コロナ禍の年末年始.ラジオ#70

第70回目のラジオ配信。「年末年始」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

  • 0:49 香川県には2つ有名な初詣の場所がある
  • 1:47 初詣の定義ははっきり決まってない
  • 2:29 新年一番最初にお参りしたのが初詣
  • 4:14 年内に幸先詣+分散参拝
  • 6:12 鈴緒の撤去
  • 8:17 大晦日に除夜の鐘を鳴らす
  • 12:08 円龍寺の除夜
ラジオテーマ「コロナ禍の年末年始」
  • 神社は幸先詣(さいさきもうで)の造語をつくった
  • 年内11月12月の初詣や分散参拝をすすめる
  • お札や破魔矢や熊手といった縁起物は年内から用意
  • 神社は3月の早いころから鈴緒を撤去した
  • 手指消毒を徹底すれば鈴緒はあっても良くない?
  • 寺は大晦日に除夜の鐘を鳴らす
  • 撞木の紐は撤去しなくてもいいよね

今年も後わずか10日ほどで年末年始・大晦日を迎えることになりましたね。

2020年はコロナウイルスでいろんなことが制限される年でしたが、お寺の方も法要の規模を縮小したり自粛したりといろいろ大変な年でした。

ところで皆さまも新年を迎えますと、例年でしたら神社に初詣、あるいはお寺にも初詣に行かれると思います。

私の所、香川県でしたら二つ有名な初詣の場所がありまして、1つは琴平町の「こんぴらさん」という神社です。この前神社本庁から離脱した全国600ほどの金刀比羅神社の総本宮となっている香川県のこんぴらさんには、例年でしたら正月三が日に30万人から50万人くらいが初詣に行きます。

あともう一つ、善通寺に「おだいしさん」といわれる弘法大師空海のふるさとである真言宗善通寺派の総本山の善通寺には10万人から30万人ぐらいがお参りに行きます。

例年でしたら正月三が日は初詣で賑わうんですけども、ただなんて言ったらいいでしょうか?実は初詣というのは厳密なはっきりした定義ってないんですよね。

元旦1月1日元日の朝にお参りするのか、それとも元日にお参りするのか、それとも正月三が日までにお参りしたらいいのか、それとも五日間?一週間?10日間?15日間?それともひと月1月中?、それとも旧正月まで?初詣はいつお参り?いつまでにお参りしたらいいのかというのは、ハッキリ決まっていないんですね。

で、私今年10月中頃のニュースを聞いていましたら、全国9割以上の神社が加盟している神社本庁や神社庁が「新年一番最初にお参りしたのが初詣」らしいんです。今年はそんなことを報道していました。

だから初詣っていうのは、べつに1月1日とか正月三が日とか、そんな混みあうときに来ずとも、皆さん1月や2月や12月や、まあ11月とか余裕をもって神社に初詣にお参りください。とそんなことを言ってました。

でもですね。そのニュースを聞いて、まあ1月2月は私もわかります。私のところでも例年2月ごろの旧正月には町内のお年寄り50人ぐらいが、町内のお宮さん1つとお寺5つを順番にお参りに来られるんですね。

ですので2月に初詣お参りに行くのは私は何もおかしなことではないと思いますが、ただ12月や11月?。いわゆる年内に初詣っていうのは、う~んどうかなあ~っていう印象を私は持ちました。

まあそしたら、私みたいな印象を持ってた人が神社の中にもいたのでしょうか。10月終わりごろになると、ニュースで今度はこんな言葉を使い始めたんですね。

年内に幸先詣に行きましょう!!

うんなるほど。上手い言葉を考えた・作ったなあと思いました。まあいわゆる、後の幸せを願って先にあらかじめ初詣に行きましょうということなんでしょう。

よく幸先が良いという言い方をしますよね。その幸先が良いという言葉と初詣と言う言葉を組み合わせて、「幸先詣」という言葉を作ったんだと思います。

実際これが上手いことヒットしているのか、最近では幸先詣プラス「分散参拝」、分散して参拝しましょうという分散参拝を呼びかけて、皆さんけっこう12月中に初詣に行ってるらしいですよ。

ただですね、そんな幸先詣しましょう分散参拝しましょうと呼びかけたからと言って、「じゃあ皆さんいこうか!」って、そんなことにはならないんでしょうけど、今年は例年と違って、破魔矢とか熊手とか新年のお札お守りをすでに年内のうちから出してるんですね。

