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第129回目のラジオ配信。「日記」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川に住むお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。
2022年3月22日配信の今回は「日記を書くこと」をテーマに雑談していきます。
さて皆さんは普段日記を書いていますか?
日記の日は6月12日らしく、2018年6月12日に合同会社ロケラボが20代から60代の男女1000人を対象に調査したところ、女性では30代が最も高く39%、男性では20代が最も高く27%が日記を書いているそうです。
私のイメージでは日記を書いている人は多くないという感じでしたが、実は意外と多いのかもしれないですね。
ちなみにインターネットでの別の調査結果をみると、全体で14%程というのもありました。
それでも7人に1人が日記を書いていると聞くと、けっこう皆さん日記を書かれてるんだなあという印象です。
ところで私かっけいはどうなのかと言うと、6年ぶりに2022年の一月から日記を毎日書くようになりました。
久しぶりの日記でしたが、三日坊主にならず、なんとか三ヵ月続いた三ヵ月坊主になっています。
いざ書いてみたら分かるんですけど、日記って意外と簡単に続けられるんですよね。
でも日記帳を買うときに、日記について調べていると、「日記 書くことない」、「日記 続かない」というワードも出てくるんですね。
そこで私が思う日記の続け方についてお話しします。
日記を続ける要点は5つです。
ひとつは、無理に書かないこと
ひとつは思い出して書くのではなく、今思っていることを書くこと
ひとつは最初の一言をまず書くこと
ひとつは手の届く位置に日記帳を置くこと
ひとつは横書きではなく、縦書きにすること
それぞれ説明します。
まずは無理に書こうとしないことから。
私の想像ですけど、日記が続かないっていう人は日記を書くことを頑張りすぎているんだと思います。
そんなに肩ひじ張らず、気負わずにリラックスして書けばいいんです。
別にお仕事でも義務でもないんですから、書けない日があっても書きたくない日があっても私はいいと思いますよ。
また文章じゃないとダメと思わないことです。絵でもイラスト・図でもいいですし、地図でもいいですよね。
書き方に決まりがあるわけじゃないんですから、自由な形で好きに書いたらいいんです。
それで無理に書かないという要点ですが、おそらく日記を無理やり書く人っていうのは、今日朝は何時に起きて、何時に出かけて、どんな人に会って、こんなお話をして、何時に帰りの電車に乗ってと事細かに、まるで一日のタイムスケジュールを作るかのように書いているんだと思います。
挙句には朝ごはん、昼ごはん、晩御飯にこれこれ食べた。具材はこうだったとうんうん唸りながら、必死に思い出そうとしているのかもしれません。
そんな頭をひねりながら、記憶を呼び起こしながら書くのは絶対に苦痛ですよね。一言一言、筆が止まるので、書き終えるのにもかなり時間がかかることでしょう。
そうじゃなくて、今思っていることのみをピックアップして書けばいいんです。
思い出しながら書くんじゃなくて、今思っていること、今日一番印象に残ったこと、これだけは書きたいことのみをかけば、楽々と日記をつけられます。
私は思い出して書かないので、昨日のことは書きません。
次の要点は最初の一言を書くことです。
人間不思議ですけども、書き始めたら意外と書けるもんです。逆に何を書こうかと考え続けると書けない、筆も持たないと、いつまでたっても書くことができません。
誰かに読んでもらう、出版する読み物じゃないんですから、誤字脱字や内容を気にせず、気楽に書けばいいんです。
私の書いている日記も、一割くらいは「今日」とか「今」とかまずはアバウトなことから書いています。今日書いている日記なんだから今日のことなのは明らかなんですけども、「今日は」ととりあえず最初の一言を添えると、意外と次の言葉が出てくるんですね。
会話と一緒で、最初の一言目を出すのが肝心です。
4つ目は、日記をさっと書ける場所に置いておくことです。
何時ごろに書くのではなく、今書きたい、今書こうと思ったときに書くのをおすすめします。
そのためには、日記帳が手の届く位置にあるのが、ベストです。
私の場合は、作業机の下に置いているので、一秒で手が届きます。もちろん鉛筆も挟んでいるので、すぐに書けます。
書く時間よりも、書きたい気持ちを優先しましょう。
最後、5つ目は、縦書きをおすすめします。
これは私本当に困ったんですが、今って縦書きの日記ほとんど売られていないんですね。
おそらく1%くらいじゃないんでしょうか。
12月に書店に行きますとたくさん日記帳・メモ帳が売られていたんですが、ほとんどが横書きでした。
