墓じまいのやり方.ラジオ#198

第198回目のラジオ配信。「墓じまい」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ「墓じまい」内容まとめ
  • 墓じまいは、お墓からお骨を取り出し、墓石を撤去し更地に戻すこと
  • 墓地区画の使用権を墓地の管理者に返還する
  • お墓の工事をするときは、墓地の管理者に連絡し、許可をもらう
  • お坊さんのお勤めのあと、お墓からお骨を取り出し、墓石を撤去する

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。

198回目の今回は、お墓のしまい方・墓じまいについてお話していきます。

前回197回目にお話した、お骨の動かし方、改葬するための手続きに関連するお話になります。

さてここ数年、墓じまいが急速に進んでいます。

墓じまいは比較的最近使われるようになった言葉で、昔は、廃墓という表現、つまり、お墓という弔い方を止める廃止にするということです。

墓じまいをするということは、お墓の中に納められているお骨を取り出して、墓石を撤去するということになりますが、今回はそのお墓のしまい方について手順といいますか、要点を話していきます。

その前に、一応の確認としてお墓の権利について話しますね。

ごくまれに勘違いしている人がいますが、お墓・墓石を建てるための土地・区画は、その墓地や霊園の管理者が持っています。

お寺の墓地であれば、お墓がたっているところの所有者は寺であり、市営の墓地であれば、市が所有者です。

墓地の管理者から墓地の区画の使用権をいただいて、墓を建てているのであって、廃墓、つまり墓じまいをするときは、墓地の管理者にお墓をしまいにする連絡、許可をとり、借りた当初の形に戻してお返しすることになります。

お墓を持っている皆様は、お墓を建てる場所の使用権を手に入れているにすぎないので、墓石を新たに設置しようとするときや改修や撤去といった工事をするときは、必ず前もって墓地の管理者に連絡・許可をもらう必要があります。

お墓は墓石を建てている自分のところのものだと勘違いされている人がごくまれにいます。

そうではなく、お墓の土地は、墓地の管理者のものであることに注意してください。なので、墓じまいをするとき、お墓の工事をするときは、管理者に連絡することなく黙ってしてはいけませんよ。

さてそれではお墓のしまい方についてです。

前回のお話、お骨の動かし方、改葬の手続きと重なるところがあります。

お墓をしまうにあたって、まず最初にすることは、お墓から取り出したお骨を、新しく納める場所を見つけることからはじまります。

お骨の引越し先ですね。

お骨の移動先が見つかったら、家族や兄弟や親戚に、お墓をやめて、新しくどこそこで弔うということを相談し、同意を得ます。

家族や兄弟や親戚に相談するにあたって、前もって、墓石屋さんに、お墓の撤去費用がどれくらいになるのか、この段階で簡単に見積もっていただいたら良いと思います。

家族や兄弟や親戚の同意を得ますと、檀那寺や菩提寺のお坊さんに今あるお墓を片付けて、新しいところにてお骨を弔うことを伝えます。

そしてお骨を移動するために改葬許可証を手に入れます。

改葬許可証の手に入れ方は前回197回目でお話しています。

ここまでは前回と同じことです。

ここから、墓じまいをするにあたっての説明をしていきます。

墓石の工事をするときや、お墓の中にお骨を入れるとき、お骨を取り出すときは、必ずその墓地・霊園の管理者に連絡・許可を貰いましょう。

墓石を撤去するにあたっては、墓地・霊園の管理規定によっては、「墳墓工事許可」や「墓地工事着工届け」といったものを申請する必要があります。

この手続きは法律で決まっているものではありませんが、公的な墓地では管理規定に書かれていると思いますので、ご確認いただけたらと思います。

名称は管理者によって違いますが、いずれにせよ、お墓の工事をするときには、その墓地・霊園の所有者である管理者に連絡と許可をもらうことが大事なポイントです。

それと合わせて、公的な墓地の場合、墓地返還届けといったものを提出する必要があるかもしれません。

墓石撤去の工事の申請をするときに合わせて、墓地返還の届出をして下さい。

お寺の墓地といった昔から先祖代々の墓として利用していて、墓地の管理規定がない場合でも、墓地の所有者は寺なので、墓じまいをするときには、同じように、お寺に墓じまいの工事の連絡と許可、墓地区画の返還の届出をする必要があります。

公的なところであろうと、そうでないところであろうと、お墓の撤去をするときは、必ず墓地の管理者に連絡するのが大事なポイントです。

墓じまいの手続きとしては以上です。

後は、お墓からお骨を取り出す日時をお坊さんと墓石屋さんと相談します。

お墓を建てるとき、墓石に文字を刻むとき、お骨を納めるときにお坊さんがお勤めをするのと同じように、墓石を片付ける工事をするとき、お骨を取り出す時もお勤めをしてからになります。

墓石のしまいはお勤めの後です。

お勤めが終わると、お骨を取り出し、そして墓石撤去の工事となります。

墓じまい撤去の工事については墓石屋さんが詳しいと思いますが、流れとしては、墓石を取り除き、墓地区画の原状回復をしていきます。

つまりお墓の区画を更地の状態、元通りの形にします。

そして最後に、墓地の管理者に、竣工届けや工事完成届けといった報告をして終わりとなります。

以上で、今回のお墓のしまい方についてのかっけいのお話を終了します。

最後に、墓じまいのポイントを3つにまとめますね。

  • 墓地区画の使用者は、建てた墓石を撤去するにあたり、墓地の管理者に墓石工事の連絡と許可をとること
  • お坊さんのお勤めの後にお骨を取り出し墓石撤去の工事をすること
  • 更地に戻してでの返還届をすること

この3つのポイントを押さえてください。

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