう人もいるかもしれませんが、その根拠を私は知りません。
ガスやオイルから火をつけるライターと、リンと硫黄を擦り合わせて火をつけるマッチとの間に、お仏壇のお光を灯すことに対して、どんな良いよくない差があるのか、私には分かりません。
もし仮に、マッチを使うことで仏様参りの気持ちが整うのであればマッチをお使いになればいいですし、仮にライターの方が安全でかつ安心してお参りできるのであれば、ライターをお使いになればいいと私は思います。
どうぞお好きな方をお使いくださいませ。
私は詳しく知りませんが、マッチとライターの歴史ではライターの方が先に誕生したらしいです。
ただし日本では、明治時代に先にマッチの方が普及したようなので、昔の人にとってはマッチの方が馴染みが深いのかもしれませんね。
ただし、もう一度言いますが、火のつけ方が違うだけなので、仏様参りの時、マッチでもライターでもどっちでも大丈夫です。
これで今回のメインのお話はいったん終わりますね。
ここからはいくつか余談をしていきます。
マッチやライターにはそれぞれにいい点がありますよね。
例えば、マッチは火が棒の先端にあるので、お仏壇の内側・奥に置かれてあるおロウソクの先に火を灯しやすくなっています。
一方でライターは炎の大きさがほぼ一定であり、ボタン一つで火をつけられます。しかしマッチよりかは蝋燭に火を移しにくいです。
その両方を兼ね備えているものとして、火の付く先端のノズルが長く伸びているライターがありますよね。
例えば、登録商標になりますが、チャッカマンが有名ですよね。
ライターのようにボタン一つで火が付き、炎の大きさは一定で、遠くにあるものに火を移しやすいです。
チャッカマンのようなこういったものをお仏壇で使っていただいてももちろんOKです。
マッチやライター以外はつかったらダメと言うわけではないです。
次の余談は、お寺ではどうやって火を灯しているのかについて話しますね。
お寺ででも、ライターもマッチもどっちも使っています。
本来であれば、本堂の後ろで火を灯します。まずは一つのロウソクにマッチを使って火を立て、その蝋燭からその他の蝋燭や線香や炭に火を移していきます。
ただし、余裕がない時は、本堂の中に立てられている蝋燭に対してライターを使って、直接火を灯したりしますし、さらにはそのロウソクの火を使って、線香や炭をつけたりします。
そういうわけで、お寺ででもマッチもライターもどっちも使っています。
一応、正式な作法では、輪灯や金灯篭に点火するときは、紙燭と言って、紙の縒よりを作りさらに蝋を浸したものから、火を灯すようになっていますが、正直私はしたことがないです。
各仏教宗派ごとにいろんな正式な作法はあるでしょうが、とりあえず言えることは、お寺でもライターは使っていますよ。
最後の余談は、マッチとライター、私はどっちを使っているのかについて話しますね。
個人的にはライターよりもマッチの方がつけやすいので両方あるなら、マッチを使うことが多いです。
私は子供のころからマッチしか使っていなかったので、今、私がマッチを使うのは、単に子供の頃からの慣れの問題だと思います。
少し思い出話をすると、私が小学校に入ったばかりの頃、同じ学校の子たちが営業をやめたパチンコ店に入ってライターで火遊びする事件がありました。
その火遊びが原因で火事になり、小学生が複数人亡くなりました。
それで、私のいた小学校では、子供にライターを持たせたらダメということになって、私自身、ライターを使うようになったのは大学生になってからのことです。
そういうわけで、私もお坊さんになってお参りするようになった始めの頃、ライターだとなかなか上手くつけられない時があって、一方で、マッチだと一発でさっとつけられるので、そういうのもあって、私はマッチの方が慣れているんですね。
それと、ライターの方が燃焼時間が長いと思っている人もいるかもしれませんが、ライターも連続使用時間は10秒~20秒ほどになっていたりするので、ライターだからと言って、ずっとつけっぱなしにしていいわけではないですよね。
時々、お線香をつけるとき、ライターを長~くつけっぱなしにしている人がいます。
マッチででも慣れたら10秒15秒とライターと同じくらい火をつけ続けられるので、私はマッチだから不便と感じたことはないです。
皆さんもお仏壇のお光、お墓のお光を灯すとき、マッチ・ライターどちらでも構いません。慣れている方、使いたい方、安心できる方、お好きな火つけ道具を使って、仏さまにお光をお供えしてくださいませ。

私はお参りカバンの中に、ライターとマッチをどちらも複数いれています。
ライターは急に使えなくなる可能性があるので、マッチの方が私は安心感があります。使い切る残数が目に見えてわかるのがいいですよね。

それと上の音声配信で言いましたが、お仏壇のお光を灯すとき、ロウソクやマッチの燃えカスを香炉の中に入れないでくださいね。