そんな風に新年の縁起物を12月にもう出してくれているんでしたら、じゃあ皆さん年内の内に早めに行こうか早めに求めとこうかみたいなことにはなると思いますので、それはさすが、よう考えたなあとお坊さんの私は思いました。

私のところは浄土真宗のお寺ですからお札とかお守りとかなんてないですし、初詣するようなそんな文化的なものもないですから、特に初詣に関しては何も言っていませんが、ただ私がすこし気になっているのが神社の鈴緒です。

今年は1月2月3月と徐々に徐々に新型コロナウイルスの話題が盛り上がってきて、4月になったら緊急事態宣言がでて、皆さんマスクが無いマスクが無い・消毒液もない消毒液もないって、このウイルスってどんな移り方をするんだとざわざわざわ~と混乱していました。

そんなとき大きな神社に行きますと、神社には拝殿・拝むところに鈴がありますよね。神様への挨拶や邪気を払う意味があるらしいですけども、その鈴を鳴らす紐・鈴緒を鈴だけ残してのけているんですね。鈴緒をどっかに片付けていたり、上にくるくると巻きあげて、手が届かない鳴らせないようにしているんです。

そんな光景が10月11月12月と今だに続いて、鳴らせないようにしているんですね。

う~ん。私からしたらあれ見て思うのが、鈴緒の紐はいろんな人が触るからそりゃのけておいた方がコロナ感染予防のためにはよろしんでしょうけども、誰でも鳴らせる鈴緒の紐の横にアルコール消毒液とかを置いて一回一回皆さんに消毒していただいたら、しっかりとした感染予防になると私は思いますが、いかがなんでしょうか?

そりゃ鈴緒の紐は不特定の人が触る所だから危ないから取りのぞくっていっても、他にも手すりとか柱とかみなさん手を置くところってだいたい決まっているのに、神社の鈴緒だけ取りのぞくっていうのは、私は合点がいかないように感じます。

それで言いますと、この年末年始が近づくとお寺もある鳴り物が響くんですね。皆さんも触って鳴らすものです。それはお寺の大きな釣鐘。梵鐘とも言われる鐘のことです。

12月31日大晦日の夜に、俗に百八つ。108回鳴らして1年の煩悩を取りのぞくと言われてたり、大晦日の風物詩として響きを聞くんですが、それを鳴らすためにやっぱり紐が無かったら鳴らせないんですね。当たり前のことですけども。

う~ん。私のお寺でも大晦日の夜は鳴らしています。

で今年もやっぱり鳴らすつもりですが、あれって神社の鈴緒と一緒で外さないといけないでしょうか。鳴らしてはダメでしょうか。

私は大丈夫だと思っています。正直言うと。

それはなんでかというと、さっき言ったように私一人でつくんだったらそもそも大丈夫だと思いますし、皆さんについていってもらうんだったらこれからつくときとつき終わった時に手指消毒していただいて、また鐘撞き堂に人数制限をして密にならないように間隔をあけて上がっていただけたら、私はしっかりとした感染予防ができると思います。

まあお寺によっては、ここ数年、除夜の鐘が騒音・うるさいと言われているのもあるらしいです。それで今回のコロナウイルスの話もあって「そんなに言われるんやったらもうやめるわ」っていうところもあるかもしれませんが、まあ私のところは田舎で、今までどおり大晦日の夜は梵鐘・仏様の声ともされる大鐘を鳴らしますし、新型コロナウイルス対策といっても、撞木、お寺の釣鐘を鳴らすための鐘撞き棒に吊り下がっている紐を、皆さんに一回一回手指消毒すれば、私はしっかりしたコロナ対策になっていると思います。

ですので私のお寺はこれから鳴らしますし、きっと多くのお寺もこれから年末年始鳴らすと思います。

なかなか年末年始はテレビ番組も変わりますし街の雰囲気も変わりますし、やっぱり初詣というのは年を明けてから行きたいですし、除夜の鐘も大晦日に行きたくなると言いますか風情があるといいますか、1年を振り返っていくという意味合いもこめて、大晦日の夜にテレビを見ながらであったり、どこか遠くで響いてるお寺の鐘の音を聞いて過ごすのもいいんじゃないかなあと私は思います。

さあ年末が近づいてきました。約10日ほどです。

いろいろ皆さまも大掃除とかもあると思いますが、新型コロナウイルスにかからないように気をつけて年の瀬をお迎えくださいませ。

ちなみに私のお寺では、毎年12月31日の大晦日の午後11時過ぎ頃から私かっけいが除夜の鐘を鳴らし始めています。私は30秒に一回ほどの周期で鳴らすので、54分で終わるので、11時過ぎから鳴らしています。

