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七体の六地蔵.ラジオ#166

第166回目のラジオ配信。「六地蔵」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

ラジオテーマ「地蔵」内容まとめ
  • お地蔵様は交差点や路端のふとしたところにいる
  • 墓地の入り口にならんでいることも
  • 六地蔵(ろくじぞう)という
  • 地獄餓鬼畜生、修羅人間天の6つの世界を、地蔵菩薩がそれぞれの場所で救う
  • 七体の六地蔵のこともある
  • 私の地域では七体目は阿弥陀如来様
  • 6つの世界をこえて阿弥陀様のお浄土に生まれ往くことを表す

かっけいの円龍寺ラジオ

この番組では香川の浄土真宗のお坊さん、私かっけいが、短いおしゃべりをするラジオです。

2022年12月13日配信の今回は、お地蔵さんについて短く雑談していきます。

さて、皆さんは生活の中でお地蔵さんの姿を目にすることはありますか?

あんまり見た覚えがないなあという人もいると思います。

でも街中を少し歩いて見渡してみますと、あちらこちらと意外なところに、ちょこんとお地蔵さんの像があることに気がつくと思います。

趣味というほどのことではないですが、お出かけをしているときに、お地蔵さんの姿が見えないかなあと、探すのが私のちょっとした趣味みたいなものになっています。

交差点や路端のふとした所の石に、お花がお供えされていたり、赤い布が掛けられていることがあります。そんな所にお地蔵様の像があったりします。

道路のふとした道端にお地蔵さんの像があるのは、そこの場所がかつての村の境界を示すところであったり、あるいは、旅人や子どもたちの安全を願うためにということでまつられていたそうです

今ではひっそりと目立たないですが、お花といったお供え物がされているのは、今でもその場所に住む人にとって、守り神のような大切な仏さまということですね。

またお墓に行くと、墓地の入り口に数体のお地蔵さんが並んでいることがあります。

六地蔵と言われるもので、人が死んだ後、地獄や餓鬼や畜生、修羅、人間、天といった6つの世界に行き迷い苦しむ人のために、地蔵菩薩がそれぞれの場所で救うということです。

仏教では地獄餓鬼畜生、修羅人間天の6つの世界はいずれも苦しみの世界であり、そこから仏の世界へと生まれいけるようにと菩薩たちが働いてくれています。

お墓のお地蔵さんがよく6体並んでいるのは、そういった意味なんですね。

私の住んでいる地域では、昔は墓地が火葬する場所だったらしいです。

家で葬儀をした後、ご遺体を大八車に載せて墓地に運び、そこで一晩かけてご遺体を焼いて朝にお骨を拾っていたそうです。

当然ご遺体をキレイに焼くには誰かがつきっきりで火の番をしなければなりません。

そういったときに、側に常にいてくれていたのが、お墓のお地蔵様というわけです。

お地蔵さんは道端でもお墓でも、いつでもどこでも見守ってくれている存在なんですね。

さてちなみに私の住んでいるところでは、六地蔵の像が七体ならんでいることがちょこちょこ見られます。

六地蔵には特に説明書きも何にもないので、なぜ七体も仏像があるのか不思議に思われる人もおおいことでしょう。

私の地域では七体いる六地蔵の真ん中は阿弥陀如来様であることが多い気がします。

真ん中の仏さまの像をよくみますと、頭の後ろ、背中の方から放射状に線が伸びていたりします。

まっすぐと放射状にのびる線は、阿弥陀様の後光の線で、あらゆる人々を救うといった阿弥陀様の願いの光をあらわします。

浄土真宗では亡くなられた方は、地獄や餓鬼や畜生や修羅や人や天といった迷いの世界に往くのではなく、阿弥陀様のいる極楽浄土に生まれ往きます。

六地蔵に阿弥陀様の像があるのは、六つの世界をこえて阿弥陀様の世界に生まれ往くことを表しているのだと私は思います。

私のすんでいる地域は格別、浄土真宗だけが多い場所ではありませんが、墓地に行きますと、阿弥陀様だけをまつる小さな祠があったりと、お地蔵さんだけでなく阿弥陀様のお姿もよくお墓に見られます。

お地蔵さんと阿弥陀さん、どっちが偉いとかそういった優劣があるわけではないですが、いずれにしても、人びとの不安を取り除き、迷いのない仏の世界に導いてくれるはたらきがあるんだと思います。

ちなみに六地蔵といいながら、お地蔵さんの姿が5体のときもあります。

また七体の六地蔵すべてが、お地蔵様だったりすることもあります。

五体、六体、七体といろんないわれがあるんでしょうが、その違いはなんなのかなあと思いながら、お墓のお地蔵さんを見つけて拝んでみるのも面白いと思います。

さて今回は以上で、お地蔵さんのお話を終えます。

そろそろ年末年始、あと2週間ほどで大晦日が近づいていますね。

大晦日と言えば、日本昔話の笠地蔵の話が思い出されます。笠地蔵は一年最後の大晦日のお話でしたよね。

笠地蔵はこんなお話です。

ある所におじいさんとおばあさんがいました。

笠を売りに行ったお爺さんはその帰りしなに、路端にならぶお地蔵様をみつけます。お地蔵様が寒かろうと頭の雪をはらい笠を一体ずつかけていき、手ぶらでお爺さんは家に帰ります。お婆さんは手ぶらで帰ったお爺さんを責めることなく、それはよいことをしましたねと喜びました。

その大晦日の夜、寝ていたお爺さんとお婆さんは、外で重たいものが落ちた音がしたことに気がつき外の様子をみます。

すると家の前には米俵や魚や野菜といった贈り物がたくさんあり、遠くに笠をかぶった後ろ姿が立ち去っていくのが見えました。

笠をかぶった方のおかげで、お爺さんおばあさんはよい新年を迎えられたという日本昔話です。

日本全国にある笠地蔵のお話ですが、このときにでてくるお地蔵さんも5体であったり、6体であったり、7体であったりと微妙に違うようです。

私が子供のころに読んだのは6体のお地蔵様の笠地蔵でしたが、皆様の地域では何体のお地蔵様でしたでしょうか。

久しぶりに笠地蔵を読んでみると、懐かしい気持ちになりました。

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