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人の減った花まつり.ラジオ#185

第185回目のラジオ配信。「花まつり」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ「花まつり」内容まとめ
  • お釈迦様がお生まれになったことをお祝いする仏教行事
  • 春4月8日が誕生日
  • 花まつりの主役は、お釈迦様と子どもたち
  • 花まつりに参加する人数が減ってきた
  • いつ消滅してもおかしくない
  • 地域と子どもたちのための花まつりになってほしい

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市金倉町にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。

2023年5月9日配信の185回目の今回は人数の減った花まつりついてのお話をします。

新型コロナウイルスが流行してから早4年がたちましたね。

マスクをされる方もへり、桜の花見や旅行に行かれる方もずいぶん増えました。

また法事やお葬式の方でも、お食事がでるようになったり、遠方からのお参りの人数も増え、以前のような形にだいぶ戻りつつあります。

さて、今回は花まつりについてのお話です。

花まつりの行事はご存知ですかね。

花まつりとは、「お釈迦さまがお生まれになったことをお祝いするイベント」のことです。

決して、春の桜見といった、花を見るといったイベントではありませんよ。

仏教を開かれたお釈迦様の誕生をお祝いするといった仏教イベントのことを「花まつり」といいます。

日本では春4月8日を誕生日としているので、その前後で誕生祝いの花まつりをします。

もちろん花まつりという言い方は、ここ100年ほど、明治になってからのことで、それ以前は、降誕会や灌仏会や仏生会など、そんな言葉でお釈迦様の誕生祝いの法要をしていました。

ホントかどうかは分かりませんが、今から1400年ほど昔の推古天皇の時代から、お釈迦様の誕生を祝う法要は行われていたそうです。

今の時代では、いのちの尊さ、感謝の気持ちを振り返り、子どもたちの健やかな成長を祈るといった、子どものための仏教イベントになっています。

花まつりの主役はお釈迦様、そして子供たちです。

ですが最近は、そんな花まつりに参加される人数がかなり少なくなっています。

私の住んでいる所、香川県丸亀市金倉町では、花まつりの行事が昔からありました。

5つのお寺が毎年順番に会所、かわりばんこに会場になり、お稚児さんが行列を組んで、白い象さんを前の年のお寺から、次の年のお寺まで引っ張っていました。

そして会場となったお寺では、お花やおロウソクやお香を仏さまにお供えして、女の子のお稚児さんが、お釈迦様の周りで踊り、お坊さんがお話をして、子どもたちのお楽しみの集いをしていました。

花まつりはかつては全国いろんなところで、行われていたそうです。

でも今ではかなり減っているようです。

その大きな理由は、子どもの人数が減っているからです。

花まつりの主催にもいろいろあるようで、例えば、お寺が主催するケースもあれば、その地域の仏教会が主催するケースもあります。

私のところでは、町内の子供会が主催しています。

子供会の代表者が、毎年、今年もお寺で花まつりのイベントをしますという連絡をお寺にして、5つのお寺のお坊さんが集まりお寺が会場となって、花まつりが営まれています。

つい20年ほど前くらいは、私の所の花まつりは、50人以上、100人ほどの規模で、丸亀市長や議員さんらも出席する大きなイベントでしたが、今では、子どもたちとその保護者も合わせて、20人いくかいかないかくらいになりました。

昔は賑々しいイベントでした。

地域のお年寄りたち、敬老会の方たちもお寺に集まって花まつりに出席し、婦人会の人たちもバラ寿司を手作りして振る舞い、花まつりは子どもたちから大人、お年寄りまでが一堂に集まるという賑やかなイベントでした。

ですが、今では花まつりは子供会に加入している数名の子どもたちと、その保護者だけの本当に寂しいものになりました。

これまでも、今年は花まつりできないんじゃないか、来年はできないんじゃないかとかいろいろささやかれてきました。

白い象さんを引っ張るのにも、踊りをするのにもある程度の人数の子供たちは必要です。

子供会に入っている子供たちもかなり減っているようです。

金倉のお寺5つとしては、子供会が主催ですので、子供会が花まつりをすると言えば、協力していきますが、肝心の子供会に入っている子供そのものが減っているので、象を引っ張り、踊りをするという花まつりの法要プログラムができなくなりそうなのが、心配の種です。

そもそもの話ですが、子供会にしても、他の集まりにしてもですが、人が集まるイベントをするのはだいぶ難しくなったように感じます。

お世話をする人が減ったこと、協力して集まって何かをするのが面倒と考える人が増えたからかもしれませんね。

子供会に入っている子どもが少ないといいましたが、決して子どもたちがいないというわけではありません。

むしろ私の住んでいるところは、丸亀市の都市開発の地域になり、大きな道路ができ、新しい家・建物もどんどん立ち、子どもたちもそれなりにいます。

ですが、その新しくたった家の子たちが、子供会に入るかと言えば、そうではなく、子供会に入っている人は徐々に減少しています。

入る人が減ると、活動の幅も小さくなるという悪循環になるんですが、入りたくない人を無理やりいれるのもおかしな話ですので、活動が小さくなるのは仕方ないことです。

つい20年前の、地域のお年寄りたち、子どもたち、それをお世話するご婦人さんたち、また議員さんたちなど、いろんな世代・立場の人たちが集まっていた花まつりの仏教行事が懐かしく感じます。

私のところの花まつりはいつ消滅してもおかしくない事態にすでになっていますが、このままではそう遠くない将来、花まつりはなくなるでしょう。

せっかく家が増えてきているのだから、子供会に入ってくれればなあと思います。それがやがて、住んでいるところの地域の活力にもなると思います。

2023年の今年も何とか金倉町の花まつりはつとまりました。花まつりをするにはギリギリの子どもの人数でした。

子供会に参加している子供たちは減りましたが、それでも皆さん仲良く、楽しそうに集まっているのをみると、できれば来年以降も花まつりが続いてくれればなあと思います。

それこそもう20年ほど前だったかな。

花まつりのイベントで挨拶した市長さんだったか忘れましたが、白い象さんを引っ張り、お稚児さんが並んで歩き、お稚児さんが踊りを披露して、複数のお寺が集まって共同で行う花まつりは、香川県では、この金倉町を含めて残り2カ所になったそうです。

花まつりを個々のお寺でしているケースはそれなりにあるようですが、子供会からいろんなお寺が携わってする花まつりはだいぶ少なくなっているようです。

そんなお話を聞いてから20年ちかく。

私のところの子どものための花まつりは、いよいよ存続が危ぶまれるようになりました。

願わくは、今の時代だからこそ、「子どものため」の花まつりから、「地域と子どものため」の花まつりになってほしいところです。

「花まつり」の名称

花まつりは、降誕会(ごうたんえ)・灌仏会(かんぶつえ)・仏生会(ぶっしょうえ)などと言われてきた。

花まつりの名称は、明治時代に東京の浄土真宗大谷派の僧侶、安藤嶺丸(れいがん)が名づけたとされる。

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