阿弥陀仏の後光(ごこう).#233

第233回目のラジオ配信。「後光(ごこう)」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ内容まとめ
  • 浄土真宗のご本尊は阿弥陀仏
  • 仏像は仏さまのはたらきが感じられる工夫がある
  • 浄土真宗の阿弥陀様は前傾姿勢
  • 阿弥陀様には二つの後光・光背がセットになっていることがある

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県丸亀市にいる浄土真宗のお坊さん、私かっけいの音声配信です。

今回は、浄土真宗のご本尊、阿弥陀様の後光をテーマにお話していきます。

さて浄土真宗のご本尊様は、阿弥陀様、阿弥陀如来ですね。

浄土真宗では、たいていの場合、立ち上がった状態の阿弥陀様であるでしょう。ご家庭のお仏壇の阿弥陀様を見ていただいても、まず間違いなく立ち姿のはずです。

それでまた、浄土真宗のお寺の本堂に安置されている阿弥陀様は木造の仏さまであることが多いです。お仏壇の阿弥陀様は絵で描かれたお姿や、南無阿弥陀仏の文字で書かれたお姿かもしれませんが、お寺の場合はより立体的に見えるようにか、木造の立ち姿になっています。

仏像というのは仏さまのはたらきがどんなものかというのが、拝んでいる人にわかるように工夫されています。

例えば、お寺の阿弥陀様をみますと、前傾姿勢、前のめりになっています。

これは浄土真宗のご本尊の阿弥陀様は、阿弥陀様の方から私たちの元に駆け寄って下さっているんだよということを表しています。

座って待っておられず、立ち上がっているのもそれを表しています。

他にもいろんな特徴があります。

その一つが後光です。後ろの光という文字です。

仏さまの体の後ろ、背中の方からの光ということで、光背とも言います。

後光・光背というのは仏様がもつ特徴の一つで、仏像にはほぼ間違いなくあります。

後光・光背の形は仏さまや仏教宗派などによっていろいろ形が違いますが、仏像には決まってあります。

さてそれで私は浄土真宗の興正派のお坊さんです。

同じ宗派のお寺にお参りしていろんなご本尊の阿弥陀様のお姿を拝見するんですが、最近どうも私の中であれ変だなあと思うことがあります。

変だなあと思ったのは、私の普段いる自坊円龍寺の阿弥陀様は頭の付近から放射状にのびる線状の後光だけなのに、近隣の同じ宗派の阿弥陀様は放射状にのびる後光だけじゃなくて、お体全体を包む大きな後光がセットされています。

この前、本山興正寺にお参りした時も、本山の阿弥陀様は頭のところからの放射状にのびる後光と、お体全体を包む後光の二つがセットになっていました。

仏像の形は仏像を彫られた仏師によって異なるでしょうから、まあそんなに気にする必要はないかもしれません。

もしかすると、私のお寺で仏像を彫ってもらうときに、その時の寺の住職がこうするようにと依頼したかもしれませんしね。

ちなみに私がここで言っている阿弥陀様のお体全体を包むような大きな後光とは、舟形光背という後光のことです。

仏教で一番尊い花、ハスの花びらをイメージした船の形をした後光です。

この意味を簡単に言うと、南無阿弥陀仏の教えは楽ですよ難しくないですよということです。

ちょっと難しく言うと、阿弥陀仏の本当の願いを船で表わしたものです。

それは、陸の道を自分の足で歩いていくのは大変だけども、水の道を船に乗ってそれも仏さまによって運んでもらうのは楽ということです。

舟形光背は阿弥陀様の救いのはたらきは、お浄土へのいき方は難しい道のりじゃないよということを表しているとも言えるでしょうね。

そういった舟形の大きな後光が、私の周囲のお寺では頭の付近から放射線状にのびる後光とセットになっていることが多いのに、どうして私のお寺のご本尊には放射線状にのびる後光だけなのかなあと最近、ふと疑問に思いました。

もちろん頭付近からのびる放射状の後光だけでも十分なんですよ。

皆様のご家庭のお仏壇にまつってある絵姿の阿弥陀様を見てください。おそらく放射線状にのびる後光だけだと思います。舟形の光背はないはずです。

それに私の勘違いだったら申し訳ないんですが、東本願寺をご本山さんとする宗派、真宗大谷派さんの御本尊も舟形後光は基本無かったように思います。

なので、私のところの寺、円龍寺のご本尊に舟形後光がなくても全くおかしいわけではありません。

ただ近隣の同じ宗派のお寺や本山のご本尊様には二つがセットになった後光なので、なぜ私の寺には頭付近からのびる線状の後光だけなんかなあと気になった次第です。

もしよかったら、今度私のとこのお寺、円龍寺にお参りに来られた際は、どんなお姿をされているかよくご覧になってくださいませ。

以上で今回のお話を終えます。

それともう一つ余談をしますね。

実は私のお寺のご本尊にはもうひとつ特徴があります。

おそらく他のお寺のご本尊様にはないんじゃないかなあと思います。

その特徴は足元の蓮にあります。

仏さまの像をみますと、蓮華の台座の上に仏さまがいらっしゃることがわかりますよね。

浄土真宗のお寺でしたら、大きな蓮の華の上に阿弥陀様がお立ちになっています。

普通は大きな一枚の蓮の華ですが、私の寺のご本尊はそれぞれの足に蓮の華があります。つまり二枚の蓮の華が台座になっています。

遠くからだとパッと見わからないですが、よく見ると足元のハスが二つに分かれていることがわかります。

それが私のとこのお寺のご本尊の特徴です。

48本の光

浄土真宗のご本尊は阿弥陀仏です。阿弥陀というのは、光の仏さまともいわれます。

阿弥陀仏の仏像の後光は放射状にのびています。この後光の本数は48本であることが多いです。

これは仏説無量寿経で示された阿弥陀仏の本願(四十八願)を表したものです。四十八願は阿弥陀仏が仏になられるとき、あらゆる人たちを必ず救うと誓われた48の願いのことです。

それが象徴的に表されているのが、48本からなる放射状にのびる後光です。

12の光のはたらき

阿弥陀仏は無量光仏とも言われます。はかり知れない限りのない光の仏ということです。

阿弥陀様のすぐれた光のはたらきを表す言葉に「十二光」があります。

65回目の音声配信では、その十二の光をテーマに話しているのでよかったらおきくださいませ。

「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。



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