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第125回目のラジオ配信。「砂糖のお飾り」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)
かっけいの円龍寺ラジオ
この番組では香川に住む浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。
先日、年忌法事の席で、仏壇のお飾りについて質問されました。
その内容は、「お砂糖を仏壇にお飾りするお餅の代わりにしてもいいですか」というものでした。というわけで、125回目の今回は「仏壇のお砂糖のお飾り」について短く雑談します。
まずはじめに、お仏壇ご仏前のお供えは、お餅・お菓子・果物が基本となります。他にも山海里や百味飲食がありますが、今回は省きます。基本は、お餅・お菓子・果物です。
時代は変化していますが、やっぱり日本人の主食、古来からの流れで行きますと、穀物は私たちにとって大事な食べ物ですので、仏様の一番正面には焚いたお米のお供え「お仏飯」をお供えします。
お仏飯の形は宗派によって色々あるでしょうが、私のところの宗派では、植物の蓮をイメージして、蓮の実の形のような蓮実形、蓮の莟の形のような蓮莟形の2種類の盛り方を使い分けます。
今回のご質問はお仏飯をお砂糖にしてもいいですかではありませんが、最近では、お仏飯が食品サンプルのようなポリ塩化ビニルのものになっていたり、ゴルフボールだったり、発泡スチロールだったりと、お米のお供えどころか、口に入れる食べ物ですらなかったりすることがあります。
これはよろしくありませんね。
仏壇の一番上の段。仏様の近くのお飾りは、お米、穀物だということをまずは念頭に置いてくださいませ。
それを踏まえて今回のご質問、仏前にお飾りするお餅をお砂糖で代用してもいいですかについてお話します。
結論をいいますと、お砂糖で代用してもいいですが、法事といった特別なご命日法要のときには、お餅をお供えしてほしいところです。
いつも言っていますが、仏壇のお飾りというのは、お寺の本堂のお飾りをまねたものです。なるべく仏壇のお飾りもお寺のお飾りと同じような形にしていきます。
お寺では法事法要のとき、お餅のお飾りをします。
私の寺の場合は、お餅屋さんに依頼してお餅を用意していますが、寺によっては、毎回お餅をついてご準備しているところもあります。
一応、宗派の作法的には、お餅を串刺しにして交互にずらしながら立体的にお飾りするのですが、ちょっと簡略化して、円盤状の板に交互にお餅をつんで立体的に盛ることもあります。
小餅の時もあれば、鏡餅のときもあります。
そんな風にお寺の本堂ではお餅をお飾りしているので、できるかぎり家のお仏壇でも、お餅をお飾りしてほしいところです。
一方で、お寺でも串刺しにしたお餅を用意することが難しいこともあるので、砂糖盛りと言って、お砂糖で代用することもあります。ですので必ずしも砂糖で代用したら駄目というわけでもありません。
仏壇屋さんに行きますと、蓮の形をしたカラフルな色をした砂糖菓子もありますので、普段はこれをお飾りしてもいいかなと思います。
砂糖はかつては高級品だったこともあり、ご仏前にお飾りするのにふさわしいのでしょうし、たいたお米、お餅と比べてかなり日持ちもします。
とっても楽で便利なのですが、お仏飯で説明したように、仏様へのお飾りはお米・穀物がまず一番なので、大切な年忌法事の時は、無理のない範囲でお餅をご用意しましょう。
以上で、2022年2月22日の配信。お砂糖のお飾りについてお話しました。
かっけいのラジオはここで終了します。来週もまた聞いてくださいな。ポッドキャストでも配信していますので、iTunesなどのアプリで「レビュー・評価・登録」してくれたら嬉しいです。
ちなみに仏様にお飾りした小餅や鏡餅は、お参りの人たちにお流れ・お下がりとして分けてお持ち帰りいただきます。
ですので、お餅の代わりにお砂糖をお飾りされる場合も、そのような形にされるか、あるいは別に法事の引き出物にあらかじめお砂糖をご準備するのがよろしいと思います。
それともう一つ余談を言いますと、私の住むところでは、仏壇のお砂糖飾りのことを「はくせいとう」と言うことがあります。
砂糖と違って美味しくなく料理にも使えない「はくせいとう」ですが、おそらくこれは、標準語で「はくせっこう」のこと、関西では「はくせんこう」のことだと思います。
ご興味のあるかたは「はくせいとう」・「はくせっこう」・「はくせんこう」でお調べくださいませ。
白雪糕(はくせっこう)
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