夏のお寺は涼しいって本当なの?ラジオ#7

第7回目のラジオ配信。「夏のお寺は涼しくて気持ちいいのか。暑くないのか」がテーマです。(BGM:音楽素材MusMus)

8月16日のお盆が過ぎますと、なんとなしに朝晩の暑さが和らいできて、ようやく残暑も少しは過ごしやすくなってきたように思います。

特に今年は15日に台風がやってきたのもあって、過ぎ去るとちょっと涼しくなりました。

8月暑い時になると、お坊さんはこんなことを言われます。「夏のお寺の本堂は涼しくてよろしいんじゃないんですか?」って。

正直なことを言うと、お寺の夏というのは涼しくないんです。外にいるのと同じような感じです。本当ですよ。

お寺であったとしても、夏涼しいわけではないんです。

どうして皆さん、お寺の本堂が涼しいと思われるんでしょうかね。夏の気温が高くなかった昔は、お寺も涼しかったと思います。

お寺が涼しくない理由をいくつか挙げてみます。

ひとつは天井が高いですね。すると日中の熱がその天井にこもるんです。床も高く、隙間風もあるから風通しもいいんですが、最近の夏は35度以上にもなるでしょう。そうするとどれだけ風通しがよろしくても、空気そのものがむわっとして、もう熱風になってますので、風通しが良くても暖かい風ばかりが送られてきて、全然涼しくならないんです。

私、つい最近、とあるお寺の本堂でのお葬式に参加したんですけども、私、生まれて初めてあの氷柱というもの見ました。あの氷の柱ですね。

冷房機の無い時代は、お座敷やお堂で、氷柱を置いて涼を取っていたようです。暑い夏に涼しさを届けるためですね。

氷柱の後ろに扇風機が設置されていて、私、その氷柱の前におったんですけども、まぁそこまで期待していたほど、涼しいわけではなかったです。お寺の本堂を冷やすのであれば、10個や20個と大量の氷が必要だったんじゃないんですかね。

お寺は実はあんまり涼しくないんですが、お寺の本堂が涼しかったと言われる人もいらっしゃるんです。

それは例えば、神社のように周りが木々でうっそうと茂ってるところや、あるいは山の中や池の近くにあるお寺ではなかったのでしょうか。木々で夏の暑い日差しが遮られてるような場所は、空気が若干ひんやりとして涼しく感じるんです。

でも平野や街中にあるような一般的なお寺というのは、そんなに夏涼しくないんです。

私のお寺は、毎年9月の9日に、秋の永代経法要というのをしてるんです。9月になりますと最高気温が30度以下の日も多くなって、お寺の法要をするにもよろしいんですけども、10年以上前に一度、本当に暑い9月9日が来て、お寺の暑さ対策をしなくてはならない時がありました。

といっても、お寺を涼しくするなんて急にはできないので、その時は塩キャラメルやキャンディーをたくさん用意して菓子器に盛ったんです。そしたら大好評で皆さんどんどんどんどん取っていて、全部無くなってしまいました。またお寺の縁と言われる場所。本堂の外側の場所ですね。そこにブルーシートを敷いて、机をその上に置いて、発泡スチロールにたくさん水と氷を張って、でそこに大きな大きなペットボトルを5・6本ぐらい用意して、「どうぞご自由に飲んでください」っていうことをしました。

本当に暑かった9月9日ですので、キャラメルや飴だけじゃなくて、本堂の縁に用意した飲み物もしっかり空になってました。でも今思えば、ちょっと失敗だったかなと思います。

ペットボトルを氷水から抜いてコップに注ぐ時、やっぱりボタボタと、ペットボトルについた水が落ちてたので、本堂がビチョビチョに濡れてしまいました。

それ以降はそんなに暑い9月もないので、冷たい飲み物を出すことはなかったんですけども、まぁ何度も言ってますが、お寺というのはそんなに涼しくないんですね。むしろもう外の暑い空気と同じ中、冷房も効いてない空間でお勤めする・法事をする・葬式をすることは申し訳ないなあと思うのが、実際の本音なんです。

「お寺にエアコンぐらいつけたらいいんじゃないですか」と思われる人も多いと思います。

でもお寺はすきま風が多いので、冷えにくいんです。本堂の柱と壁を見るとわかるように、大きい建物ですから下の方・床の方はほとんど隙間がなくても、上の方・天井の方に行くと、どんどんどんどん隙間が広がっています。床の下からの隙間もあるから、なかなか冷気がたまらないんです。

