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第133回目のラジオ配信。「瀬戸内国際芸術祭」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
- 春会期:4月14日~5月18日
- 夏会期:8月5日~9月4日
- 秋会期:9月29日~11月6日
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川県丸亀市に住むお坊さん、私かっけいが短いおしゃべりをするラジオです。
先週木曜日の2022年4月14日から瀬戸内国際芸術祭が始まりましたね。そんなわけで、4月19日の今回は瀬戸内国際芸術祭について短く雑談していきます。
瀬戸内国際芸術祭についてちょっとしたことをお話していくのですが、そもそもみなさん瀬戸内国際芸術祭ってどこでやってるの?なんなの?って、知らない・聞いたこともなかったりするんじゃないですか?
私の想像ですが、たぶんこのラジオを聞いている多くの人が、知らない・聞いたことがない・行ったことがないと思います。
というのも、3年前に開催された前回の瀬戸内国際芸術祭の来場者の内、3割が香川県から、2割が岡山県から、海外からが約25%であり、香川と岡山を除く国内の来場者は、全体の25%ほど、4分の1ほどしかありませんでした。つまり30万人弱ですね。
香川・岡山以外の日本人はそれほど来ていないデータがあり、きっと多くの日本人は、瀬戸内国際芸術祭を知らない・興味がないんだなあと私は想像しています。
ですので、香川に住む私が瀬戸内国際芸術祭について、お話することで、ちょっとでも興味を持ってもらえたらなあと思ってお話します。
それとこれ以降、瀬戸内国際芸術祭の名称は長いので、略称の瀬戸芸で統一しますね。
さてまずは、瀬戸芸が開かれている場所についてお話します。
瀬戸芸は、瀬戸内海、瀬戸内の島々をメイン会場としています。
といっても瀬戸内海の広いエリア一帯ではなく、だいたいは香川県の県庁所在地である高松周辺の島々がメインの会場になっています。
高松は、香川県のやや東の方にある場所です。
本当の意味での瀬戸内海は、本州の兵庫・岡山・広島・山口、九州の福岡・大分、近畿の大阪・和歌山、四国の徳島・香川・愛媛に囲まれた、とっても広い海のエリアのことを指すんですが、瀬戸芸は、香川と岡山のごく一部の島々・地域を会場として開かれています。
香川県の場所は、大阪からみて西南の方角に150キロメートルくらいのところにあります。
大阪からだと、西の兵庫県・南にある淡路島を渡ることで、つきます。車だと3時間もあればつくでしょう。
香川は四国の玄関口ともいわれ、本州の人が四国にくる際に一番よく入るのが香川であり、また四国を目的に旅行にくる外国人も関西国際空港よりも高松空港の方を利用して来ているようです。
大阪から西南150キロメートルくらいの位置にあるのが香川だと覚えてください。岡山は、瀬戸内海をはさんで香川の北40キロメートルくらいにあります。
瀬戸芸は、今年2022年で5回目の開催となります。
3年毎に開かれることになっているんですが、はや5回目なんだなあというのが、香川県に住む私の率直な感想です。
前回は2019年、新型コロナが発生する直前でしたから、新型コロナがもう3年目に入ったんだなあとも感じるところです。
瀬戸芸がはじまったのは、2010年で、今の香川県知事が初当選してからで、今の県知事の元で、5回目の開催となります。
春と夏と秋の3つの会期、計約100日間で、100万人の人たちが、瀬戸内海の島々のアート会場に行くことはすごいことでしたが、それは最初お話したように、多くが香川・岡山からの地元の人で、あんまり香川・岡山以外の日本国内からの人たちがきているわけではなかったようです。
また外国からの割合も第一回目の瀬戸芸では1万人の1%ほどで、国際芸術祭と言いながら、あんまり外国からの来場者はいない感じでした。
ところが香川県の観光誘致が実を結んでいるのか、インバウンド・海外からの旅行者数がグッと増え、2012年からの5年間の伸び率が11倍と、全国第一位にもなり、また瀬戸芸の来場者数の4人に1人が海外からの人たちという風になっています。
国際芸術祭となのっている瀬戸芸の魅力の一つが、海外からのアーティストが瀬戸内海の島々を舞台に、アート作品の作成・展示にかかわっていることが挙げられると思います。
前回の第4回目では、32の国地域から、230組の多くのアーティストが芸術祭に参加していました。
100・200を超える幅広いアーティストが参加される国際的な芸術祭であり、会場である島々を巡る私たちは、それぞれのアーティストがもつ感性やメッセージを観賞することができるのが、瀬戸芸の大きな魅力なんだと思います。
世界中が新型コロナで様々な制限があるなかで、今回は参加するアーティストの数は減るかもしれませんが、ニュースで聞くと、日本に来ることができないアーティストに変わって、日本のアーティストがやりとりしながら代わりに手がけた作品もあるようです。例えば、沙弥島の「月への道」という作品がそれにあたるそうです。
