香川の川.ラジオ#47

第47回目のラジオ配信。「香川県の川」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ「香川の川」の内容まとめ
  • 香川は雨が降りにくい。雨水の少ない土地
  • ふだんの川には水が少ない。枯れているように見えるほど
  • 香川という河川名はない(はず?)
  • 香川の地名の由来は諸説ある
  • 雨が降るとあっという間に水かさが増し、すぐに水が引く
  • 大雨特別警報のような大雨が降ると香川は脆いと思う

今年の梅雨も集中して雨がふりますね。この音声は7月5日に収録しているのですが、先日7月4日は熊本県で大雨が降っています。大雨特別警報が出て、川の氾濫・土砂災害など激しい被害が生じているようです。

思えば2年前の2018年にも、ちょうどこの時期に西日本は大雨が降りましたね。

まだよく覚えていて、たしか7月4・5日は瀬戸大橋や明石海峡大橋が通行ストップしたと思います。

私の住んでいる香川でも雨のせいで視界が悪く前が見えず、外に出歩くのも危険なほどでした。庭も水浸しでした。きっと今回の熊本はそれ以上ずっと大変な状態なのでしょう。

2018年の時は九州よりも四国・中国地方の被害がすごく、愛媛県ではダムの緊急放流も相まって川があふれ、広島岡山も洪水・土砂崩れがすごかったようです。

今、ニュースをみると、熊本県の球磨川(くまがわ)が大変危険な状態だそうですね。鉄筋の橋が流れ、一部では川が氾濫したとの情報もあります。

私はニュースを見てるだけで、けっこうしょうもないことを思っていて、球磨川って、球(たま)と磨(みがく)でくまがわって読めるんですね。

ニュースの字幕だけをみると、どうしても「たまがわ」って読んでしまいそうになります。熊本という地名から球磨川なんでしょうか。ちょっと気になりますね。

それで言えば香川県といえば、香る川と書いて香川と呼びますね。

でも実は香川県には香川という川はひとつもないんですよ。もっといえば、日本全国の河川にも香川という川はないようですね。

不思議でしょう。

なんで他に川がつく県名の神奈川や石川という名前の川はあるのに、香川という川はないんですね。

人の名前ではありふれた香川ですが、土地の名前では実はいまでも、香川の地名の由来ってよくわかっていないんですね。どうして讃岐の国が香川県になったんですかね。

むかし香川県には樺の木がたくさん生えている川があって、その川の水の流れが樺のいい香りだったから「香る川」となった説が一番有力なのかな。

他には高松市にある根香寺(ねごろじ)が香川の由来とも言われてます。根っこが香る寺と書いて根香寺です。

9世紀に根香寺の千手観音が彫られるんですが、この切った仏さまの根っこからいい香りが周りに漂ったからこれが香川という説や、戦国時代に香川氏が高松周辺を治めていたからとか、いやいや奈良時代からすでに 「香河郡」という群名があって、平坦な土地をあらわす言葉だったという説とかいろいろあります。

で私が一番もっともぽいなあと思っているのが、水が枯れている川、「枯れ川(かれがわ)」から香川になった説がそれっぽい気がするんですね。

これが香川の川の特徴を一番表しているように思うからです。

県外から来た人にとって香川の川はふだん全然水が流れてなくて、しょぼい川やなあって言うですね。雨もあんまり降らないから、災害がないところって本当なんやなあて言うんですね。

でも災害がないっていうのはちょっと間違いです。

私10年ほど前に香川大学で防災士講座を受講して防災士試験にも合格しました。そのとき学んだことですが、香川の川・地理条件はけっこう特殊なんですね。

香川は昔々奈良時代からずっと、水不足におちいりやすいところでした。

それはひとつは雨が降りにくい土地だからです。北は中国山地と瀬戸内海、南は四国山地があって雨が香川に来る前に振り切ってしまうんですね。

だから香川の川はふだん水がほとんど流れてなくて、枯れた川のようにみえます。

でも香川の川は暴れ川ともされます。雨がちょっと激しく降ると、あっという間に水かさをまして、堤防すれすれまで水かさがますからです。

香川県は南北に50キロメートルしかなく、南に位置する標高1500メートル以上の四国山地に降った雨が一気に海に流れるので、降った雨が全部海に行ってしまうんですね。

だからため池とかで水をためておかないと、香川の川はあっという間に増水して枯れてしまいます。ですので、香川県は大雨警報はなかなかでないですけど、洪水警報はわりと出やすかったりします。

あっという間に雨水が海に流れて行って、土が削れて堆積せず、また川の水があふれないように堤防を高くしているのが香川の川です。

今でこそ、香川は台風もない・地震もない・雪もない・津波もないと災害が少ない県という認識もあるようですが、明治・大正・昭和では川の水があふれる大雨はなんども経験したそうです。

それこそ私のすぐ近くにも金倉川という天井川がありますが、明治・大正・昭和のはじめは水があふれることも多く、ある人の話を聞くと、わらを積み上げたわらぐろで雨をしのいでいると、500メートル以上も金倉川から川上方向に流されたそうです。わらぐろに捕まってなんとかおぼれず、ため池まで流されて助かったそうです。