また、エアコンをつけようと思っても、規模にもよりますけどもお寺の本堂は、40畳50畳60畳100畳とかありますと、なかなかそれを賄うだけのエアコンを取り付けるのが大変ですし、たくさん付けるとブンブンゴーと音がします。お寺の外に室外機がズラズラズラーッと並んで見た目も悪くなります。電気代もかかります。なによりも風で蝋燭が揺れて、本堂の中で蝋燭が使えなくなるんですね。

ですので、なかなかお寺の夏は暑いですし、その夏の暑さをどうやって対応すればよいかは難しいところです。

私が今思ってるひとつの案は、8月6日の広島平和記念式典を見てますと、去年からミストシャワーをしてるんですね。

テレビの映像を見ると、去年よりもあのミストシャワーの規模が大きくなったように感じます。私が最初にミストシャワーを見たときは、あれって参列者の人の服とかが濡れて困るんじゃないのかなと思ってたんですけども、参加した人に聞くと、「なんか霧状のやつがしっとりとするだけですから、そんなに気にならなかったですよ」って言われてました。

濡れて困らないのであるなら、もしそんなに価格もしないのであれば、音もしないですし暑い空気も冷えるなら、ミストシャワーというのもいい手かなと最近になって思ってます。実際にするかどうかは、まだまだ検討の段階ですけども。

さて、お時間が参りましたので、お坊さんかっけいの小話はここで終わります。

今回は「夏のお寺の本堂って涼しいのは本当」というお話をしました。

平地や市街地にある普通のお寺というのは、夏、全然涼しくないですよ。木々に囲まれた神社や山の中にある 寺であれば涼しい・涼を感じるかもしれませんという内容でした。夏のお寺というのは暑いので、お坊さんもどうやったらお参りの人が気持ちよくなれるのかなあと悩んでいるんです 。

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ラジオの補足

お参りの人にやさしくないお寺

お参りの人は高齢化になりつつあります。お寺には十分な冷暖房機も無ければ、一段一段の段差が大きく、足腰の悪いお年寄りには辛いことがあります。

「お寺の本堂は涼しい」というのは昔のはなし。あるいは木々に囲まれたお寺のことす。一般寺院では熱中症に気をつけなければなりません。

今回のラジオ内容は、以前私が書いた次のブログ記事と関連しています。そちらも読んではどうでしょうか。

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    MP3ラジオ音質の変更

    2019年7月9日からラジオを初めて6週間になりました。無事に毎週火曜日に更新できています。不安ながらも手探りですすめているのですが、これまでに40ほどダウンロードされているようです。非常にありがたいですし、嬉しいです。もちろん無料ですよ。

    まさかダウンロードして聴いてくれるなんて思っていなかったので、ラジオ音質は深く考えていませんでした。

    この第7回放送からは、mp3ラジオのビットレートを192kbpsから128kbpsに変更しました。

    ビットレートを下げると音質は悪くなりますが、128kbpsならばまだまだ音質は優れています。それこそyoutubeの多くも128kbpsですし、最高音質も192kbpsです。ラジオトークである「かっけいの円龍寺ラジオ」では、128kbpsでも十分満足できるはずです。

    ・~96kbps……音が伸びないので、トーク中心のラジオ番組などに
    ・128kbps……誰が聴いてもさほど違和感がない。PC用スピーカーやカーオーディオでのポップス&ロック向き
    ・160kbps……一般的なオーディオでも満足できる音質。音が多いジャズ等にも向く
    ・192kbps……ヘッドフォンで聴いても破綻が少ない。音域が広いクラシックでもOK
    ・256kbps/320kbps……CD(1411kbps相当)に近い高音質


    個人差はあるものの、概ね上記を基準に考えよう。普通の人が音質差を聴き分けられるのは、せいぜい160kbpsまで。192kbpsを超えると、よほど“耳のいい”人でなければ違いを感じられないだろう。

    MP3やAAC、WMAなどの圧縮音源は、どう使い分けるのがベスト?IT小ネタ帳』より引用
    音質を下げた理由

    ダウンロードしてくれる人がいるのは嬉しいです。しかし音質をよくすればダウンロード容量も増えます。ダウンロードする人の負担になります。

    今回の10分のラジオの容量を例に挙げます。

    • 192kbps:13.5MB
    • 160kbps:11.3MB
    • 128kbps:9MB

    容量を以前よりも30%以上減らすことができ、より気軽にダウンロードできるはずです。またラジオ時間1分あたり約1MBと予測できるのもメリットです。

    128kbpsが聞き苦しいのであれば、お便りくださいませ。

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