お坊さんの定年.ラジオ#175

第175回目のラジオ配信。「お坊さんの定年」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ「定年」内容まとめ
  • お坊さんには定年がない
  • いつまでもお坊さんの活動ができる
  • 体が資本
  • 小学生の小さいころからお坊さんになれる
  • 寺に雇われてはいないが、寺に属している

かっけいの円龍寺ラジオ

この番組では香川の浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。

今回は、お坊さんの定年について短く雑談をしていきます。

さて、日本人の平均寿命は年々増えていますよね。

今では2人に1人が90歳まで生きるらしいです。

また正規雇用のお仕事も昔と比べて、少しずつ伸びてきていますね。

昔は55歳だった定年が、今では60歳で、2025年には65歳まで定年にするのが義務になるようです。

将来的には70歳まで働く、70歳定年が義務化されるのもいずれやってくるかもしれませんね。

さて、それで今回のお話はお坊さんの定年についてです。

結論を先に言いますと、お坊さんには定年というものはありません。

お坊さん自身が、お参りに行くのをやめると自分から引退を決めない限り、いつまでもお坊さんとしての活動を続けることができます。

お坊さんは企業に雇われているサラリーマンと違うので、そもそも定年というのがないんですね。

イメージとしては、農家・自営の農業をしている人に、定年というものがないのと同じですね。

70を超えて、80歳、90歳でも農家の方が外に出て仕事をしているように、お坊さんも同じように80歳、90歳でも、もっといえば、100歳になってもお坊さんであり続けられます。

お坊さんを続ける重要な要素の一つは、体が健康であるということです。

口が動いて、お経が読めて、お話ができれば、お参りを続けることができます。

実際、私の祖父も70歳とそれほど長生きではありませんでしたが、最後の方も車での送り迎えがあって、亡くなる少し前までお参りを続けていました。

そもそもお坊さんとはどうやってなるのかを簡単に説明しますね。

お坊さんはお寺に雇われて、お坊さんになるわけではないんですね。なのでこの段階で定年のあるサラリーマン、従業員とは違うというわけです。

お坊さんとは、各宗派の大本の寺である本山によって、あなたは私のところの宗派のお坊さんですよと認められることによって、その宗派のお坊さんとなります。

なので、例えば私の場合は、浄土真宗の興正派の本山、興正寺によって、お坊さんとなりました。ですので私は浄土真宗の興正派のお坊さんです。

でも浄土真宗の本願寺派のお坊さんではないですし、大谷派のお坊さんでもありません。

当然、真言宗でも、禅宗のお坊さんでもありません。

あくまで、私は浄土真宗の興正派のお坊さんというわけで、それ以外のお坊さんとは名のれないですし、よその宗派のお坊さんの儀式作法は行いません。

反対も同じことで、浄土真宗の本願寺派のお坊さんは、浄土真宗本願寺派の本山である本願寺によって、あなたは私のところのお坊さんですよと認められてなります。

よその宗派のお坊さんにはなれません。

仏教宗派によって異なるかもしれませんが、お坊さんには年齢の制限がありません。

子どものころからお坊さんになれますし、いつまでもお坊さんであり続けられます。

例えば、私かっけいの場合は、9歳で本山興正寺で得度を受けて、お坊さんの仲間入りをしています。

なのでこれくらい小さな子供であっても、お坊さんですし、お参りに行くことだってできます。

簡単ですが、今日のお話をまとめますね。

企業に雇われているわけではないお坊さんには、定年がありません。

本人が引退しない限り、いつまでもお坊さんとしての活動ができます。

体が動かなくなって、ご門信徒のところにお参りするのが難しくなると、やめられる方もいますので、お坊さんも体が資本ということになります。

またお坊さんは、その宗派の本山によって認められて、その宗派のお坊さんになります。小学生くらいの子供の内から、お坊さんになることもできます。

以上で、今回のかっけいのお話を終了します。

それと最後に、ちょっとした補足です。

お坊さんというのは、企業に雇われているわけではありません。

またお坊さんというのも、各宗派の本山によって各々、独自に認められているものであり、国の試験、資格でなっているものではありません。

例外はありますが、自分から好き勝手にお坊さんになったと名のることはできません。

法衣を着ているからとか、仏教の知識があるからとか、お経が読めるからお坊さんというわけではありません。

それで補足ですが、お坊さんになると、本山から僧籍という、お坊さんの籍というのが与えられるわけなんですが、この僧籍は、かならずどこかのお寺に属しなければなりません。

私であれば、香川県丸亀市にある自坊円龍寺のお坊さん、この円龍寺に属していることになります。

お坊さんは企業・会社に雇われているわけではありませんが、お寺に属していなければなりません。

これはお給料をもらうサラリーマンとは違い、たとえ小学生や中学生くらいの子どもであっても僧籍があるということはどこかのお寺に属している、つまりそのお寺のお坊さんということになります。

例外はありますが、お坊さんは寺に雇われた従業員という扱いではないので、労働時間という考えもありません。

お坊さんになるということは、お坊さんとして認めたその本山の宗派の教義をひろめ、宗風を守り、お寺の護持発展を努めていく存在になるということです。

お坊さんは寺に雇われているわけではありませんが、必ずどこかの寺に属していますよというのが補足のお話でした。

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