お寺のソテツ.#235

第235回目のラジオ配信。「ソテツ(蘇鉄)」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ内容まとめ
  • ソテツの新芽は6月ごろから伸びる
  • お寺にはソテツがよく植えられている印象
  • ソテツには雄の木と雌の木がある
  • ソテツの花や実は珍しくない
  • ソテツの剪定は若葉の伸びる頃が一般的らしい
  • 私は冬の2月ごろに剪定する
  • ソテツの葉は仏花に使える
  • 本堂の仏さまにお供えすると存在感がある

かっけいの円龍寺ラジオ

これは香川県にいるお坊さん、私かっけいの音声配信です。

私のお寺にはソテツが生えています。今回はソテツをテーマにしてお話していきます。

さてこの音声を録音している今は6月頭です。初夏の終わりごろですね。これから香川では梅雨の時期になってきますし、田植えの時期、アジサイの花が咲く時期にもなります。

それと同時に、私のお寺ではソテツの新芽が伸び始める時期となります。

私の印象になりますが、お寺にはソテツがよく植えられているように感じます。

ソテツは風通しの良いところや日当たりの良いところを好むらしいので、お寺のような広々としたところがきっと育てやすいんでしょうね。

それに手がかからないので放任気味に育てることもできるのがいい点ですね。

それでいて、成長スピードがとってもゆっくりなのもグッドです。一年でほんの数センチしか高くならないそうなので、何十年たっても、手が届きお手入れしやすいのもたいへん助かります。

生長が遅く、一年中緑色なので、姿かたちがあまり変化しません。そういったのも、お寺にお参りに来られる人にとって、いつもとかわらない景色を見せてくれる植物としてソテツが好まれるのかもしれませんね。

ちょうど今6月は、ソテツの新芽・若葉が伸びる時期になりました。

ソテツは幹の一番上の生長点から、葉っぱが勢いよくのびます。

成長しきったソテツの葉は緑色が濃くてごつごつ固い葉っぱで、それでいて葉っぱの先端は刺すように痛いです。ですが、新芽の若葉のソテツの葉っぱは、淡い緑色で、葉はとてもソフトです。

6月からのソテツはそういった柔らかい表情の葉を見せるので、この時期にお寺に来られた際には、ソテツの木もよくご覧になっていただけたらなあと思います。

さて私のお寺の蘇鉄の木は、雄の木と雌の木がそれぞれ離れたところにあります。

雄の木は本堂と山門の間、雌の木は玄関の前にあります。

私の身長の倍以上も高さがあるので、だいぶ古い蘇鉄かもしれません。

インターネットとかで調べると、ソテツの花は珍しい、ソテツが実をつけるのは珍しいとありますが、私のお寺ではほぼ毎年、ソテツの雄花・雌花が咲き、赤い実をつけます。

珍しいという話が信じられないですが、それだけ私のところの蘇鉄の木が古くなってきたということなのでしょうか。

ソテツにも品種がいろいろあって、たまたま私のお寺にあるソテツは花や実をつけやすいタイプなのでしょうか。

ソテツの花はソテツの新芽が伸びる6月7月ごろに出てきますので、これもお寺に来られた際には観察されてはいかがでしょうか。ソテツの花は大きいので、一目で分かると思います。

さてそれとソテツは手間がかからないといっても、剪定はしなければなりません。古い葉を切り落とす作業です。

ソテツの葉の剪定の仕方、時期はいろいろあるでしょうが、ソテツはとっても丈夫な植物です。一年中どの時期に切ってもおそらく大丈夫なはずです。

一般的にはソテツの剪定時期は初夏とされます。今頃ですね。この6月ごろに新しい芽が伸びます。それに合わせて下向きに下がった古い葉を落とすのが一般的らしいです。

でも私はなるべく冬の頃、2月や3月ごろに葉を落とすようにしています。

それには3つほど理由があります。

香川では例年6月が梅雨入りの時期です。できることなら雨が降る前に、剪定と片づけをしたいです。これが一つ目の理由です。

二つ目は、新芽の伸びる時期に古い葉を落とすとなると、新芽を傷つける恐れがあるからです。私のところの蘇鉄は大きいので、脚立を使って上の方から葉を落とします。すると下の方にあるソテツの新芽は折れます。

なので新芽が伸びるころに切るのは私は苦手です。

三つ目の理由は、ソテツの実を収穫するためです。

ソテツの実は11月ごろにできます。この時期に実をとりたくてもソテツの固い鋭い葉が邪魔をするので、非常に取りづらいです。

なので私はソテツの葉を落とすときに合わせて実をとるようにしています。

そういったわけで、半年以上も木にならし続けずに、冬の2月ぐらいに早めにとっているわけです。

ソテツは丈夫なので、新芽が伸び始める6月の時期じゃなくても、一年中いつでも葉を落とすことができると思います。

それでは、次が最後の話にしますね。

実は私のお寺ではソテツの葉を仏花に利用しています。仏さまの前にお供えする花瓶にソテツの葉を入れています。

私の印象ですが、これは別に私のとこのお寺だけでなく、他のお寺でもソテツの葉を仏花にしていると思います。

ソテツの葉は濃い緑色ですし、葉も大きいですし、光沢もあるので、お寺の本堂でお飾りしても存在感があります。

冬のようなお供えする植物が少ない時期でも、ソテツの葉はお寺の境内からさっと用意できるので、大変重宝しています。

そういった点でもソテツはお寺に欠かせない植物となっているわけです。

以上で、今回のソテツをテーマにしたお話を終えます。ソテツの剪定方法は、ずっと以前に、円龍寺のブログ記事にて紹介しているので、そちらを参考にして頂けたらと思います。

「円龍寺かっけいラジオ」では、番組へのメッセージを募集しています。ご感想や取りあげてほしいテーマなどもお寄せ下さい。



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