ご門信徒皆さまにはご案内は格別だってしていませんが、円龍寺では毎年大晦日の夜11時45分ごろに住職が本堂にて除夜会、除夜のお勤めをしています。

住職が本堂でお勤めをして、その後お参りしてくださった方に順に大鐘・梵鐘を撞いていただいて、麹から作った甘酒をふるまっています。

どういうわけか円龍寺の場合は皆さん他のところを初詣されてから来られているのか、年が明けて30分や1時間ぐらいたってから来られる方がそれなりいますが、まあもしよろしければ、年内の11時45分頃からお勤めもしていますので、大鐘を鳴らして来ていただけたら幸いです。

なかなか田舎の小さなお寺ですから、そんなにたくさんの人がお参りにくるわけではないので、密になることもないと思います。

それでは皆さまも年末年始お過ごしくださいませ。良いお年を。

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2020年の一年を表す漢字は「密・禍・病」

密・禍・病

日本漢字能力検定協会は今年一年の世相を漢字一字で表現するために、全国から今年の一字を募集しています。

新型コロナウイルス感染症が世界的に流行した2020年は「コロナ禍(ころなか)」と呼ばれました。「3密(密閉・密集・密接)」を避けることを呼びかけられ、新しい生活様式が模索されました。

不要不急の外出自粛を政府から要請され、宗教活動である寺や神社からは人気が減りました。

マスク着用・手指の消毒・うがいはコロナ予防に有効でしょうが、鈴緒の撤去はいきすぎた対応に見えるのは私だけでしょうか。寺の鐘撞堂の撞木の紐も撤去しなければなりませんか?

密にならないように配慮し、1人ひとりに手指の消毒を徹底すれば、安心して安全にお寺の鐘をつけるのではないでしょうか。

お寺の大鐘は「梵鐘(ぼんしょう)」とよび、仏様の清らかな声ともされます。

大晦日の梵鐘の響きは、一年の悩みを打ち払うだけでなく、私たち一人ひとりの一年を振りかえる機会をもてる役割を持つと思います。

「密・禍・病」で表されるネガティブな2020年でしたが、年末には寺の大鐘を鳴らす、あるいはその響く音を聞いて、わが身を見つめていただきたいなあと思います。

2019年は令

関連記事:令と寿命の漢字

2019年は新天皇が即位し、元号が「令和」に変わった年です。令は令月・令日のように、めでたい月・素晴らしい日を表しますが、2020年はそれに反して厳しい一年になったように思われます。

リンク先では、私が新元号の一字「令」を見て一番に感じたこと。また記事下には1995年からの漢字一字を一覧で紹介しました。


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年末年始の寺の仏教行事

除夜の鐘・除夜会・修正会

大晦日の夜は、お寺の大鐘(梵鐘)をつき鳴らしますよね。

ラジオでも言いましたが、円龍寺では毎年大晦日の午後11時過ぎから、私かっけいが鳴らしています。また住職は午後11時45分頃から本堂にて、除夜のお勤め(除夜会)をしています。

本堂にお参りし一緒にお勤めをして、お寺の鐘をならしていただけたら幸いです。円龍寺では毎年、麹でつくった甘酒も年内にお参りに来られた方にふるまっています。

除夜(じょや)とは一年最後の夜のことを意味します。つまり大晦日の夜ということ。

ちなみに最近では日中の明るい時間に鳴らす寺が「除夕(じょせき)の鐘」と案内することもあるが。除夕は除夜の中国語なので、夕方にするから除夕の鐘とするのは正しくないです。

また公開していませんが、元日の朝に本堂にて、修正会(しゅしょうえ)をお勤めしています。皆様も新年を迎えましたら、寺社仏閣に初詣されるだけでなく、家におまつりしている仏様にもぜひお参りくださいませ。

関連記事

梵鐘を鳴らす鐘突き棒を撞木(しゅもく)と言います。ただし「しゅもく」には、「鐘木・撞木・橦木」といろんな漢字表記があります。私は「撞木」が正しいと思います。

1月1日や三が日に初詣に行く人は多いですが、旧正月にお参りされる人は少ないと思います。私の住む町では、町内の寺社仏閣をめぐる旧正月参りがあります。

香川県は讃岐うどんが有名ですが、古くからお正月には「あん餅雑煮」を食べる風習があります。白みそ仕立ての雑煮に、餡子がはいったお餅を入れて食べます。

「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。



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