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第63回目のラジオ配信。「デラウェア」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
この音声を配信する予定の2020年11月3日はアメリカ大統領選挙の投票日となっています。
共和党のトランプ大統領と、民主党のバイデン前副大統領との戦いです。
ということで今回はデラウェアぶどうをテーマにして雑談していきましょうか。
今回の大統領選候補のバイデン氏の選挙区は、首都ワシントンの東で、同じく東海岸のニューヨークの南にあるデラウェア州となっていますからね。
ぶどうデラウェアはアメリカのデラウェアが名前の由来となっています。
ただし注意点ですが、デラウェアぶどうはバイデン氏の選挙区のデラウェア州ではなくて、デラウェア州から西に800キロメートルほど離れたオハイオ州デラウェア市で、今から約170年ほど昔の1855年に偶然発見されたぶどうの品種です。ブドウのデラウェアはオハイオ州のデラウェア市が由来で、バイデン氏のデラウェア州は関係ありません。
アメリカにはデラウェアという地名が数カ所あります。というのも東海岸のデラウェア州をはじめ、アメリカには先住民インディアンのデラウェア族がもともと住んでいて、後から入植してきたイギリス人によってデラウェア族は西に追いやられていったんですね。
そんなことが関係しているのか、アメリカにはデラウェアの地名が何カ所かあります。
で1855年にオハイオ州デラウェアで偶然に新しいブドウが発見されて、それがデラウェアと名づけられました。あのかわいらしい赤紫色の小粒のぶどうがデラウェアです。日本には明治時代に伝わってきたそうです。
実は私の住む香川県丸亀市のお隣の多度津町白方という場所は、ブドウ栽培が100年ほど続く香川のぶどうの産地となっています。大正10年(1921年)から大藪さんが多度津白方でデラウェアぶどうの生産を始めたとも伝えらています。
今でもこの白方はブドウの産地となっていて、私は夏になるとブドウ狩りに行きます。
昭和の昔はデラウェアぶどうは大大人気で、どこの農家もデラウェアをつくっていて、すっごく高値で売られていたそうです。
でも最近では大粒で大きな房で皮ごと食べられて、食べる手間のかからないブドウが人気になっているようで、多度津白方でもデラウェアからピオーネや巨峰やシャインマスカットとかに栽培が変わってきてるんですね。
でも私はデラウェアが好きです。
たしかに巨峰やシャインはとてもおいしいです。でも甘さはデラの方が強く、糖度は20度を超えます。また昔ながらの味と言いますか、一粒では満足しない味というか、デラは何度でも食べたくなる味というのもまた魅力的です。かといって大粒のようにすぐに食べ終わってしまうわけではなくて、小粒だから何度も何度も手を伸ばして、長く楽しめるというのもいい点です。
最近では一房300円を切るほど値下がりしてしまい、生産する農家もだいぶ減っている感じです。シャインだと2000円や3000円以上と高値なので、それと比べると作る元気がなくなるのも当然です。
でもそのおかげで、親しいブドウ農家からごくたまに、廃棄するのももったいないからとデラをおすそ分けしてくれたりするのが嬉しいです。
最近の流行りはシャインとかの大粒で皮ごと食べられるぶどうなんでしょうが、私はデラも大好きなので、本当にうれしいです。
ちなみに生食での人気が落ちているデラウェアは、最近ではワインに加工されています。
香川県さぬき市には香川県唯一のワイン工場の「さぬきワイナリー」があって、そこで多度津白方のデラウェアが白ワインに変身しています。
皮が赤紫色のデラウェアだから赤ワインになりそうですが、ワインではデラの絞った果汁を使うので、白ワインになります。
生産量は1000本と多くはなく、もし香川県に来られる機会があるなら、探してみてお試しに飲んでみてはどうでしょうか。10月17日から販売予定なので、もうすでに売られているはずですよ。
ちなみに私はデラウェアを大量に頂くと、ジャムに加工することもあります。
デラは小粒なので大粒ブドウよりも皮の面積が広く、ジャムにするとあの赤紫色が鮮やかに出てきます。
他のブドウ品種と比べると糖度の高いブドウなので、ジャムづくりで使う砂糖の量を減らせるのもいいですね。
私はデラの濃い赤紫を出すために、皮ごとジャムにしています。皮があったら食べるのに邪魔そうな感じですが、焼いたパンに塗って食べてみると全然気になりません。さすがになめらかなヨーグルトと合わせると皮が気にはなってしまいますが、食べ方の組み合わせを工夫すると、皮付きのジャムでも美味しいです。
デラの皮ごとジャムの作り方は以前ブログ記事でも紹介したので、よかったら見ていってください。
デラウェアはどんなブドウ?
- 1855年にアメリカのオハイオ州デラウェア市で命名された品種
- 果皮は赤紫色で、果実は小粒で、甘味が強い(20度位)
- ジベレリン処理した種無しデラウェアが生食で人気だった
- ハウス栽培だと収穫が早く、6月には出荷される
さぬきワイナリーの香川県産ワイン
さぬきワイナリーは香川県唯一のワイン工場です。
香川大学農学部が品種開発した「香大農Rー1」から醸造した「ソヴァジョーヌ・サヴルーズ(赤ワイン)」は、香川県では有名なワインとなっています。通常の赤ワインよりも、ポリフェノール・アントシアニンが豊富で濃い赤色をしています。
さぬきワイナリーでは、香川県多度津町やさぬき市などで収穫されたデラウェアから白ワイン「さぬきワイン」を作ることもしています。2020年は限定1000本です。香川県内のスーパーや道の駅でも売られているそうですが、さぬきワイナリーのオンラインショップで購入するのが一番お手軽かもしれませんね。
ぶどう酒と仏教
キリスト教ではワインを「キリストの血」だと位置づけて密接な関係があるように思えるが、仏教でもワイン(ぶどう酒)は登場します。
ラジオ20では仏説観無量寿経の王舎城の悲劇から、お妃が王様のためにぶどう酒を瓔珞に詰めて運んだことを話しました。
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デラウェアのジャムとスムージー
ワイン醸造の時は、デラウェア果実を潰した白い果汁を使った白ワインですが、自家製のジャムやジュースでは皮ごと使ってみてはどうでしょうか。
皮を使うことで濃い赤紫色が鮮やかに出てきますし、皮に含まれる栄養も取ることができます。例えばデラウェアの皮には、発がん抑制作用を持つとされる「レスベラトロール(ポリフェノール)」があります。
「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。