いつまでに納骨するべきか.#207

第207回目のラジオ配信。「納骨の時期」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ内容まとめ
  • 納骨をするタイミングに決まりはない
  • 中陰の期間は納骨しない
  • 満中陰(49日)の法要にあわせて納骨するのが一般的
  • 49日のあとは、いつ納骨してもいい
  • 百箇日法要、春秋のお彼岸、お盆のときの納骨が多い
  • 亡くなられて一年、一周忌を迎えるまでに納骨する
  • あまり家に長くご遺骨を置かない
  • 改葬のときは、なるべく速やかに移すこと

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをする音声配信です。

今回は、ご遺骨をいつまでに納骨するのかについてお話していきます。

結論を先に言いますと、納骨するタイミングに決まりはないので、いつ納骨しても大丈夫です。

ただお坊さんの立場で言えば、一周忌、亡くなられて一年を迎えるのを目安にお骨を納めていただければと思います。

それでは詳しくお話していきますね。

さて人が亡くなってから葬儀をして、中陰と呼ばれる期間がやってきますよね。

中陰は一週間ごとに、初七日、二七日、三七日と続いて、七度目に満中陰・49日の法要を営みます。

その中陰の期間は、亡くなられた方のご遺骨は、まだ納骨しません。

浄土真宗の場合、この中陰のときに気をつけるのが、お仏壇の中にお骨を置かないということです。

お仏壇は仏さまを安置し拝む空間ですので、亡くなられた方の遺骨や写真は、お仏壇の横にそれ専用の中陰壇を設けて、そこに安置します。

中陰期間中に納骨しては駄目という決まりはありませんが、浄土真宗の場合、中陰の期間は、通仏教にならって、肉親との別れの悲しみの中から故人を偲び、またこれを縁として仏法のご縁にであい、仏さまへの報謝の念を深める意味があります。

中陰期間に納骨してはダメではないですが、一般的にはお仏壇の横に中陰壇を設けて、亡き人をご縁にしてお参りの人が仏さま参りできるようにします。

ここでまず納骨するタイミングの一つがやってきます。

満中陰・49日の法要の後に続けて納骨するのが、納骨のタイミングの一つです。

昔はこの満中陰・49日の法要に続けてお墓に場所を移動して納骨するケースが多かったように思います。

このタイミングにする理由は2つあります。

一つは、中陰の期間が終わり、亡き人との別れの一つの区切りとなるからです。

昔はお墓にお骨を納めることが多く、この中陰がお墓を新しく建てたり、お墓に故人の名前を刻んだりと、納骨するための準備期間でもありました。

なので中陰が終わったタイミングで、納骨する場所が新しく用意されているので、満中陰のお勤めが終わったあと、続けて納骨をする流れが多かったわけです。

もう一つの理由は、お参りの人数が多いというのがあります。

意外に思えるかもしれませんが、家のお墓がどこにあるのか知らないという人が意外とけっこういるようです。

先祖や親戚のお骨がどこに納まっているのか知らない人がけっこういます。

火葬がお骨になる一つの別れのタイミングですが、納骨もお別れのタイミングの一つです。

亡き人とのご縁は、納骨したら終わりではなく、納骨してもその亡き人へのお参りをご縁に、仏様参りをしていきます。

そういったわけで、納骨する時は、ぜひご家族だけでなく、ご縁のある人はそろってご参列していただければと思います。

満中陰・49日の法要はお参りの人がそろったタイミングですので、これに続いて納骨するのがいいかと思います。

さて、納骨の一つのタイミングは満中陰・49日の法要に続いてでしたが、これ以降は、正直いつでもいいです。

お坊さんの私がよく提案するのは、お子さんやお孫さん、親戚の人が一緒に納骨に参加しやすい時はどうですかといいます。

例えば、亡くなってから100日目の百か日の法要のとき、または春や秋のお彼岸の頃、お盆の頃、といったタイミングをすすめています。

100か日やお彼岸やお盆に納骨しなければならないわけではありませんが、故人を偲ぶ一つのタイミングですので、このときにご縁のある人が集まって、納骨されるのがいいのかなあと思っています。

ただ注意しないといけないのが、お彼岸やお盆の頃というのは、お坊さんも他にお勤めの予定がつまっているかもしれないので、お彼岸・お盆の納骨を考えている場合は、前もってお寺の都合も聞いておく必要があります。

あと、納骨のタイミングとしては、亡くなられて一年、一周期の法要に合わせてがあります。

お坊さんの立場としては、あまり長くお骨を家に置かず、すみやかにしかるべき場所にお骨を納められたらと思います。

一周忌が気持ちの整理がつく一つの区切りであると思うので、一周忌の法要をむかえる前、あるいは一周忌の法要に続けてお参りの人が大勢来られているのに合わせてでの納骨はどうでしょうか。

もちろん繰り返しになりますが、納骨するタイミングに決まりはありません。いつ納骨していただいても大丈夫です。

ただ、肉親との別れの一つの区切り、そしてそこから故人を偲び、これを縁として仏法のご縁にであうということで、いつまでも家にお骨を置いておくことは、あまりすすめていません。

ただそれでも家に長くお骨を置いておきたいという人はいるでしょう。

これも繰り返しになりますが、お仏壇は仏さまを安置し拝むところです。

なので、家にお骨を置く場合は、お仏壇の中にいれず、お仏壇の横にお骨用の棚を設けてそこに置くといったことをお願いいたします。

以上で、今回のお話をまとめます。

納骨のタイミングについて、いつまでにするべきという決まりはありません。

ただし、別れの区切りや、亡き人をご縁にご仏縁に出あうということで、あまり長く家にお骨を置いておかないようにとすすめています。

目安としては亡くなって一年、一周忌の法要のときまでの納骨をすすめています。

よくあるタイミングは、満中陰・49日の法要のとき、百か日の法要、春秋のお彼岸、お盆のころが、ご縁のある人が大勢お参りしやすいと思いますので、このときに納骨される方が多いです。

ただし、納骨のタイミングに決まりはないので、皆様のご都合がつけば、いつでもOKです。

特に浄土真宗の場合、日の良し悪しはないので、友引や仏滅といった六曜も気にする必要はないです。

それと最後に、補足として、墓じまい、改葬をするときに取り出したお骨をいつまでに納骨するのかについてのお話も合わせてしておきます。

この墓じまい・改葬については、197回目と198回目の配信でその手続きと流れを説明しているので、そちらも参考にして頂ければと思います。

墓じまい・改葬をする場合、お骨を今納めているところから取り出す前に、あらかじめ次に動かす先を見つけておく必要があります。

自治体が発行する改葬許可申請書に、改葬先の納骨場所を記入する箇所があります。

墓じまい・改葬でお骨をお墓から取り出すときには、現在の管理者から収蔵証明書を出してもらうのと、お骨の新しい移動先の管理者から受入れ証明書を出してもらう必要があります。

墓じまい・改葬で、お骨を動かすときは、あらかじめお骨の移動先が決まっているということになりますので、墓じまい・改葬の場合は、取り出した後は、なるべく速やかにお骨を動かすことになります。

以上、参考になれば幸いです。

お骨に関する音声配信

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