なかなか縦書き用の日記帳っていうのがないんですね。
でも私は縦書きの日記を断然おすすめします。
理由は、すらすらと文章が書けるからです。
横書きは横書きでメリットは色々ありますよ。例えば横書きの代表的なメリットだと、読みやすさがあります。
一方で日記を書くなら私は縦書きを推します。
理由は日本語は圧倒的に縦書きが書きやすいからです。
横書きの日記の場合、罫線が横にひかれていますよね。すると線が下にあることで、一文字一文字書くたびに、そこで文字が止まってしまいます。
縦書き日記ならば、下に線がなく、漢字・平仮名・カタカナを上から下に筆に任せることができるので、今思っていることをすらすらと書き続けられます。
一方、縦書きのデメリットを挙げるとすれば、アルファベットの英語とアラビア数字が書きにくいことです。
人に読んでもらいたいなら横書きがいいと思いますが、自分が毎日書く日記には、スラスラと書くことができる縦書き日記をおすすめします。
ちなみに私は博文館の当用日記を使っています。博文館は今から120年ほど前に、「日本で初めて一般大衆向けに日記を刊行した」会社ですので、とっても歴史ある日記帳です。
本当は手帳で有名な高橋書店の縦書きの当用新日記を使いたかったのですが、私の寺では50年以上高橋書店の縦書き当用新日記で寺の法務を記録しているので、混じって混乱してはいけないので、私の毎日の日記には博文館の当用日記を使うことにしました。
最初は書き心地が違うなあと思っていたんですが、3ヶ月もすると、博文館もとっても書きやすい紙質です。
縦書きの日記帳はそんなに多くないですが、もし買われるならメジャーな博文館か高橋書店をおすすめします。
それと5つの要点とは別に、誰に向けて書いているのか決めた方が書きやすいと思います。
いわゆるペルソナを設定することですね。
私の場合は、100年後、1000年後の私に向けて書いています。
他人のために書いていたら、筆が止まりそうなので、ず~と先の私に向けて書いています。
今の自分に向けても書きません。
日記は振り返るもの。定期的に読み返すものという人も多いでしょうが、私は振り返るつもりはありません。
もちろん読み返したっていいんですが、読み返すことを意識してしまうと、今書く文章をよくしようとあらたまった感じになってしまい、日記が書きづらくなりませんか?
また読み返すことを前提にしてしまうと、良いことを書かなくちゃとか、読んでいてポジティブになることを書かなくちゃとか、為になることを残さなきゃと気負いませんか?
そうではなくて、100年・1000年後の他人ではない、自分に向けて、あの時はあんなことがあったよと、いわば、鏡に向かって語りかけるように私は書いています。
日記を通して、遠い先の自分に話しているので、文章を書くときも、100年、1000年後の自分が理解できるように書いたりします。
ですから例えばコロナウイルスについて日記を書くなら、コロナウイルスっていつごろ出てきたウイルスでこんな特徴があって、世の中が今こんな風になっているんだよと、分かりやすく書いたり、オリンピックがあったら、オリンピックってこんなことをしていて、こんな理念があるんだよって、その言葉を初めて聞いてもわかるように書いています。
今の私のために書くんじゃなくて、遠い先の私に向けておしゃべりするように書くととっても楽しく書けます。
もちろん日記を書く理由には、過去の記録、読み物とされる人が多いのも事実でしょう。日記を振り返り、読み返すたびに、そのときの感情や記憶を思い出すのを楽しみにされるんだと思います。
だから最近では3年日記とか5年日記とか、10年日記とか、過去を振り返りやすい日記帳が人気なのだと思います。
日記の書き方は自由なので過去を振り返るために書いてもいいのですが、私は書くことそのものが好きなので、鏡のように遠い私に、「お話するように」書いています。
ですから極端なことを言えば、朝起きてすぐに日記を書くことができます。その日の出来事を書くのではなく、今思っていること、今伝えたいことを書いているからです。
自分に向けて書く、気負わず書く、振り返らず書く、いつでも書く、無理に書かない好きに書く。
私は日記を書くことそのものが楽しいので書いています。皆さんはいかがでしょうか?
日記は半数近くが1月から書かれ始めているようですが、25%ほどは4月の年度初めから書いているようですので、3月の今はちょうど日記帳を手に入れるチャンスですよ。
以上で2022年3月22日の日記のお話を終えます。
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来週もまた聞いてくださいな。
日記を書くって意外と楽しいので、おすすめです。
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