瀬戸芸では、新しい作品だけでなく、過去の作品でも常設されていて観賞できるものもあるので、1回目2回目3回目4回目に行った人でも、新しい作品を見ながら、過去のアートを懐かしみつつ巡る楽しみもあると思います。
さて続けて、瀬戸芸の行き方についてお話します。
先ほども言いましたように、瀬戸芸は瀬戸内海の島々を舞台にしながら、割と狭い範囲、具体的には12の島々と高松の港と、けっこう狭い狭い範囲で開かれています。
また注意しないといけないのが、坂出市の沙弥島は春会期だけ、西の方にある丸亀・多度津・観音寺の島は秋会期のみと、行ってみたら期間外ということもありうるので、そこは、公式サイトの情報をみて、確かめないといけません。
基本は、高松の港からフェリーや高速船に乗って行ける島々、小豆島・直島・豊島・女木島・男木島・大島・犬島がメインの島々と覚えてください。
それで基本的な島々の巡り方は、高松の港から高速船やフェリーに乗っていくことになります。
でも実は岡山の宇野港などからも行くこともできて、私がかつて瀬戸芸に行ったときに豊島で待ち合わせした時、高松からは長蛇の列で、船に乗れない人も多くいたようでしたが、待ち合わせした人は岡山から乗ってきて、岡山からはすいすい余裕があったよという話もありました。
2022年の今回は、コロナの影響もあるのか、速報値で前回の4割も来場者が来ていないようなので、高松の港からフェリー・高速船に乗れない・大混雑という状況にはならないと思いますが、岡山からも会場の島に行けるということは覚えておいてください。
ただしそれぞれの島への航路が20ほどもあるので、行き当たりばったりで、島々を巡ろうとすると、船が来るまでの待ち時間を相当食うので、効率よく回ろうとするなら、事前の運航航路の確認は必須です。
ただ初めて瀬戸芸に来る人にとって、船の時間を調べなさいというのは難しい話だと思います。
今回はありがたいことに、瀬戸芸は公式にアプリを提供しています。
公式アプリは、作品までの距離や道のりや休館といった展示情報や、フェリーを中心とした交通情報、また作品情報も提供されています。
この音声をのせる私のブログ記事でも、瀬戸芸公式サイトの公式アプリのページにリンクを貼っておきますので、瀬戸芸に行かれる方は、ぜひ公式アプリを入れてみてください。
おそらく何も知らずに始めて会場の島々に行くと、迷子になるというか、時間のロスがすごいなあと感じると思います。
ちなみに私が前に瀬戸芸に行ったときは、海上タクシーを利用しました。海上タクシーのお話は2020年11月24日配信の66回目のラジオでもその良さをお話ししています。
おそらくほとんどの人は決まった時間に運航するフェリーや高速船に乗って会場の島々に向かうことでしょう。
でも海上タクシーを利用すると、運行時間を気にする必要がなくなります。
私の場合は、丸亀の港から、海上タクシーに乗って瀬戸大橋の下をくぐり高松の港などで待ち合わせている人を拾いながら、会場の豊島や大島・犬島・直島などを回りました。
そんなに大きな船ではないので、10人ほどしか乗れないのですが、運転手付きで貸し切りで乗れるので、とっても気楽なものです。
ひとつの島で作品を見て、また別の島に行くときも好きに出港できるので、時間を無駄なく移動できます。
また本来、丸亀から高松方面に向かう定期船はないのですが、海上タクシーの場合はそれが可能です。
海上タクシーは複数の島々を効率よく巡るときには、とっても便利な移動手段だと思います。
デメリットを挙げるとすれば、費用がフェリーや高速船よりもかかることです。おそらく5倍以上はかかるんじゃないでしょうか。
あとは、フェリーの中の独特なリラックスした雰囲気や、サンデッキからの高い位置からの瀬戸内海の展望を味わえないのは残念なところです。
ゆったりと島を巡り旅をしながら作品を見たいならフェリー、効率よく巡りたいなら海上タクシーという選択肢があってもいいかもしれませんね。
私の場合は、丸亀の港から出発して、いろんな港で合流しながら瀬戸芸を巡っていたことと、割り勘なら、1人当たりの費用がそれほどでもなかったので、海上タクシーを利用しました。
コロナ禍の今回の第5回目は、フェリーも高速船もそれほど混んでいないと思うので、もし瀬戸芸に行くなら、私は今回はフェリーで行くかもしれません。
というわけで、今回2022年4月19日のかっけいのラジオは短いながらもここで終了します。
3年に一度開かれる瀬戸芸は春・夏・秋の会期中でなくても、会期外に行くこともできます。会期外に行くと、すべての作品が見れるわけではなくなり、ガイド・ボランティアもいなかったりしますが、新型コロナウイルスがまだまだ収まっていない状況でもありますので、今年無理におして行く必要はないとも思います。
来年以降、島への宿泊旅行もかねて、のんびりとアート巡りをするのもいい考えだと思いますので、瀬戸芸の楽しみ方の一案になれば幸いです。
「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。