なぜお坊さんは正座で痺れないのか.#302

第302回目のラジオ配信。「正座の痺れ」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

内容まとめ
  • 正座をすると足が痺れる
  • 痺れ方・痛みの感じ方は人それぞれ
  • お坊さんも皆さんと同じように痺れる
  • ただし痺れにくいし、痺れも収まりやすい
  • 理由は正座に慣れているから
  • 正座以外の姿勢でも体を動かしていないと痛いし痺れる
  • 正座をしているとき、お坊さんは微妙に体を動かしている

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。

今回はお坊さんは正座で痺れないのかについてのお話です。

先日バラエティ番組を見ていると、コメディアンたちが正座をできるだけ長く我慢して、立ちあがって走ることができるのかというのがありました。

その番組の最後で、お坊さんがやってみたらどうなるのだろうかというコメントがあって、おそらくお坊さんは正座で痺れにくいのだろうというイメージがあるんだろうなあと思いました。

それで今日は、お坊さんと正座の痺れについてのお話をしていきます。

さて、その前に、そのバラエティ番組の内容を短く言いますね。

一番最初に正座を止めた人の時間は約30分でした。その人は30分が限界のようでしたが、なんとか走り切ることができました。

しかし他のコメディアンたちはまだまだ余裕でしょ。

と笑っていたんですね。

それで残って正座を続けている人たちはだんだんときつくなってきて、ある人は足が痛くなってきた、いや自分はまだまだ大丈夫と、人によって感じ方に違いが出てきたんですね。

50分も過ぎると限界のようで、一人ひとりと立ち上がるんですが、誰一人として、立ちあがること、走ること、動くことができなかったですね。

唯一、一時間を過ぎて余裕の表情を見せていたコメディアンも、正座を止めた途端、嘘〜と言いながら、動けない自分のことにビックリしていました。

結局、最初の30分で正座を止めた人だけが、動くことができたという内容でした。

さて、それではお坊さんはどうなんでしょうかね。

実はお坊さんも痺れます。正座をすると皆さんと同じように痺れます。

しかし、皆さんよりかは痺れにくいです。長く正座ができます。

痺れにくいですし、正座を止めた後、割とすっと動くことができます。

これはなぜなんでしょうかね。

これは単に慣れの問題です。

今までに、正座をする機会が多く、正座をしている時間が長く、痺れに対して強くなっているだけです。

そもそも足の痺れの原因は、足の先への血の流れが悪くなるからです。

正座をすると、体重が太ももにかかり血が通いにくくなって、だんだんと神経が麻痺してくるんですね。

それで、微妙に足が動いたときに、止まっていた血が流れて、神経を刺激して、痛いなあ、痺れたなあと感じてきます。

正座に慣れてきた人っていうのは、その太ももの圧迫に慣れてきた人のことで、正座をしていても足先の方に血が流れるように体が変化してきているようです。

だから正座をしていても、痺れにくい、痛みを感じにくいというわけです。

ただしですね。

圧迫していることに変わりはないので、お坊さんもやっぱり足は痺れますし、痛いです。

当然お坊さんによって、痺れの程度や、痛みの程度は変わってきますよね。

私の場合をいうと、私は一時間以上の正座は普通にできます。普段のお参りでも30分以上座ってお勤めしているので、30分程度だと何の問題もないです。

しかしじゃあ、足が痛くないのかと言うと、そんなことはないです。その時の体の調子にもよりますが、30分もせずに足が痛くなることはあります。

また足が痺れやすい時もあります。

しかし私の場合は、足の痺れが治るのが、すごく早いです。

足が痺れたなあと思っても、正座から立ちあがる数秒の動作の中で、足が動くようになるので、私の場合は、正座をして動けなくなったり、転んだりしたことはまだないですね。

これが私の祖母の場合だと、足の痛みは全く感じなかったそうです。正座に慣れ過ぎていて、どれだけ正座をしても足は痛くならなかったと言ってました。

足の痺れの感じ方、痛みの感じ方は人それぞれだと思います。

私の場合は、一時間の正座は全く問題ないですし、痺れも痛みもその時の体調によって早く来ることもありますが、立ちあがる動作までに痺れが引くので、動けなくなったことは一度もないですね。

もう一度言いますが、正座に強いか弱いかは、単に慣れの問題です。正座をよくしていれば、だんだん正座ができる時間は伸びていきますし、痺れにくくなりますし、痺れても痺れが収まりやすくなります。

お坊さんはよく正座をしているので、そういう意味で、正座に強いわけです。

これで今日のお話はいったん終わりますね。

ここからは余談をしていきます。

個人的には正座は小さい時にいくらかはやっていた方がいいと思います。慣れのためにね。

正座は足の血管の圧迫なので、体重が軽い子供や脂肪の多い女性は、痺れにくいそうです。

逆に体重が増えたり、筋肉質になった大人になってから、いざ正座をしようとすると、痺れやすくなってしまいます。

正座を始めるのは、小さい時の方がまだいいと思います。

さて、正座と言えば、足の痺れですよね。

でも痺れるのは正座だけでしょうかね。

そもそも人間は同じ姿勢をとり続けるのは難しいです。

椅子に腰かけていても同じ姿勢をしていたら、痺れますし痛いですよね。

椅子に腰かけているのに痺れないのは、座り直したり、足を組み替えたりといろいろ体を動かしているからです。

立っている姿勢、休めの姿勢でも、右足を前にしたり、左足を前にしたりと、動かしているから、痺れないだけで、実は、正座以外の姿勢をしていても、体は痺れて、痛くなります。

正座をして、足が痺れる痛いという人は、正座をしながらの体の動かし方ができていないだけなんだと私は思います。

実はお坊さんも正座をしながら、微妙に体を動かして、痺れにくいように工夫をしているんですね。それも慣れと言っていいと思います。

足の指を組み替えたり、一瞬お尻を浮かしたり、左に右に体重を少し動かしたりと、皆さんも正座に慣れてきたら、何となくわかると思います。

正座だから痺れるわけじゃないです。

どんな座り方をしていても、同じ姿勢のままだと痺れてきます。

正座になれていない人は、正座をしているときの体の動かし方が分かっていないから、痺れやすくなっているだけです。なので、正座をしている時の体の動かし方をつかむために、10分でも15分でもいいので、まずは正座をやってみましょう。

ただし関節の痛みなどがある場合は、無理に正座をするのは止めましょうね。

かっけい
かっけい

正座が辛いときは、無理に正座をしないようにね。

法事のときでも、足を崩したり、椅子やソファに腰かけたりしてリラックスしてお参りください。ただし、仏様に手を合わせる時やお坊さんの話を聞く時は姿勢を正してください。

最近はお寺も椅子の設置が当たり前になってきていますし、椅子に腰かけているお坊さんも増えてきました。

無理せずに仏様参りをしてくださいね。

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