Podcast: Play in new window | Download
第153回目のラジオ配信。「挨拶」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川の浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短い雑談をするラジオです。
2022年9月13日に配信の今回は、いただいたご質問にお答えする形でお話をしていきます。
いただいたご質問は、「お寺に行くとお坊さんは、いらっしゃいませとは言わないですよね。お坊さんはなんて言って、挨拶をするのですか。またその挨拶にどう返したらいいですか?」というものです。
さて、ご質問はお坊さんがする挨拶ですね。
よく飲食店やスーパーなどに行きますと、「いらっしゃいませ」という挨拶を聞きますよね。あれは、人が来たときに歓迎の気持ちを表わす言葉のいらっしゃいを丁寧にした言葉らしいので、寺でも問題なく使えそうなのですが、寺では「いらっしゃいませ」とはほとんど使われていないと思います。
事実、私の寺でも「いらっしゃいませ」とは言いませんね。
理由はよく分からないですが、「いらっしゃいませ」には、商売気な、ビジネス的な雰囲気を感じさせるのか、宗教施設、仏様にお参りする空間である寺にはあまりふさわしくないと思われているのかもしれませんね。
また結婚式場や病院や葬祭式場・火葬場といった冠婚葬祭といった場所でも使われていないことも、寺で「いらっしゃいませ」が使われない理由の一つかもしれません。
そんな訳で、寺に来られた方に対して「いらっしゃいませ」の挨拶をするお坊さんはそんなにいないと思います。
では寺ではどんな挨拶をするのでしょうか。
私のところでは、「ようお参りくださいました」が一番よく使われているかなあと思います。
つい先日も、私のいる寺・円龍寺で永代経法要があって、大勢のお参りがありましたが、まずは「ようお参りくださいました」が私の口から出た言葉だと思います。
もちろん「こんにちは」や「この前はようお勤めくださいました」といった挨拶もしますが、やっぱり「ようお参りくださいました」がどなたにも使えるので、お寺の人の挨拶としては便利な言葉なのではないでしょうか。
(もちろん、特別な法要の日ではない、何でもない日に寺に来られている人を見かけて場合は、単に「おはようございます」や「こんにちは」や「こんばんは」、あるいは「なにかご用でしょうか」といった挨拶をしたりもします。)
続けて「その挨拶にどう返したらいいですか?」のご質問にお答えます。
ようお参りくださいましたという挨拶の場合、「こちらこそ」が無難な挨拶返しかなあと思います。
ようお参りくださいましたという言葉は、別に良いお参り・悪いお参りがあるのではなくて、ようこそ、よくぞ、仏様にお参りいただきましたという言葉ですので、お参りの方は、こちらこそ、仏様にお参りするご縁をいただきましてありがとうございますと、「こちらこそ」と挨拶を返していただけたら、それで十分だと思います。
もちろん「こちらこそ」以外の言葉でもOKですよ。
香川だと、「なんしんな」や「どちらえか」みたいな方言のような独特な返し方だってあります。
なんにせよ、「ようお参りくださいました」は寺がお参りの人に対してする一般的な労いの挨拶であり、お参りの方は、「こちらこそ、仏様にお参りさせていただきます」と挨拶を返されたらいいと思いますよ。
以上で、いただいたご質問にお答えできたと思うのですが、ちょっと補足しますと、寺が法要の案内をご門信徒にされる場合、「ご参詣お焼香下さい」や「ご参詣お聴聞下さい」といった言葉が書かれていることもあると思います。
せっかく寺にお参りするご縁があったのですから、寺に参るだけでなく、法要に参加して、お焼香をしてお経のお勤めをして、法話を最後まで聞いていただけたらなあと思います。
特に浄土真宗の場合、聴聞が何より大事と、仏様の話、お念仏の話を聞いていくことをすすめています。
ただ寺に行き、仏様に手を合わしそのまま帰るのではなく、仏様の話を聞いて、最後までお参りいただきたいものです。
できれば最後まで、ようお参りくださいましたら幸いです。
以上で今回の153回目のかっけいのラジオ配信はここで終了します。
かっけいの円龍寺ラジオおよびブログでは、仏教・お寺に関することだけでなく、地元香川のことなど、いろんなことをテーマに取りあげて紹介しています。何か聞いてみたいことがありましたら、ブログの方にメールフォームがありますので、お気軽にお便りを下さいませ。
「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。