晴れの多い香川県は何もない時はのどかなところで災害なんて縁のない場所に思えますが、いったん大雨が降れば川の水が急激に増して表情を変えます。

今、熊本県では数十年に一度のこれまで経験したことのないような大雨の特別警報がでていますが、もし香川に同じような大雨が降れば甚大な被害がでるだろうなあと思います。それが香川の川です。周りの県で大雨が降っても香川はあまり雨が降りませんが、その油断がいつか痛い目を見そうです。

あともうひとつ小ネタを言うと、香川には一級河川がひとつしかないんですね。一級河川とは簡単に言うと、国が管理している川のことですね。

都道府県では、沖縄だけ一級河川がなかったと思います。

でも香川県唯一の一級河川・土器川をみたら、多くの人がなんでこんな規模の川が一級河川何だろうと不思議に思うと思います。

私もなぜ、こんなに川幅も狭く南北も短く水もあまり流れていない川が、一級河川になっているのか理由はよくわかりません。

そんで香川の人がよく冗談でこんなことを言うんですね。

香川県には大平正芳という総理大臣がいたんですね。

大平さんが就任する時に、内閣総理大臣の出身した香川県に一級河川がないとダメだろうという声や、地元香川県の負担を減らすために土器川を国が管理する一級河川にしたいという、権力者のごり押し・忖度で香川に一級河川が誕生したような冗談を言うんですね。

でも本当にこれは冗談の話ですよ。

というのも大平正芳さんが総理大臣に就任したのは1978年のことで、土器川が一級河川に指定されたのはそれよりも10年早い1968年ですからね。

大平正芳さんが総理大臣になったのと、土器川が一級河川に指定されたことはまったく関係ないですね。

神奈川と石川

「香川」という河川名は香川県になく、また日本のどこにもないはず。

他、川がつく石川県や神奈川県と、「石川・神奈川」の河川名はあります。

  • 神奈川(滋賀県)
  • 石川(大阪府や新潟県など)

滋賀県の神奈川は「かんながわ」と呼びます。「かながわ」ではありません。参考サイト『AGUA神奈川』

補足

香川という川はないが、香川県には「香東川(こうとうがわ)」とよぶ川がある。そしてこの香東川が香川の県名由来だとする話もある。

ただし香東川の由来もはっきりせず、木の香りが渡ってくる川「香渡川(ことがわ)」が変化したという説もあれば、戦国時代の武将の香西氏に対して東に位置したから「香東」とよんだとか、まあ色々あります。

直近の香川県の水害

降雨の少ない香川県は、他県と比べて目立った水害はないように感じるかもしれないが、それなりひどい水害が発生している。

次の香川県の公式サイトでは直近の被害をだした台風、「昭和51年の台風19号」と「平成16年の台風16号・23号」を紹介している。⇒『香川の河川ホームページ 過去の水害実績

防災士

防災士(ぼうさいし)とは、日本防災士機構による民間資格。 

私は2010年に防災士講座を受け試験に合格しました。当時の合格率はほぼ100%だったと思います。それぐらい簡単な試験で、3択のマークシート方式だったと思います。

記憶ではこんな問題があったと思います。

問い

台風とは熱帯の海上で発生した低気圧のうち、最大風速が○○m/s以上となったものをさす

  • 15 m/s
  • 17.2 m/s
  • 20 m/s

台風の定義(条件)を答えよの記述式だったら難しいですが、マークシートでしかも数字が一つだけ具体的すぎるので、答えを知らなくても、ああ17.2 m/sを選んでほしいんだなあと分かりますよね。

正直なところ、防災士試験は受験すればほとんどの人が合格できます。ですが、防災の講義や実習を通して、防災・減災・自助・共助・公助に関する知識や救急救命・AEDの技能を身につけられたのは良い経験でした。また地域の災害ポイントを講習者で協力し話し合って確認できたことも良い経験でした。

防災士になるには年齢制限はありません。子供からお年寄りまで隔てなく学ぶことができます。

めっちゃ簡単な資格だから、気軽に受けてみてはどうかな。防災士機構の公式サイトをリンクしておきますね。⇒『日本防災士機構

防災士は資格を取ることよりも、

  • 防災意識を高める
  • 防災・減災の知識を得る
  • 救命救急の技能を身に付ける
  • 話し合い・協力することに慣れる

といったことがずっと価値のあると思いますよ。防災士になる過程、おすすめです。

一級河川と二級河川

香川県の一級河川は土器川のみ。でも土器川って、ふだんあんまり水も少ないし川も小さそうだし、どうして一級河川なんだろうか。

国土交通省の公式サイトで『一級河川と二級河川の違いは?』という答えがあった。

それによると、国土保全上あるいは国民経済上、特に重要な水系で政令で指定されたものを「一級水系」と定めて、一級水系にかかる河川のうち河川法による管理を行う必要があって、国土交通大臣が指定した河川が「一級河川」となるようです。

つまり国家レベルで見たときに「国土保全上」と「国民経済上」で重要な川と判断されたら、一級河川となるようです。そんなわけで土器川は一級河川に該当すると判断されたんでしょう。

ちなみに日本の一級河川の数は1万4066あり、二級河川のほぼ2倍の数です(2019年4月30日現在)。参考『河川データブック2019-国土交通省

香川の一級河川は土器川1つだが、二級河川は275もあります(2019年4月30日現在)。二級河川数は全国9番目ですよ。日本一狭い県ですが、けっこう川多いでしょ。

香川に関する内部記事

振り返ると、私けっこう香川について、書いたりラジオで話してたりしてました。

一部をピックアップするので、興味があればぜひ見ていってください。

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